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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
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それはちょっとしたことから

初投稿です。よろしくお願いします

 蝉が、鳴いている。外はうだるように暑い。

 それを横目にクーラーをつけ悠々自適に指を走らせ、今更時代遅れのコンシューマゲームをする。

 ああ、最高だ。

 ふとつけっぱなしのテレビを見るとデカデカとCMが流れていた。


『世界初のVRMMORPG「 glory of fantasy 」今月15日に発売!これは今までのゲームとは全てが違う』


 剣やら杖やらを持った美男美女がドラゴンと戦ってる様子がありありと映し出される。

 少し興味が湧いて調べてみると、どうやらフルダイブ型…五感全てを機械で変換し遊ぶタイプで初めてのMMOらしい。

 あれの機械、お年玉叩いて買った割に面白いゲームが無く、棚でホコリを被っていたはず。

 ……面白そうだな。たしか今日は14日。

 どうせすることもないし、買ってみるか。

 そんな感じで俺はこの猛暑の中、靴を履いた。




 ────当日───



 今調べるとかなり人気なようで、買えたのは相当幸運だったようだ。まああの店人気が無いからな。

 パソコンにヘッドセットを繋ぎ繋いで適当にキャラクリをする。まあ後でいじればいいだろう。

 開始時間はたしか昼の12時、もうそろそろだ。

 かつては漬物石とまで揶揄されたマシンを被り、電子世界へと旅立つ合言葉を言う。

『スタートアップ』


 その短い一言で俺の意識は落ちた。







「こんちには月乃 遥様。どのゲームを遊びますか?」


 ピンク色の妖精が話しかけてるくる。


「さっき入れた『glory of fantasy』で。」


「分かりました!しばらくお待ちください……」


 その短いやり取りのあと、再び画面は暗転する。






『はいはいこんにちは!私はナビゲーターのルーシーと申します。ではまずは名前を決めてください』


 暗い空間と茶髪の美少女の元に現れる。

 名前は本名をもじったツキハにでもするか。


『キャラクリエイトを行いますが、パソコンで作ったものなどがありますか?』


  設定したIDとパスワードを入力する。


『これでよろしいでしょうか?』


 手元にメニューが現れ、目の前にはクリエイトしたキャラが出ている。見た目は黒目黒髪。身長は180くらいの痩せ型。顔はリアルのを少しいじって終わる。

 そこまで醜い見た目じゃないんだ。どうでもいいだろう。

 適当に作った見た目はほっといてさっさと本命のステータスに移る。


『次にジョブを選んでください。ジョブによってステータスで選べる初期値の最大と最低値が変わります。但しハードモードを選択した場合最大値に上限が無くなります』


 要するに詰み防止用だろう。親切なことだ。

 ズラっと色んな職と初期値が出てきたが、棒切れを振り回すことには慣れてるし剣士でいいか。


『ではステータスを設定してください。剣士を選択なされたのでSTRに150まで振れます。またINTとMPの初期値は最低です。これはレベルが上がると上限は消失します。またLUKに関しては制限はございません』


 つまりレベルが上がれば魔法剣士的なことも可能なのか。ステータスは合計300ポイント振り分けられるらしいがさて、どう振るか……。




 少し悩んだ末、こう決定した。

 HP500

 MP10

 STR(筋力)140

 DEX(器用さ)20

 VIT(生命力)20

 AGI(俊敏性)120

 INT(知力)10

 MND(精神力)20

 LUK(幸運)10

 STR/AGI型だ。防御はまあ…躱す前提で行くか。





『次にスキルを決めてください』


 目の前にまたウインドが現れ、ズラリと様々なスキルが表示される。

 合計30ポイントから振り分けられるらしい。

 さて、ここでどういうプレイをするかが決まる訳だが…俺は最初からPKする気しかない。

 そこに絞り、スキルを吟味していく。

 結果……

 

【忍び足】

【直剣術】

【偽装】

【奇襲】

【危機感知】


 こうなった。

 奇襲するための【忍び足】とそれの威力やら成功率を微妙に上げる【奇襲】、PKしても街で動けるようになるらしい【偽装】、あとは戦闘時に優位に働くであろう【危機感知】を取った。偽装はかなりポイントが高く、泣く泣く他のスキルは諦めた。


『キャラクリが完了しました!チュートリアルで基本的なVRの動かし方等を説明しますが、参加しますか?』


 *後でヘルプを見て確認することも出来ます


 まあ、VRで身体を動かすことには慣れてるし多分大丈夫だろう。

 死んだらもう少しちゃんと考えよう。


「いいや、必要ない」


『了解致しました。それでは楽しんでくださいね!私はこれからまた最初と同じことを続けるんですけど!続けるんですけど!』


 なんか大変らしい。


 そう言ってる間に巨大な光に呑まれ、再び意識がブラックアウトした。

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