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入学初日の出来事3(プレートバトル1)

「ま、非常識に対抗する為と銘打った監獄でしかないけどな…」


俺の呟きを横で聞いていた瑞穂は、少し困ったように苦笑していた。

「でも、誰かがやらなくちゃいけないよね。それに能力を持ちたくても持てない人もいる。だから私は、持った能力を忌み嫌わないし、誰かがやらなくちゃいけない事を自分で出来る事に誇りを感じているわ」


普通なら辿り着けない境地だよ、それは…

この学校はどんな矮小な能力だとしても、能力があるとされれば、強制的に入学させられる。

学校が創立された頃ならいざ知らず、魔物の脅威を知らない者からすれば、この学校のシステムは単なる徴兵に過ぎない。

だから通常、生徒の思考は二分される。


自分の能力を誇示したい者と、奪われた自由を悲観する者に…


そんな中コイツは、全く違う思考に行き着くのだ。

本当に大物なのだろう。


「俺はお前のようには考えられねえよ」

「ばぁ~か、アンタが私と同じ考えだったら、詰まんないじゃない」


おいおい…


「少なくても、私は自分が少数派で綺麗事を云ってる人間であると自覚してるわ」

「へ~自覚してんだな…おまっ!!」

キッと凍てつく視線に言葉を留める。


「だから、賛同してほしいなんて思ってない、けど…」

睨んだかと思えば、途端に頭を下げ語尾が小さくなる。

「けど…理解しようとしてくれない人がいないのはヤダ…」

そう云うと、俺の顔を見て言葉を待っている。


ヤダ…か、瑞穂には似合わない云い回しだとは、思わなかった。どんなに大人びた態度や思考をしようとも、俺達と同じ十五歳なのだ。不平や不満が無くても、その分大きな不安があるのだろう。


「だったら、その一点については安心だな。たった一人かもしれんが、分かろうと努力だけはするヤツがいる…ま、誰とは云わんがな」

ちょっと…否、めっさ恥ずかしいぞ、コレ…

ここで瑞穂にツッコまれたら、全速力で離脱し兼ねない。だが、瑞穂は「うん」と一度頷くだけだった。


「なあ瑞穂。今日はまぁ、しゃーないとしても、今後は無理するなよ。いつも付き合ってやれる訳じゃないんだ。ま、付き合ってやったとしても100プレート(ハンプレ)の俺に期待するなってな」

「うん、期待する」

「だから…」

反論しようにも、瑞穂がソレを許さなかった。


「私は知ってるから…」

ったく、だからコイツは苦手だ。

俺は、瑞穂の呟きを聞かなかった事にして、また歩き出したのだった。



「瑞穂!」

恥ずかしさで暫く、無言で歩いていたが、人の気配を感じ瑞穂を呼び止めた。

「ええ、詳しい分かる?」

瑞穂も気配に気付いていた。

「ちょっと待て」

大きく息を吸い込み、前方に意識を向ける。そして、

「いけっ!」

一声と同時に空気が震える。更に2秒後に再び空気が震えると、俺は静かに目を閉じた。


「3、否4人…1対3のようだな」

「やっぱり」

やっぱり?

瑞穂は俺の知らない何かを知っているようだ。


「距離と地形は?」

色々と聞いてみたい事はあるが、瑞穂の様子から優先順位を一つ下げる。

「約100m、林道っぽいな」

「了解!真人、ちょっと急ぐけど着いて来れる?」

「行けるが、得策じゃないな」

この先は丘になっている。その分時間は掛かるが、普通に走って30秒程度で行ける。ならば焦る必要はない。


「分かった。じゃ、後で来て!水流疾走アクアドライブ

「お、おい」

瑞穂は、足元に水の塊を出して地を駆ける。

水流疾走アクアドライブは、水使いの代表的な移動術で波に乗っている、と云えばイメージし易い。


「ったく、あの馬鹿」

得策じゃないと云ったのは「能力を使って行くのは」という意味だ。理由は分からないが、瑞穂はこの先にいる上級生と戦闘になる事を確信していた。

ならば、自分の能力はギリギリまで隠しておくのが、定石セオリーだ。

それを定番の術を使って飛び込んだら、モロバレになる。


「フォローする身になってくれよ」

と、嘆いてみても後の祭だな。

とりあえず、今は出来る事をするとしましょうか。

もう一度大きく息を吸い込み、先行した瑞穂を追いかけ地面を蹴った。


「だから、この場は無かった事にしていただけませんか。と、お願いしているんですが…言葉が通じないのでしょうか?」


目的地に着いた俺が見た光景は、想像していたモノとは少々イメージが違っていた。

まあ、瑞穂がキレ掛けているのは、想定していたが…


状況としては上級生3人が、瑞穂と小柄な男の行く手を遮っているといった感じだった。

詰まるとこ瑞穂が、水流疾走アクアドライブでそのまま突っ込んで行ったのだろう。

自分の能力を簡単に見せる相手は、実践不足を露呈しているようなモノだ。

上級生にしたら、鴨ネギ…ラッキーといった感じだろうか。

どうせなら、舐めきった台詞を吐いて、負けフラグを立てるようなヤツがいいのだか…さて、どんなものだか…


「はぁ?何云ってんだ、コイツ」

真ん中の男が、耳に手を当てて下卑た笑みを見せる。

うむ、やはりというか…完全に瑞穂を格下として、舐めきっている。

…どうなっても知らんぞ。


「つまり、引いてくれる気はないという事ですね」

「お~プルプルしちゃって♪可愛いね~。でもさ、お兄さん達はこの学園の厳しさを指導しなきゃいけない立場だからね~。しっかり勉強しちゃってよ~」

続けて左の男が云う。

アンタこそ、人生の厳しさを学ぶべきだと思うぞ。

確かに希望は出したが…こうも見事に負けフラグを立てるヤツがいるとは…コイツ等程度なら、同時に相手しても問題ないな。

本当に問題があるのは…

少し遠くを見てから、右の男を確認した。


「一年とは云え、ここのルールは知ってるだろう。上級生か上位プレート持ちから戦闘を挑まれた場合、断る事は出来ない」

右の男が云う。

余り前に出てくるタイプではないのか、目立たないのだが、3人の中では一番雰囲気を持っていた。


「そうですね、確かに…」

なっ!

今まで黙っていた小柄な男が、口を開いた瞬間、背筋に悪寒が走った。

な、なんだ…今の…

「数少ない校則ですから、守らないといけませんね。う~ん、ではこうしましょう」

ポンと手を叩き、小柄な男は振り向いた。

そして、気配を消して様子を見ていた俺に向かって云った。

「せっかく、お仲間が到着した事ですし、集団戦パーティーバトルにしましょう。如何ですか?」

ヤラレたな…先程感じた悪寒は、コイツに察知されたから感じたのだろう。


もう少し確認していたかったが、仕方がない。

俺は姿を表し、小柄な男の前に立った。

PCが使えない状況なので、スマホで打ってます。

UPした後でも文書を増やすケースが多発中です。ホントすいません。見ていただけた方がいましたら、お手数ですが再度、確認していただければ幸いです。


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