表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/63

合成獣7

「さて…」

俺は、瑞穂に治療されている、赤屋に向かって行く。


「おいコラ、ヘタれ。お前もう帰れ」

死者に鞭打つ行為に等しかったが、これ以上コイツに居られるのは、迷惑以外の何物でもなかった。


「ん、だと…」


怒りの表情をするが、やはり始めの頃の自信や気概をその目から、感じる事が出来ない。

既にコイツは負け犬に成り下がっている。この先着いてこられては、他の者に被害が及ぶ。


「んじゃ、聞くがさっきのゴリラ以上の敵がいて、お前やれるのか?」

「…」

「だろうな」


そこに居る全ての人間が口を閉ざしていた。


「はっきり言ってやる。この先、さっき合成獣ゴメラ以上の合成獣キメラが必ず居るぞ。そんなもん相手にお前が居たら、必ず誰かが被害を受ける。さっきの里美のようにな」

「うるせーぞ、このクソカスがぁー!」


痛いところを突かれ激昂した赤屋は、瑞穂の治療を中断し、俺の顔を鷲掴みにした。


「テメーは焼き殺してやる」


チリチリと俺の髪が焼ける。だが、俺は赤屋の腕を払うつもりはなかった。


「やるならやれよ」

感情の起伏を抑えて言う。そして、赤屋の心臓辺りに手を当てた。


「お前の炎が俺を焼くのが早いか、俺の風がお前の心臓を貫くのが早いか、勝負してみるか?」

「なっ!!」

「出来ないよな、テメーは今計算しただろ?そして、勝てないと思っちまった。俺がお前なら、余計な事なんて考えないで、まずこうしてる」


ピンっと指を弾き、風の弾丸を赤屋の胸に叩き込む。


「がっ!!」

胸を抑えて膝を地面につける赤屋。俺はそこに追い討ちを掛ける。

「ぶっ!」

赤屋の顎に蹴りを入れたのだ。そして、

「いいか、相手が反撃出来る状況で、脅すのは愚の骨頂だ。脅しは相手の自由を奪ってからするんだよ」

大の字になっている赤屋の髪を掴み、その目を見る。


「ひっ!!」


最後に残っていた自尊心を完全に奪い取る。俺はそのつもりだった。だが、瑞穂は俺の腕を掴み捻りあげる。


「何のつもりだ?」

「やり過ぎよ。これ以上やるなら、私が相手になる」


瑞穂の目は真剣だった。俺がこれ以上、赤屋に手を出せば全力で掛かってくるだろう。


「ふぅ~、分かったよ…」

俺が力を抜くと、瑞穂は腕の忌ましめを解いた。


「真人、どんなに正しい事をしていても、やり過ぎれば正しくなくなっちゃうんだよ。アンタもそれは分かってるでしょ」

「そうだな…すまね」


瑞穂は答えずに、赤屋の頭を膝の上に乗せた。

清流回帰(アクアヒーリング)

右手を赤屋の顎に充てて、治療を施す。

「お前…」

「勘違いしないでね。私はアンタが大っ嫌い、けど怪我したままほっとけないでしょ」


そうコイツはこういうヤツだ。甘いかもしれないがそれでいい。


「妬ける?」

「なっ!!」


大いなる大菩薩の心境で、瑞穂を見ていた俺に、何を勘違いしたのか、カスミが茶々を入れてきた。


「瑞穂は俺のもんじゃぁーって、叫んできたら」

「あら、真人さんと水鏡さんはそう云うご関係ですの?」


そこに参戦する里美。


「クッツキそうでクッツイテない、そんな感じ」

「むむむ、では私は愛人2号で…」


何を仰有ってるんでしょ、この人…


「はっ、ちょっと2号って…」

「1号」

カスミを指して、里美は言う。


「何でそうなるのよっ!」

藪から出てきた蛇の存在に気づくカスミ。


重くなりかけた空気が一気に緩くなった瞬間だった。


一応、この章は後3話を予定してます。

是非、見ていって下さい。

(2話から変更しました。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ