表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/63

合成獣1

「ヒッヤホー♪燃えろ~獄炎連撃(ディバインフレイム)

両腕に巻き付いた炎がヨーヨーのように、飛んでは戻りループする。

一度手を離れた炎は、直線上にいる虫を次々と焼き払っていく。


「派手ね…下品」

カスミは炎の余波から身を守る為に、俺の後ろをピタリと着いてくる。

「熱よけぐらい自分でしろよ」

「嫌、あんなのの為に魔術使うなんて、もったいない。いーじゃない、アンタがこの虫を払ってる訳じゃないんだから」

「まぁ、確かに楽はさせてもらってるな…」


先行している男の背中を見た後、瑞穂に同行している女性に声を掛けた。

「けど、アンタも大変だな。アレと組まされて」

「今回だけですから、そう考えば大した事ではありませんわ」

ニッコリ笑って、山辺里美(やまのべさとみ)は答える。

日本のお嬢様という感じの、これまた美人さんではあるが、黒の1プレート(ワンプレ)持ち、1年2位の実力者だ。

歩き方1つとってみても隙がなく、すぐ横を歩いている事を忘れそうになる。


能力無しのガチバトルしたら、瞬殺確定だなこりゃ…

俺や瑞穂は実家で、精霊使い(エレメントマスター)の修練の他、体術の修練を行って来ている。

それは魔物と対峙した時、能力だけでは対応しきれないからだ。

それこそ、十把一絡げのヤンキー相手なら、二十人程度は軽く捻れる程度は強い。

だが、里美が持つ強さは別格に思える。

瑞穂もそれを感じているのか、口を開く事なく里美の事を監視している。


「何か?」

俺に、里美は話し掛けてくる。

「否、ちょっと見惚れてた」

『あぁ』

「ひっ!いっ否、無駄の無い歩き方だと思ってな」

感じた2つの殺気に身動ぎながらも、何とか言葉を繋げる。

何だったんだ今の…

「フフ、私の実家は忍の家系ですの。普段からなるべく、気配を消すようにしてましたので、その影響かもしれませんね」

何だよその設定…敵にしたくねぇ…


「焼けろや、コラー!」

前に居る男は対極だった。

ゴツい体に、オッサンかというようなフケ顔。能力を垂れ流す頭の弱さ…何よりウザい。

それでも、炎使い(フレイムマスター)としては、決して侮る事が出来ない。

青の1プレート(ワンプレ)、1年4位赤屋甲二(アカヤコウジ)

コイツもある意味、敵にしたくない奴だった。


今は『失われた番号(ロストナンバー)』の俺、1年2・4・5・7位の合計5人で動いている。

何故このメンバーで動いているかといえば、俺達が御社の屋敷に再度着いた時まで遡る。


御社は屋敷の前にいた。

「やあ、待ってたよ」

友達が来たかのように、手を振って俺達を呼ぶ。

「お招き預かりまして…と云った方がいいですか」

「フッ、下らないやり取りは不要なようだね。では、行こうか」

そう云うと、御社は歩き始める。歩くスピードこそ遅いがしっかりとした足取りは、やはり80歳を越えているようには思えなかった。


「何処に行こうと?」

「心配しなくても、そうは歩かないよ。私も年だ。そんなに遠くまでは行けない」

そう云われては、大人しく着いて行くしかない。屋敷の裏の道を御社に続いて歩いた。


「さて…」

5分程歩いただろうか、御社は立ち止まると前の山を指差す。

「目的地はそこだよ」

差された方向を見ると洞穴があり、その前に二人の生徒が待っていた。


「あの二人は?」

俺が御社に聞くと、代わりにカスミが答える。

「山辺里美と赤屋甲二。1年の2位と4位よ」

「うむ、そして今回のみ君達の同行者になる」

「監視役ですか?」

カスミを切り捨てたのだから、別の監視役をつける事は予想していたが、こんな明らさまにつけるとは考えていなかった。

「否、君達の協力者だよ。本当は速水君にお願いするつもりだったが、フラれてしまってね」


コイツは一体、何をさせようという気だ?

「これから君達には、あの洞穴に入ってもらう。中かちょっとした洞窟になっていてね。ま、ダンジョンRPGをして貰おうと云う訳だよ」

ダンジョンRPGだと、このじじい何考えてんだ。

「勿論、RPGである以上、ボスも用意している。君達はそれを倒せば、晴れてクリアになる」

「たちの悪い遊びですね」

ホント、うんざりする。

「そうかね。退屈はせんと思うが…あ、そうそう一応、ボスのパラメーターを伝えておこう。あくまでもデータ数値だが、魔物の20分の1程度だ。では楽しんできてくれ」


こうして、御社の遊びが始まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ