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とある日常1

とある少女の、淡く切ない初恋の物語


「海行こうよ海!」


 某月某日、冬。


 いつものメンバーで期末テストの勉強を図書館でしてたとき、天然美少女こと沢田リコがそう言いはなった。


 ……いや、うん。


「却下で」

「えー」


 えー、じゃねえよ。


「海ってのは夏に行くもんだろ、それにテスト週間中だしな」

「ぶー、冬に行く海もオツなもんだよ」


 勉強も楽勝だし、と沢田リコは宿題として出されてたプリントの束を俺に見せてきた。


 全問正解だった。

 答えを写した形跡は、ない。


「……おかしいな、沢田リコはお馬鹿キャラだったはずだが……」

「部活引退したしねー、今は勉強に集中してるから」

「ああ、そういえば『部活に学校生活を全てかけてるから勉強はやればできるけどやってないだけ』っていう設定だったね……」


 部活が終了した今、沢田リコはその才能を勉強に回している、ってことか。


 ちなみに沢田リコの部活道最終成績は全国大会準優勝である。


「でも沢田リコは良いとして、他の皆は無理だぜ? 特に藤宮マサルとか」


 せめてテスト終わったらにしようぜ、と言い、勉強に戻る俺。



 次の日。



「どうして俺は海にいる」

「勢いって大事だよね!」


 しかも沢田リコと二人きりである。

 おかしいなぁ、何処で間違えたんだか。


「羽切くんは何も間違えてないよ! 私が正しすぎただけで!」


 ああ、思い出した、首相官邸もびっくりなセキュリティを誇る我が家に不法侵入した沢田リコに寝てる時拉致されたんだった。

 沢田リコってそんなにハイスペックだっけ?


「そんなことどーでもいいでしょ!」


 遊ぼ遊ぼ! と沢田リコが砂浜に降りて手招きしている。


「はぁ……」


 仕方ない、遊ぶとするか。


 どんな遊びをしたかは、話すと長くなるのでダイジェストでお送りしよう。




「yes! ベリーフリーダム!」

「whooooooooo!」

「こまねぇちぃいいいいいいいいい!」


 だばだばどぅー。


「弁護士を倒す魔王」

「ウォーハンマー・ネクストセカンドマークツー」

「この場合『つ』?それとも『う』?」

「『ゅ』で」

「難易度たけえ!」



「ふはははは! 俺の【インゼクター】に勝てるデッキなどいない!」

「あ、エクゾディア揃った」

「」




*****




 …………いやぁ、遊んだ遊んだ。


「楽しかったねー、羽切くん」

「ああ、そうだな」


 時刻はもう夕方、赤い太陽が水平線に沈んでいく。


「冬の海もいいもんでしょー」

「海と関係ない遊びばっかしてたけどな」

「ギクッ」


 ははは、と笑って誤魔化そうとする沢田リコ。


 しばしの沈黙。


 ……やがて、意を決したように、沢田リコは言った。


「あのね、羽切くん」


 沢田リコの頬は、夕焼けのせいか、はたまた別の理由か、真っ赤だった。


「私実は――」














*****



「で、どうだった?」


 伊藤詩織は、訊くまでもないだろと思いつつも、通話相手である幼稚園以来からの親友に、訊いた。


 返ってきた声色は、明るいもの、言葉は、予想通りのもの。


 時折混ざる鼻水を啜る音と、嗚咽は、触れないであげよう。


 

初めてガチっぽい恋愛話書いたが俺にはこれが限界だった……


次回作ラブコメの予定なのに…こんなんで大丈夫か、俺…

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