『仁王様を操るプレスマン』
掲載日:2026/10/29
ある石工が、仁王の石像づくりを依頼され、見事につくり上げました。彩色して寺の山門にいていただいたら、どんな邪気も入ってこられないだろうという、見事なものでした。人間の二倍くらいの背の高さで、具材の石を運び込むのも大変でしたが、でき上がってみると、どうやって運び出せばいいのか、悩ましい問題が浮かび上がりました。縄で吊り上げるにしても、細い部分が多過ぎて、とても運び出せそうにないのです。仁王像を依頼してきた人も、これではお寺に寄進できないということで、代金を払ってもくれず、石工は、自分の作品に作業場を占領されて、身動きがとれなくなってしまいました。
石工は、仁王像を持っていってくれる人がいたら、ただで持っていって構わない、ただし、壊さないようにしてもらいたい、という条件で、引取先を募りました。すると、旅のお坊さんがやってきて、壊さずに運び出せたら、仁王様をいただけるのかを念押しし、石工が受け合うと、何やら呪文を唱え、それに応じたかのように、仁王様は動き出し、旅のお坊さんを肩に載せて歩き始めました。旅のお坊さんは、手のひらくらいの大きさの箱にプレスマンを立てたような道具を使って仁王様を操り、山の向こうへ去っていきました。
教訓:鉄人28号、という言葉が思い浮かぶ。




