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第41話ただならぬ理由

優乃さんの表情が、一瞬で固くなる。

ただならぬ、理由がある。

それは、わかった。でも、聞くのが怖い。

相変わらず、ビビりだよなあ。俺は。


「篝くんの気持ちは嬉しいの。でも、あなたの将来を奪うようなことはしたくなくて……」


優乃さんが、ぎゅっと拳を握り締める。

俯いたまま、微動だにしない。

優乃さんも、言うのが怖いのかな。


「どういうことですか?」


声を、なんとか絞り出す。

ギリギリ、かすれてはいない。

頭は、フリーズしてるけど。


「篝くんは、私なんかより、もっと若い女の子と結婚して、家族を持つべきだと思う」


えっ……!?

ダメなやつだからとかじゃないのかよ……!

そんな理由、切なすぎる。


「待ってください……!」


何が、どうして、そうなった!?

俺、そんなに、子どもが欲しそうな顔してた? 思考回路がショートしそうだ。


「篝くんは、わからないでしょ? 子どもを持てないっていうことが、どんな感覚なのか」

「それは……」


俺には、わからない。

だって、まだ、結婚もしたことないし。

でも、それって、その後の話なんじゃ……。


「親族から子どもはまだかって、急かされて、友達からどんどん置いていかれるんだよ」


拳を握った指先が、白くなるほど力がこもっている。見てる方が、辛くなるくらいに。


「そう……なんですね……」


優乃さんは経験者だ。

だから、傷ついて、苦しい想いをしてる。

安易に否定できない。

俺の方が年下で、経験もないから。


「年を取ったら、絶対に頼れる親族がいたらいいなって思うから。私は、そういう人も、仕事で見てきたから、わかる」


言い分に筋は通ってる。

でも、このまま終わるなんて、嫌だ。

静まり返った店内で、再び氷がカランと音を立てた。

考えるんだ。俺。

俺と、優乃さんの、ハッピーエンドを。


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