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第39話篝に、二言はない

色とりどりの魚。

悠々と泳ぐイルカ、アザラシ、カワウソ。

そして、よちよち歩くペンギン!

俺は、優乃さんと、全てを満喫した。

水族館を出たばかりなのに、もう恋しい。


「えへへ。楽しかったね」


優乃さんスマイル、いただきました。

ペンギンの帽子で、さらに倍増。


「すっかり馴染んでますね。その帽子」


優乃さんが、慌てふためく。

ん? 俺、何か言ったっけ?


「そうだ……! 取るの、忘れてた」


あっ……! しまった……!

かぶったままで、よかったのに……!

……じゃなくて!


「この後、時間ありますか?」


俺には、今日、重要なミッションがある。

あの話を、ちゃんとする。今日しか、ない。

ああ。思い出したら、胃が痛い。

でも、篝に、二言はないからな~。


「うん。よかったら、飲みに行こうよ」


よし! 流れに乗ってきた!

むしろ、順調すぎる!


「いいですね。俺も、同じこと、考えてました」


でも、同じことを思っててくれて、嬉しい。

いかん。顔がにやける。

ここからは、キリッとかっこよく、決めねば。


「……ついてきて」


颯爽と歩く優乃さんの背中は、昼間の無邪気な笑顔とは違って、大人っぽい。

やばい、見惚れる。

どきどき……胸が高鳴る。

落ち着け。俺。でも、落ち着けない。

神様。今日だけは、見逃してくれ。

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