表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/34

第29話もぐもぐタイム

朝、目を覚ますと……


「……え!?」


優乃さんが、俺の腕で眠っていた。

待って! これ、どういう状況!?


「あっ……! ご、ごめん……!」


優乃さんが、飛び起きる。


「お、俺、何もしてないですよね……?」


まさか、うとうとしながら、やらかしたのか。心臓がバクバクする。


「だ、大丈夫だよ!私が勝手に寝てただけだから……」


「それなら、いいですけど……」


優乃さんが、そう言うなら、それでいい。

多分、2人とも、寝落ちしたんだろう。


「寝心地よかった……な……」


その小さな呟きに、胸が跳ねた。


「え?」


思わず、じっと優乃さんを見つめる。


「な、なんでもないっ……!」


また、顔を赤らめて、目を逸らす。

優乃さん……それ、ずるい。


「そ、それより、朝ごはんにしましょう」


このままだと、マジでやらかしそう。

エネルギーを違うところへ向けねば。


「いいの?」


「俺、料理は得意なんで……」


よく考えたら、お腹もすいたし。

我ながら、いいアイデアだ。


「わあ。じゃあ、楽しみにしながら、待っててもいい?」


「は、はい……」


いつもの台所に立つ。リビングダイニングだから、待ってる優乃さんの様子も見られて、一石二鳥だ。

まな板の上に、材料を並べ、リズムよく、野菜を切っていく。まずは、味噌汁を作ろう。


「すご~い……」


集中していたら、いつの間にか、優乃さんが、俺の隣に立っている。かわいいけど、気になる。


「いや……ただ、味噌汁、作ってるだけですから……」


俺の頭では、料理と優乃さんの相手は、同時にできない。それでも、鍋をコンロにかけて、なんとか味噌汁を完成させた。


「次は?」


優乃さんが、きらきら目を輝かせる。


「だし巻き玉子を作ります」


ボールに玉子を割り入れ、混ぜたら、フライパンに流し込む。そして、焼けたら、巻いていく。ただ、それだけなんだけど、


「上手~」


優乃さんは、キャッキャと喜んでいる。

これは、バフなのか、デバフなのか。


「優乃さん……もう、終わるんで、座っててください」


「は~い」


物見遊山の優乃さんがようやく、ダイニングテーブルの椅子に座る。

味噌汁、ご飯、卵焼き……そして、俺特製のぬか漬けを並べて、完成だ。


「じゃあ、いただきます!」


優乃さんが、満面の笑みでモグモグし始める。いつもの朝食なのに、今日は特別に見えた。


「ん~……おいし~」


「……よかったです」


俺の料理が、優乃さんの胃袋を掴んでる……! たまんないんなあ……もう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ