Episode6.葬送
「雨花さん、天宮さん、落合さん、行軍お疲れさまでした。今日はしっかりと休養を取ってください。」
東北の地から帰還すると調査帰り定番の司令部の者が軍基地の入り口にて立っていた。
「司令部」所属
菊花 千寿
「菊花…」
菊野は所属部署が違うも同期の一人である。今思えば先程応答してくれた司令部は彼女だったと気づいた。
「…お疲れ様、紫陽。上の指示であんたと里梨花はこの後自室に戻ってればいいって。」
「あ、ありがとう…ございます…。」
天宮がお礼を言い歩いていく後ろを黙ってついていく。
金出の体から咲いた花はナスタチウム。
花言葉は「勝利」
「…何が『勝利』だよ…。」
その翌日、金出の葬式が行われた。
表向きには金出の死因は戦闘中に殺されたこととなっており花傀儡になったことはもみ消されている。金出を守るため、とのことだった。
「命を懸けて戦ってくれた金出に心からの感謝とお悔やみを」
最高上官が場を仕切りどこか慣れたように葬式を執り行っていく。
これまで何度繰り返したのだろう。
「司令官いないね…」
「やっぱり噂は本当だったんだね…」
背後から小さな声で話している声が聞こえた。一つ後輩の子たちだった。気になって思わず声をかける。
「噂って?」
「雨花上官…えっとですね…」
彼女たちは言葉を濁す。
「遠慮なく言っていいよ。周りに広めるつもりはない。」
「…実は、司令官は存在していないんじゃないかって噂があるんです。」
「存在していない?」
「はい。これまでの葬式も司令官は参加してないんです。上官たちは仕事が忙しいからと言うのですが一度も拠点で見かけたことがありません。なのに私たちの動向を見張ってる…」
時々司令官から普段の行動などで指摘を受けることもあるが正直どこで見てるのかは知らない。
「そういう噂か…ありがとうね。君たち、名前は?」
「魚草 亜金です。こっちは…」
「草薙 刺織と申します。」
「そっかまた会えたら何か話そう。」
二人は微笑んで返事をする。
司令官はわたしたちがいるところ以外にも残っている土地に拠点があるため複数人存在しているが、こちらの支部で司令官を見たことはない。
葬式は終わった。金出の体ももうここにはない。
「雨花さん、どうやら明日に…上官からお話が、あるようです…。」
「了解。集合は?」
「室内運動場にて13:00集合との、ことです…。」
「わかった、ありがとう。」




