Episode5.落ちる
「遅くなった、申し訳ない。」
恐る恐る目を開くと弓を持った上官、落合がここに到着していた。
「大丈夫です。上官は花傀儡をお願いします。わたしと天宮はもう一体の花傀儡を相手します。」
花傀儡から距離を取り上官にそう告げる。
「了解、こちらが終わり次第すぐそちらに向かう。待ってて。」
上官はそう言いすぐさまナスタチウムの咲く花傀儡へと矢を撃ち始めた。こちらも天宮に目配せをしてから周辺の蔦を斬りながら回るように近づく。
「雨花さん…心臓は雨花さんに、お任せします…。」
「了解」
返事をすると天宮は自身のハンマーで花傀儡を横殴りにした。殴られた花傀儡は何mか飛び宙を舞う。その間にすかさず鎌を構え、宙を舞う花傀儡に連撃を繰り出す。
落下する花傀儡の下に潜り込み切り上げる形で心臓を切り裂く。
途端に花傀儡の体に纏わりついていた蔦や花が一瞬にして枯れ崩れた。残るのはもともと人間であった存在の腐った肉体のみ。
「なんだ、終わったの。」
一戦が終わった安心感に小さな溜息を零していると背後から声がした。振り返ると落合がこちらへと来ていた。
「上官…終わった、んですか…?」
「ええ。早めに終わらせたつもりだったがどうやら君たちは私の協力なしに倒せていたね。」
上官の後ろを見る。金出の肉体が地面に転がっているのが見える。しかし彼女の肉体には蔦が絡まりまだ花が咲いている。
「上官、金出はまだ…」
「そう。君たちにせっかくだから見せようと思って。」
そういうと落合は矢を背中から一本取り金出のもとへと歩いて行く。わたしと天宮は彼女の後をついていった。
上官が金出の胸元に向かって矢を放つ。花がまるでガラスが砕けるかのように散り、枯れていく。
「…こちら『白月』所属落合、司令部応答願う。」
『こちら司令部、どうなされましたか?』
「雨花、天宮と合流、花傀儡と化した金出を執行完了。ただいまから帰還する。」
『了解いたしました。任務お疲れさまでした、気を付けてお帰りください。』
ぷつっと通信が切れる音がする。
「さ、帰ろう。」
「あの…金出さんの…」
「あぁ、拠点に持ち帰る。運ぶのを手伝ってくれ。」




