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Episode11.天宮

暫く調査を続けた後、突如(かぶと)さんが声を上げた。

「天宮上官、ここの土壌ですが他と比べ苔が。」

兜さんが指す場所を見ると微かに緑色がある。

「なんなら奥の方に行くにつれて増えとらん?」

衣草(ころもぐさ)さんが後ろから道の先を指さす。奥へ行くにつれ、確かに苔の量が増している。

「天宮上官、調査に行きますか?」

「こちらの調査は終わってます、ので…いき、ましょう…」

そういい、先導して先を行く。

進めば進むほどに苔が増し、土がどろどろに湿っていく。

「感染する恐れがあります、ので…なるべく土には触れないように、してください…」

「了解しました」

「わかりました~」


最奥と思われる場所に着くとそこはまるで人が生活しているかのような場所となっていた。

「誰か住んどるんかな…?」

「もしかしたら家の所有者はもう亡くなっているかもしれません。調査しましょう。」

そう言って兜さんが棚などを開けようとしたとき

「どなたですか?」

背後から女性の声が聞こえた。振り返ると大学生くらいで派手な見た目をしている。

「その…あ、あなたのご自宅、ですか?」

「そうですけど文句ある?家壊れちゃったんだよ」

高圧的な態度にどうしても怯んでしまう。そのまま女性はズカズカとこちらへ歩み寄って来て兜の睨み付けた。

「人の家荒らすとか何なの?」

「人が住んでいるようには少しも見えなかったので。」

二人が互いににらみ合う。

「とりま生存者発見したんやし、本部に連れて行こうや」

衣草さんが仲裁に入りどうにか収まる。

「そう、ですね…。早く行きましょう…」

女性をどうにか連れ出し、来た道を戻る。

「兜さん、衣草さん、お二人は調査をしていてください。」

「天宮上官はどうしはるんですか?」

「わたしは女性を連れて、行きます…」

「かしこまりました。お気を付けください」

二人に見送られ女性とともに軍のトラックへ向かう。

「こちら、『白月』所属の天宮、です。生存者を発見しましたので…軍のトラックに乗り、わたしだけ、本部へ帰還します…」

『こちら司令部、了解しました。』

通信機を切り、女性へと目を向ける。先程まで高圧的だったが大人しくなり、どこか呆けているような印象だ。手を繋いでここまで来たが彼女の手には力が入っていない。

「…上手くいきましたね」

このまま軍まで行こう。きっと全て、上手くいく。


苔と泥がどこまでも続いている。歩いて行く度に苔が増えていく。

ふと、ある家が見えた。「天宮」と書かれた表札は苔に塗れている。

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