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Episode9.東側探索

「こちら『白月』所属雨花(あまか)。現地へ到着しました。指示をお願いします。」

『こちら司令部菊花(きっか)、まだほかの部隊が到着していないためしばしそこで待機していてください。』

「了解しました。」

この前説明された行軍が始まった。今回わたしは(あおい)藤華(ふじか)とともに前回安全確認へやってきた場へと今度は調査をしに来た。

「ここが今回の調査場…雨花上官、ここの立地など教えていただけませんこと?」

藤華が問う。すごいしゃべり方だな。

「立地とかは教えてあげられるけど多分遠隔通信端末に情報が送られていると思うよ。」

「あ、本当。上官、ありがとうございますわ。」

相変わらずすごい喋り方の後輩がいたものだ。

「葵さん、準備はできてる?」

「はい!武器の調子も大丈夫です!」

そこで耳につけた通信機がぷつっと音を立てた。

『こちら司令部菊花、応答願います。』

「こちら『白月』所属雨花、なんでしょう。」

『もうすぐほかの部隊がそちらに到着します。先に東側探索を始めていてください。』

「了解しました。」

ぷつっと音が切れ今度は通信が切れる。

「司令部から東側探索開始の指示が出た。行こうか。」

「はい!/ええ」


「…かなり土の腐敗が進んでいますわね。」

「そうだね。この地域は鉄壁が建設された後しばらく調査が入っていなかったからその分腐ってるんだと思う。花傀儡(はなくぐつ)の空気感染に気を付けて。」

「はい。」

前回は敵影などを一掃するために来ていたためあまり見ていなかったが建物の崩壊や腐敗がかなりひどい。きっとその建物の中には腐って白骨化した死体があるのだろう。

「その、上官。」

「葵さんはもう第7部隊でしょ?」

「あ、そうでした…。あの、雨花さん。ここを調査した後はどうするんですか?」

「その後は『黒飴』の仕事になるよ。『黒飴』が建物を撤去したり見つけた資材などから研究を進める。」

『黒飴』は戦闘に不向きなものが集う場。入隊前に『白月』『黒飴』で分けられるため『黒飴』に動機などは存在しない。ちなみに司令部は『白月』の中から決められている。

「そう、ですか…」

「どうかした?」

「い、いいえ!」

そういうと葵は落ち込んだかのような表情をしてうつむきだした。

すると突然、声が聞こえた。

「たすけて…」

わたしたち三人は同時に気づき、声の主を探そうとする。

「どこから…?」

「上官、あの古風な家から聞こえませんこと?」

「…!」

古風で少し大きな家、だったであろう建物。

「行こう。」

念のため武器を構え三人で小走りになって向かう。

「あそこに…!」

家の瓦礫の中で縮こまるように座っている人がいる。駆け寄っていくと女性であることが分かった。

前調査に来たときはいたのだろうか…?

「軍の人…たすけてください…」

その人を見た葵の表情が驚きにあふれている。

「あ…あなたは…」

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