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決意

 「私ならあなたに、あなたの未来が良くなる方法をお教えできますよ」


 一番大切にしていた人に裏切られた、その思いが頭を支配して眼の前の占い師の言葉を信じるしかない。だって、乙華の浮気の写真を持ってるということは、僕がここに来ることが分かっているのだろう。


 「ぜひとも教えてくれ。どうやったら未来がよくなるんだ!」


 「まずは、あなたが持っている乙華さんの日記を渡してください。それはあなたを不幸にさせます」


 まさか、日記を持ってるのを知ってるなんて! きっとこの人は本物だ。僕は日記を渡す。


 「次に、あなたのスマホに入っている、乙華さんが映っている写真を全て消してください。早く消さないと、すぐ悪いことが起きてしまう」


 僕は慌ててスマホを取り出して、写真を消していく。占い師は黙ってその様子を見ている。


 「ああ、今占ってわかりました。乙華さんは生きているだけで、あなたの人生に悪い影響を与えてしまうようです。あなたの手で乙華さんを殺さないといけないようです」


 それを聞いて、流石に身を強張らせた。殺す、そんなことは簡単にできない。


 「いや、流石に殺すことは


「いいえ、しないと今に人生最大の悪いことが起きます。安心してください。あなたのした事は必ずやばれることはありません」


 そう言って、占い師は引き出しから一本のナイフを取り出した。


 「これはおまじないのかけられたナイフです。これを使えば絶対成功します」


 僕は冷静な判断もできないまま、ナイフを手に取った。

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