ことの始まりと一人の青年ウメボ
ーーーーーーーーーがログインしました。-------
「あぁ・・・どうしてこんなことになってしまったんだろう」
壊れた世界で一人青年はそっと呟いた。
「もう、ここにあいつはいない」
「悲しみに暮れる時間もなかった。」
「どうして私を置いて、行ってしまったんだ・・・。」
「...申し訳なかった。・・・」
ーーーーー、、、がログアウトしました。----
ーーーーーージリリリリリリリッッ!!!------
・・・・ジリリリリリリッ・・・・!!!
・・・「うるさいなぁ・・・」
目覚まし時計の音で俺は目を開ける。
寝ぼけまなこをこすり俺は時計を見た、、、時計は9時半過ぎを指していた。
毎朝のルーティーンで、顔を洗って、目薬指して。飯食って。
そしていつも通りに外へ出かける。
ここはとある世界、異世界って言ったほうが話が早い。
そしてこの町はファリーレスト。森の中にある小さな村だ。
そして俺の名前はメウボ、変な名前だろ?俺もそう思ってる。
「おい、、最近また増えてるらしいな・・・天変地異?ていうか異常現象?」
「あーあーそういやまたあそこで地割れとか発生してるそうだぜ」
通り過ぎる人がまたうわさしてる。
天変地異。原因はわからないがこの世界でよく起こる、地面が揺れて地割れがおきたりとか、山から火が吹いたりとか。そんな現象をまとめてこの世界ではそう言ってる。
遠いどっかの星だと「自然現象」なんて言ったりするんだろうけど、それは俺の考察に過ぎない。
俺は空想が好きだ。だから俺は天変地異ってのはこんなんじゃないかー、って件で。こんな考えをしてる。
ーーー大魔王が復活してこの世界を壊そうとしたところを勇者に倒されるお話
そんなおとぎ話にでてくるような「世界崩壊」が起こり始め、この世界では殺伐としていた。……
「来い……勇者よ……!私の力を見せてやる……!」
「なっ……そんな馬鹿な……!地面が割れていくッ……!上からは炎の矢だと……!?」
そんなストーリーがここでも起きているっ!!!
……!
・・・なんて俺の妄想なんだけど・・・
ふへ……ふへへ……
ニヤついた顔を戻す。
話を戻そうか、そんなこんなで、この世界では天変地異におびえながらも楽しくやってる。そんな世界の話ってこと。
天変地異のこととか、空想のこととか。
俺はいろいろ考えながらも店に入る。
色々アイスとかお菓子やらを購入し。
「40ベレックね」
「あんがと、おっちゃん」
そんな何気ない会話を繰り広げるなんの変わらない日常を過ごしている。
鳥が鳴いてて、日当たりがよくて、そんないつも通りの、「つまらない」日常。
いそいそと俺は家に帰る。特に予定なんてないけど。
そしてかえって自室でコンピュータを起動する。
「マネルヤ」ログイン中...。
チャットサービス 「マネルヤ」
この世界で流行っている着せ替えのできるアバターチャットってやつ。
ーーーーメウボさんが入室しましたーーーー
「お、メウボやほう。」
俺はいわゆる・・・引きこもりってやつだ。
「おはよ~。」
フレンドとあいさつを交わし。俺はいつもの「放置」に入る。
自分は話すことがどちらかといえば苦手なタイプだ。だからチャット事態というよりは着せ替えを楽しんだりすることが多い。
あと、人の話聞いたりとか。。
淡々とログが流れていく中一人の女の子同士の会話が目に留まった。
「そういやぁーまた起きてるらしいな、天変地異」
「そうそう・・・ほんと怖いよね。」
「月輝団?だっけ、原因捜索隊?」
「そーそ!原因捜索早く見つかってほしいね・・・」
ログを眺めながら買ってきたアイスをかじる。 ソーダ味の棒アイスだ。
「メウボ聞いてる?おーい」
ログを最新に戻す。
ゲーム内フレンドである「ビット」に声をかけられている
「あぁごめん、ログ読んでた・・・」
ごめん・・・なスタンプを送り「で、どしたん?」と返信。
「そういやレミフィさん引退してあれから5年ぐらいたつけどさって思ってさ。」
俺はアイドルの追っかけをしてた、ネットで有名になったアイドル「レミフィ」インターネットの世界で超有名になった。まぁ詳しく書くと文字数たんないけど。
ちなみに彼女の曲、「恋破ゼロ★天誅」は黒歴史扱いだが、俺は好きだ。
そんな伝説だった彼女が引退を発表した日はガチで目の前が真っ暗になったレベルでストレスで死ぬかと思ってた。
「お前、俺の触れてはいけないとこに触れてんな。」
ビットに対し苛立ちを見せる。
「そんなお前に朗報。」
「んだよ・・・」
「レミフィの妹ELLY?だっけ。あいつもアイドルやるらしいぜ。」
「んだよー、今更かよ、とっくに知ってるっつうの。」
そう、引きこもりの俺だが、ELLYの幼馴染であり。やつの追っかけだ。
まぁ、メッセージにはもうくんな。それ以降メッセージのやり取りもしていない。
「まじかよ、さすがアイドルオタクってとこだな・・・」
「ちげえし、アイドルじゃねえしレミフィオタクなんだよ。いくらグッズに溶かしたと思ってんだよ・・・軽く9999ベレック...」
「あーあーあー聞こえない、お前語りすぎだろw落ち着けよ。」
「おう」
「急に落ち着くなし。」
そんなしょうもない会話で軽く時間を過ごす。
「そんじゃ、ちょっと一仕事してくっから落ちるなー。じゃ、また。」
「おーう、またな。」
と暇な時間を過ごしあっという間に時刻は14時を指していた。
ふとメッセージを見ると三日前ほど前に
「旅に出るから私、探さないでね?三日後に出るから。」
とELLYからのメッセージが来ていたことに気づく。
なんで今更。そんな疑問を抱きながら童貞の妄想が感づく。
「あお、これ最後に俺に会いたい的なあれだ。うん、アレ。」
気が付いたら体が動いていた、
第2話へ続く。