#31「落胆する考案者」A
昨日、固山柔子が体術の超戦士「アリツジュッタ」になり、カテラスの親玉の一人ルオマーを撃破した。 しかし、柔子はウエッパーとシャーマのアリツフォンを破壊してしまい、なんと壁玉防子を誘拐してしまったのである。
一日が経った今日、自分が気を失っている間の出来事を知った由人は、自分の部屋のベッドに布団を被って落ち込んでしまっていた。防子が連れて行かれてしまった事がショックでやる気を無くしてしまった。
柔子は防子に以上な程執着してしていたのだから、こうなる事が想定出来たではないかと由人の中で後から考えが出て来て、それを見抜けなかった事も落ち込んでいる理由の一つでもあるかもしれない。
「防子...うぅ...防子...」
由人の部屋の外では分部拳也、地盤雷男、蔵馬愛剥路が部屋のドアの前で立ち尽くしていた。
「由君、すごく落ち込んでますね...」
「大切な幼馴染の防子さんを誘拐された上に、叩きのめされましたからね...落ち込みもしますよ」
「事情を知ってから、ずっとあの調子だ。朝食も食べてねぇみてぇだ。」
そこに分部博士が三人の元にやって来た。博士は三人を自分の部屋に連れていき、謝罪をした。
「ごめんなさい...私もまさかこんな事態になるなんて思わなかったわ。由人君もあの時点ではまだ資格者を見つけてなかったみたい...防子ちゃんが独断で柔子ちゃんに渡した事になるわね。」
「そうか...あいつの事だから、きっと防子ちゃんになんか吹き込んだに違いねぇ」
「気絶させて、無理矢理連れて行きましたからね」
「今は二台のアリツフォンを修理する事に専念するわ。雷男君と愛剥路ちゃんはカテラスを討伐しつつ、柔子ちゃんを生け捕りするようにしてちょうだい。」
「い、生け捕り...ですか...?」
「私の作った物で誰かを悲しませたのは事実だからね...少しぐらい痛い目に合わせないと気が済まないわ...!拳也にも手をかけておいて...!」
「ぼ、僕はともかく人攫いは普通に犯罪だからね...」
するとアリツフォンから警告音が鳴った。
「まぁ、こんな事態になってもカテラスは出て来るか。こっちの問題はあっちが知るわけねぇしな!」
「でもルオマーがやられて、あっちもダメージを受けているのでは?本当は僕がこの手で倒したかったけど」
「とにかく行きましょう!雷君!」
「あっ、そうだ!二人共これを!」
拳也は二人にそれぞれ二枚のチップを渡した。雷男にはシャーマのチップ、愛剥路にはウエッパーのチップをそれぞれ渡した。カテゴリーチェンジ用として二人に渡したのである。
カテゴリーチェンジは資格者が武着装出来なくなった時に他の資格者に託して使ってもらうという役割もあるのだ。前にも由人や拳也が戦闘不能やアリツフォンが故障した時の事を思い出し、博士が搭載した機能なのであった。
二人はカテラスが出現した現場に向かった。
ある館跡ではルオマーを倒されたノイターが焦りを覚え初めていた。
「まさかルオマーが倒されるとは...早くカテラストーンを集めなければ...!」
ノイターはまた新たに、悪人をカテラスに変貌させるのであった。
防子を攫った柔子は行く当てがないので、とりあえず万部町の山奥の洞窟へとやって来た。冷たい風が吹いていて、若干だが雪も積もり始めている。柔子も寒さで震えている。
防子が気を失っている間に防子のアリツフォンを盗み取り、防子のアリツフォンを操作した。その中にアリツハウスという文字を見つけてこれをタップすると目の前に戸建ての家が現れた。柔子は防子と共に家の中に入った。
アリツハウスの中は普通の家と大差がないくらいであり、山奥でありながら普通に電気も付けられる。電力は無限に使えるので無くなる事はない。ただし、アリツフォンから出現させた物は一日経ったら消滅してしまうのだ。
しかし柔子はそんな事は知る由もなかった。
新編です。
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