#28「義両親の安否」A
とある館跡でルオマーは傷を負わせられたシャーマの事を強く恨んでいた。
「青い超戦士め...この俺様に傷を!次は確実に殺してやる!」
「冷静になれ、ルオマー。カテラストーンの反応があるからそこに行って...」
しかしルオマーの腸が煮えくり返ったようになり、いつまでも冷静になる事はなかった。仕方なくノイターが出動する事になった。
本外町の忍者屋敷の出来事から一週間後、由人は防子を連れて別当町にある由人が育った実家に向かっていた。
これから戦いが激化するであろうと予想して、一度は義両親の安否を確認しておきたかったからだ。
由人は長袖Tシャツに長ズボン、防子は長袖Tシャツにロングスカートと気楽な格好をしている。由人が防子に頼んで、その格好にしてもらったからだ。
屋敷の車で向かっているが、今回は由人が運転をしている。バイクの免許を取るのと同時に自動車の免許も取っていたのだ。
「由ちゃん、車の免許もとってたんだね」
「バイクも取るんだったら、車も取ろうと思ってね」
「この姿の由ちゃんを見たら、おじさんとおばさんもビックリすると思うよ」
一人暮らしをしてから義両親に全く会っていない由人は内心緊張していた。そう思いながら車を走らせていると、由人の実家に着いてしまった。
青い切妻屋根が目立つ、普通の一戸建ての家。これで息子は今は豪邸に住んでいますなんて言ったら驚くと同時に不信に思うだろう。
由人は心臓の鼓動が聞こえそうな勢いで胸をドキドキしながら、家のインターホンを押した。
「は〜い...よ、由君?」
インターホンから声が聞こえた後にドアが開くと、デジタルパーマのショートでカジュアルな格好をした女性が出て来る。
「由君!由君なの!」
「た、ただいま母さん。」
女性は由人の事を抱きしめた。
「全然連絡しなくてこないから心配してたのよ!」
「く、苦しい...とりあえず中に入っていい?」
二人は由人の家に入り、居間に案内され、テーブルに座った。向かいには由人の義両親が座る。居間にはぬいぐるみが飾ってある。
玄関から出て来たのが案内してくれたのが義母の良香。刈り上げヘアのリラックスウェアを着た男性が義父の一正。どちらも四十代だ。
一正はどこか頼りない雰囲気があるが、由人の事は自分の子供のように心配した。クレーンゲームが得意で、飾ってあるぬいぐるみも一正が取った物だ。
由人の実の両親である、実母と実父である、舞歌と武次が亡くなった時に二人が引き取ったのである。
「由君〜全然連絡してくれないから、父さん心配したよ〜。」
「ご、ごめん...仕事が忙しくて、連絡する暇がなくて」
「防子ちゃんも久しぶりね〜元気かしら?」
「はい!由ちゃんと一緒なので大丈夫です!」
「一緒って、もしかして二人は付き合っているのかな?」
「ち、違うよ!住んでる所が近いからよく会ってるってだけだよ!」
「防子ちゃん。あなたの母親は警察に捕まっちゃったの。由君は頼りになるか分からないけど、何かあったら由君と一緒に住みなさい。分かったわね。」
「分かりました!叔母さんがそうおっしゃってくれるなら、そうさせていただきます!」
(もう一緒に住んでるけどね)
義両親は由人達が超戦士となって、カテラスと戦っている事は知らない。カテラス絡みの事件は未央理及び分部邸の人達によって報道されないようにしている。
それからの会話は思い出話に花を咲かせた。由人がヒーローに憧れて、防子と一緒にヒーローごっこをして、それでやり過ぎた事もあって良香に怒られたりした。
一正は由人と防子を連れて色々な所に出かけた。逆に防子の父親である壁章も二人を連れて出かけた話等をした。
話に花を咲かせていると、時間は風のように過ぎていった。時間は正午になろうとしていた。
良香が昼食を作ってくれるというのであった。良香は由人の好物である回鍋肉を作ってくれると言い、由人は子供のように喜んだ。
「あら?キャベツが無いわ...買ってこなくちゃ」
「僕、買って来るよ!」
「私が買ってきます。由ちゃんはせっかく家族と久しぶりに会ったんだから、ゆっくりしてて。」
防子は長ネギを買いに家から出ていった。その様子を見て義両親は言う。
「防子ちゃん、元気になったみたいで良かったわ。」
「お父さんの壁章さんが亡くなって、お母さんの壁美さんがカルト宗教に入って、お金を貢いでたから、防子ちゃん毎日バイトしてたからね。」
「...こんな事言いたく無いけど、碌でも無い母親だったよ。」
「実際、その通りだから。防子ちゃんに逃げられた時もどうやって連れ戻そうとするか、私達に相談に来たぐらいだからね。捕まった時は因果応報と心底思ったわ。」
良香は壁美が防子の事を相談に来た時に、内容を聞いて腹が立ってしまい追い返していた。自分の娘を不幸な目に合わせようとしたため、怒るのも当然である。
「だから由君。あなたが防子ちゃんの支えになるのよ。あの子はきっと、あなたの支えにもなってくれると思うわ。」
「二人が恋人関係になってくれれば、父さん母さんも安心出来るよ。」
「二人共、何言ってるのさ!でもそうなりたいとは思ってるかな...」
由人は照れながらも防子に対する思いを義両親に伝えた。するとアリツフォンから警告音が居間に鳴り響いた。
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