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#26「退職パーティー」B

「そうですか...育鈴さん、やめちゃうんですね...」


「結構仕事が出来る人だったのに、でもやりたい事があるならしょうがないわね」


 愛剥路や路宇都にも育鈴が退職する事を知らせた。やはり二人も知らなかったようだ。


「そうそう、カテラスになった桃江婆さんの息子の育郎さん何だけど、生きてたみたいよ。」


「そ、そうなんですか...良かった。」


「目が醒めるのは二日後になりましたけど、無事で良かったです。」


 すると由人のアリツフォンに連絡が入った。相手は雷男だった。


『由人!防子ちゃんがカテラスに捕まった!』


「な、な、何だと!?」


 由人は雷男から詳しい経緯を聞いた。


「今すぐ探すんだ!こっちもこれからすぐに捜索する!」


『でもどこを探せば...』


「とにかく意地でも探せ!早く!」


『お、おう。分かったよ。』


 由人の催促に驚きながら、通信を切った。


「愛剥路、僕達もすぐに探すぞ。」


「わ、分かりました。」


「路宇都さんも協力して下さい。後、拳也君にも探すように言っておいて下さい。」


「分かったわ。」


「今すぐ出発するぞ!愛剥路!」


 由人は愛剥路を連れて、ただちに防子の捜索を開始した。二人はアリツバイクを出した。由人はようやくバイクの免許を取得し、バイクの運転が出来るようになった。

 二人は公園や空き地、住宅街等を捜索したが、ケーキカテラスの姿は見つからなかった。


「由君。アリツフォンが鳴らないからいないんじゃ...」


「アリツフォンが鳴る時は悪事をしている時だけ、でもそれじゃ今頃防子はどうなっているか...!」


「防子ちゃんの事、心配なんですね...」


「当たり前だ!僕の唯一の大切な幼馴染なんだから、必死にもなるよ...」


 由人の防子への想いに、愛剥路は感心すると同時に妬んでいた。ここまで必死になって探してくれる防子の事を羨ましく思っていた。


 拳也と路宇都は、愛剥路にいなかったと連絡が入ったので、自分達は能野町を出て別当町で捜索する事を他のみんなに連絡した。

 別当町のNOUYA MARKETを捜索した。NOUYA MARKETは能野市に展開しているスーパーなので、能野町の他にも別当町や万場町にも店舗が存在する。

 しかしやはり見つからなかった。


「そもそもアリツフォンも鳴ってないのに居場所なんて...」


「それにしても由人君のあの必死な様子...相当防子ちゃんの事を大切に思っているみたいね。」


「まぁ、由人さんもあまり友達いませんからね。唯一気にかけてくれる存在の防子さんが攫われたなんて聞かされたら、ああなるのも無理ないですよ。」


「あら?拳也君もそんなに友達が多い方じゃないでしょ?」


「そうですね。だから僕も路宇都さんが攫われたら、必死になって探しますよ。」


「アタシ、ヘルメットよ?それにアタシだけじゃなくて誰が攫われても必死に捜索しなさいよ?」


「分かってますよ。」



 愛剥路の連絡を受けた雷男は拳也と路宇都が別当町を捜索すると連絡を聞き、雷男は万部町を捜索する事を連絡した。

 万部町のNOUYA MARKETを見つけて捜索する事にした。すると突然ケーキカテラスが駐車場に現れ、人々を追いかけ始めた。

 雷男は超戦士全員に連絡して、アリツメカニッカーに武着装してアリツマグナムを取り出し、ケーキカテラスに先制攻撃をした。


「逃げろ!」


 人々はすぐさまその場から離れて安全な場所へと避難した。


「さっきの奴か...お前もケーキにしてやる!」


 ケーキカテラスはケーキビームをメカニッカーに撃つが、後ろに跳躍して避ける。


「まだケーキ集めてるのか?」


「そうだ。念の為な。」


「と言う事はまださっきケーキにしたのはまだあるのか?」


「もっと集めてから献上しようと思ってな」


 駐車場を見渡すと、見覚えのある赤色のクーラーボックスを発見した。メカニッカーはクーラーボックスに向かおうとする。

 ケーキカテラスは巨大なホイップ絞り機を出して大量の生クリームを放出した。クリームは固まり、メカニッカーは身動きが取れなくなってしまった。


「今だ!ケーキビーム!」


「ぐわぁぁぁ!」


 メカニッカーは黒ゴマケーキに変えられてしまった。


「中々珍しいケーキになったな。」


 ケーキをクーラーボックスに入れようとするケーキカテラスに何かが近づく音が聞こえてくる。


「うおりゃー!」


「ぐはぁ!」


 路宇都がものすごいスピードでケーキカテラスに突進した。クーラーボックスは投げ出されて、それを拳也が見事にキャッチした。

 そしてどこからかエネルギー状の針弾が飛び交って来て、ケーキカテラスの手足に命中して壁に貼り付けられた。


「な、なんだこれは!」


 壁に貼り付けられたケーキカテラスに、アリツガンを構えたウエッパーが近づいていく。


「よくも防子をケーキに変えやがったな...!」


「こ、これを外せ!」


「うるさい...!」


 銃口にエネルギー弾が溜まっていく。


「わ、分かった!ケーキにした人間は解放する!だから見逃してー」


「うるせえぇぇ!」


 エレルギー弾が発射され、ケーキカテラスに命中した。


「クリームが飛び散るー!」


 ケーキカテラスは人間に戻り、その場に倒れた。ケーキにされた人々は人間に戻り、防子や雷男も戻った。


「あれ?私は...」


「どうやら俺たち元に戻ったみたいだ」


「防子!」


 由人は防子を抱きしめた。


「良かった...無事に戻って...」


 由人は抱きしめる力を強めた。


「よ、由ちゃん...人前でこんなの恥ずかしいよ...//」


 周りの人々も共感性羞恥になってしまっている。愛剥路はいつも通り通報して、拳也がその場から立ち去るように由人と防子に言った。

 超戦士達は屋敷に戻っていった。


 翌日ー

 屋敷の食堂で砂浜育鈴の退職パーティーが開催された。テーブルには多くの料理が並べられている。


「私達のためにわざわざこんなパーティーを開いてくれるなんて〜ありがとうございます〜。」


 育鈴が感謝を述べると、横にいる旦那のが挨拶をし始めた。


「育鈴がお世話になりました。旦那の歩です。僕達のためにわざわざありがとうございます。」


 旦那は写真通り金髪な見た目だったが、しっかりした態度で挨拶をした。


「歩さん、自信がないから、見た目だけでも強そうにしてるんですよ〜笑っちゃいますよね〜」


「い、育鈴さん〜あまり人にそういう事言わないでよ〜。」


 それを聞いていた由人達は笑みをこぼした。


「なんだ、僕達とそんなに変わらないんだ。」


「私達のお店が開いたら、ぜひ食べに来て下さいね〜」


 すると部屋に巨大な料理が布に包まれて運ばれてきた。布を取ると料理はウエディングケーキだった。


「こんな大きいケーキまで...私達のために本当にありがとうございます〜!」


「「俺(私)は食べたくない...」」


 砂浜夫婦は喜んでいたが、防子と雷男は目を背けて項垂れた様子見せていた。

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