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#23「カテラスの作り方」A

 秋になり紅葉が満面に咲いている能野町の並木道。由人は防子と雷男と共に並木道を歩いていた。

 カテラスと戦う日々、毎日出現するわけではないが、たまには屋敷を出てゆったりとした時間を過ごしたいと思い由人が散歩を提案したのだ。


「やっぱり散歩はいいな〜気持ちが落ち着くよ。」


「昔は由ちゃんとよく一緒に散歩してたね〜」


「まぁ、確かに景色を見ながら歩くのは落ち着くかもな。」


 秋風が吹き、紅葉が舞ってより風流が良くなる。コートを着ている三人には心地よく感じる。


「でも私達、コートの下はメイド服と執事服なんだよね...」


「まぁ、一応勤務中だしな。それで?どこまで散歩する気なんだ?」


「もちろん気が済むまでさ」


 並木道を通り抜け、能野公園やNOUYA MARKET等を歩き、三人は橋に行き着いた。

 この能野橋は能野町と別当町を繋ぐ橋だ。橋には河川敷があり、せっかくなので三人は下に降りる事にした。


「橋の下に誰かいたりするのかな?」


「まぁ、子供が遊んでたりとかしてるかもな」


 そう言いながら橋の下に行くと、三人の親子が居た。父と母と男の子が一人。段ボールを張って、焚き火を起こし、食事をしている。

 これだけでも十分に驚愕な光景だが、一番驚愕するしたのは秋風が立っているのに親子が下着の上に纏っているのが新聞紙一枚だという事だ。


「ええ〜!な、何してるんですか!?」


「わ、私たちは怪しい物じゃありません!」


「いや、その格好は怪しい以外の何者でもねぇよ!」


「これには訳があるんです!」


(こんな漫画にあるような格好する人達、初めて見た...。)


 お互いに落ち着き、三人は着ていたコートを親子に羽織らせる。両親から事情を聞いた。

 名前は宝上 達則(ほうじょうたつのり)。妻の達美(たつみ)、息子の達夫(たつお)

 彼らは別当町に住んでいて、昨日の夜に家に強盗が入り、ここまで逃げてきたらしい。

 その強盗は今でも逃走中のようだ。


「強盗は一人じゃなくて三人もいるんです!だけどまだ一人も捕まってないんです!」


「そりゃあ、気が気じゃなくて家にいれないよな。」


「では、その格好は?」


「大慌ててで逃げてきたので、何も持ってきてないなくて...」


「だから川で服を洗って干してるんです。」


「そ、そうなんですか...」


 おかげで達則と達夫は仕事と学校に行けない状態になっている。

 話を聞いた由人はこれも何かの縁と思い、宝上親子を強盗が捕まるまで屋敷に匿ってもらおうと提案した。

 両親はこれを最初は悪いと思って拒否したが、そんな格好で外にいる方が心配なのと子供と女性がそんな格好してる方が危ないという説得により、提案を受け入れる事にした。

 屋敷に戻ろうとするが、親子の今の格好は町を歩くのは危険と判断し、由人は愛剥路に迎えにきてもらうように頼んだ。防子と雷男は先に屋敷に戻ってもらう事にした。

 

 しばらくすると愛剥路が運転する車が到着し、三人を乗せて屋敷に戻る事にした。


「ごめん。仕事があるのに、急に頼んじゃって」


「い、いえ、困った時は遠慮なく頼って下さい!」


「でも、最近愛剥路に頼りっぱなしのような気がするから、悪いかなって...」


「そ、そんな!由君に頼りにしてもらって、私は嬉しいです...。」


「そうか、ありがとう愛剥路。ところで宝上さん、強盗の特徴とか分かりますか?」


「はい、白い覆面のような物を三人共被ってました。」


「なるほど…分かりました。」


 車は屋敷に着き、由人は宝上親子を車から降ろして屋敷に案内する。


「こ、ここに住んでるんですか...すごいですね...」


「まぁ、驚くのも無理ないですよ。驚くなという方が無理な話ですよ。」


 屋敷に入ると、大類桃江が宝上親子を出迎えてくれた。


「宝上さんですね。話は防子さんと雷男さんに聞いております。さっそくお風呂の方に案内します。」


 親子はまずお風呂に入った。大浴場に心底驚いている様子をだった。


「お風呂でかーい!」


「本当ね!」


「何人ぐらい入れるんだろうな?」


 お風呂から上がった親子は桃江が用意した服に着替え、やっとちゃんとした服装になった。

 宝上親子は桃江に案内され、二階の空いている部屋に案内された。


「何故家に強盗が入られたんですか?」


 桃江が親子に強盗の話をする。


「分かりません。家は別に裕福ではないですし、特別な物があるわけでもありません。」


「そうなのですか。とりあえず強盗が逮捕されるまで、この部屋をお使いください。」


 親子は桃江に感謝して強盗が捕まるまで屋敷に匿ってもらう事となった。

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