#18「執事の舎弟」B
買い物を終えた執事二人は屋敷に戻って由人の部屋に訪れる。或輝は由人と初めての顔合わせになる。
「お初にお目ににかかります!執事の浮山或輝っス!今日は兄貴の付き添いで買い物に同行したっス!よろしくっス由人さん!」
「よ、よろしく...ごめん、初対面なのに体調崩した状態で」
「そのために来たんですから心配ないっスよ!それにしても由人さんがアレを考えたなんてすごいっスね〜。兄貴も凄かったし!」
「見てたのか...」
「ともかく助かるよ。育鈴さんも今日は別の仕事をしていないし。僕も熱は下がったけど、まだ思うように身体が動かないし。」
二人は由人の看病を開始した。或輝は由人の汗を拭いたり、雷男が作ったお粥を食べさせたりと手際よく由人を看病した。
「或輝君手慣れてるね。」
「或輝でいいっスよ。まぁ、母親の看病とかよくしてたっスからね。」
「...そ、そうだったんだ。」
由人は再び眠りに入ったので、二人は由人の部屋から出る事にした。
次に二人は拳也の様子を見に行く事にし、拳也の部屋に訪れた。部屋に入ると拳也と分部博士が話をしていた。
「おっと、お邪魔だったかな?」
「いえ、大丈夫です。」
「あら、こんなかっこいい執事さんいたのね。」
「初めまして!浮山 或輝っス!」
拳也の様子を見て二人は安心した。本人は大した事ないですよと言うが、現場に居た雷男はそれでも心配しており、拳也を守れなかった事を本人と博士に謝罪した。
それに対して二人は気にしなくていいと許してくれた。
「大変なんっスね。俺もなにか協力出来る事があれば力になります。」
「あら、ありがとね。或輝君。」
「これからもよろしくお願いします。或輝さん。」
「はいっス!」
「或輝。俺は彩絵花さんと話があるから部屋から出てくれないか?」
「えっ?わ、分かりました。」
或輝は部屋を出て、雷男は博士に質問した。
「このアリツマグナムって由人の奴っスよね?なんでこれが使えるように?」
「由人君とさっき相談して、やっぱり遠距離にも対応できる方がいいかと思って。」
「なるほど。というか共有を増やすのアリなんっスね。今後も場合によっては増やすんっスか?」
「それはまぁ...臨機応変かな。」
質問を終えて部屋から出る。部屋の外で待っていた或輝と共に廊下を歩く。
するとアリツフォンから警告音が鳴り響く。
「兄貴!俺も連れてって下さい!俺、兄貴の勇姿を見たいっス!」
「何言ってるんだ。危険だからやめろ。」
「俺、久々に兄貴とこんなに一緒にいれたんです!またしばらく居れないかもしれない...だから今日は最後まで一緒に居たいんです!」
或輝は真剣な眼差しで雷男を見つめる。
自分の事をそんなに想っていたのと同時に何だか台詞が際どい感じに聞こえると思った雷男は、危なくなったらすぐに逃げる事を約束して、アリツバイクに一緒に乗って現場に向かう事にした。
「ウオォォォォ!」
街中で暴れ回っているイナゴカテラス。無差別にイナゴを放って人々に攻撃していた。
雷男が現場に到着すると、もう一台アリツバイクに乗った人物がやって来る。
「愛剥路さん!」
やって来たのは愛剥路だった。
「雷男君!み、みんなが虫に襲われて...!」
「早く助けましょう!或輝!離れていろ!」
或輝は遠くに離れて雷男を見守る。
雷男達は武着装を開始する。
アリツフォンにアリツチップを挿し込む。
[Vehicle In]
[Mechanical In]
電子音声の後に待機音が鳴る。
「武着装!」
掛け声を言って、CERTIFICATIONの文字をタップした。
[CERTIFICATION. In Charge of Vehicles.]
[CERTIFICATION. In Charge of Mechanical.]
再び電子音声が聞こえた瞬間、二人の周りに光が纏ってアリツビークラー、メカニッカーに武着装した。
「愛剥路さん!まずはアリツマグナムで、人々を襲っているイナゴを!」
「は、はい!」
二人はアリツマグナムを出して、イナゴに向かって撃ち始める。弾は全てイナゴに当たるようにホーミングされて見事にイナゴだけを撃墜した。人々は安全な所に避難した。
しかし、その隙にイナゴカテラスは空高く飛び跳ねていた。そしてビークラーに向かって飛び蹴りで攻撃した。
「オアァァァァァ!」
「きゃあぁぁ!」
ビークラーは勢いよく後ろに吹っ飛ばされ、住宅の壁に激突した。
「愛剥路さん!てめぇ...よくも!」
イナゴカテラスは再び跳躍した。
メカニッカーはアリツマグナムにアリツブレイクチップを挿し込む。
[Break Standby]
アリツマグナムから待機音が鳴り始め、トリガーを引く。
[Mechanical Break]
イナゴカテラスはメカニッカーに向かって、そのまま飛び蹴りをした。
ビークラは向かって来るイナゴカテラスにマグナムを向けて、再びトリガーを引くとマグナムからビームが放たれた。
「ウォ!?」
ビームは命中して、イナゴカテラスは地面に墜落した。
「ふぅ...どうだよ?」
イナゴカテラスは起きやがり、イナゴを大量に呼び出し自身に纏うと、イナゴカテラスは二メートルぐらいの巨大サイズになった。
「ガアァァァァ!」
「ら、雷男君!お、お、おっきくなって!」
愛剥路はあまりのサイズに取り乱してしまい、雷男は愛剥路を連れて物陰に隠れる事にした。そこには或輝の姿もあった。
「兄貴。あんなデカいのどうするんッスか?」
アリツフォンを取り出し、何かないか探し出す。するとアリツビッグロボの文字が。文字をタップすると巨大なロボが現れた。こんな物まであるのか...と雷男は思った。
サイズは大体今のイナゴカテラスと同じぐらいで、姿は大鉄人17に出てくるワンエイトに似ている。色は灰色で胸にはメカニッカーと同じエンブレムがついている。
ビックロボはカテラスと取っ組み合いを始める。ビッグロボの操縦はアリツフォンに表示された文字にタップをする事。
文字はPunch、Kick、RocketPunchの三つが表示されている。
Punchをタップしてパンチを繰り出す。ビックロボのパンチは命中してカテラスは吹っ飛ばされた。
次にKickをタップしてキックを繰り出すが、イナゴカテラスは空高く跳躍して、ビックロボに飛び蹴りをするつもりだ。
カテラスは飛び蹴りをして来るがRocketPunchをタップして、ロケットパンチで腕を飛ばして、カテラスに命中して墜落させた。
「オァ!?」
「すごいっスよ兄貴!」
「よしトドメだ!」
アリツフォンにアリツブレイクチップを挿し込む。
[Break Standby]
待機音が鳴ると、Missileの文字が表示される。
[Mechanical Break]
文字をタップすると音声が聞こえるとビッグロボの胸部が開いて、ミサイルが現れる。
ミサイルはイナゴカテラスに向けて発射された。
「ウオァァァァァァ!?」
ミサイルは命中してイナゴカテラスは爆散した。爆散したイナゴカテラスはサイズが戻り、人間の姿に戻った。そしていつもの対処を取って屋敷に戻ったのであった。
或輝は雷男を賞賛していた。
「やっぱり兄貴はすごいっス!舎弟として鼻が高くなるッス!」
「何でお前が偉そうなんだよ。」
雷男は或輝をこづいた。
「じゃあ俺は仕事に戻ります。兄貴も頑張って下さいね。」
「お前もな。」
二人は屋敷の中へと戻り、それぞれの業務を再開したのだった。
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