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#17「名誉の故障」B

 シーリアがソープカテラスの攻撃を受けていた時、ルオマーは一人の少女をじっと見つめていた。

 その少女はアステロイドの形をした石を持っていた。


「小娘。その石をこちらに渡してもらおう。」


 少女は石を両手でギュッと握りしめる。それに対してルオマーは右手を振り上げる。少女を切り裂くつもりだ。

 シャーマはあんな小さい女の子を...!そう思いながらアリツフォンを取り出し、アリツレッグを発動し、少女の元に駆けつけてアリツフォンを握りしめながら両手を交差させて少女を庇った。

 シャーマのアリツフォンは真っ二つに割れ、武着装が解除されてしまい、そのまま倒れてしまう。


「お、お兄ちゃん!」


 少女は拳也に駆け寄り、その際に石を落としてしまう。その石をルオマーが拾う。


「さて、こいつは始末しておくか。」


 拳也に近づいていくルオマー。

 そこにアリツサポートメカ(昆虫)の銃型と剣型がルオマーを攻撃する。

 その隙にシーリアとメカニッカーを連れて退散した。


「まあいい。カテラストーンは手に入れた。後は任せるか。」


 ルオマーもその場から姿を消した。


 少女を親の元に送り、拳也を連れて屋敷に戻る。

 拳也が目を覚ますと見覚えのある部屋の中が映る。


「ここは、屋敷の僕の部屋だった...また僕はここに...」


「拳也君大丈夫!?」


「どこか怪我してねぇか!?」


 目を覚まして、心配になって駆けつけた防子と雷男が駆けつける。


「はい。右の手首に切り傷があるだけで、後は大丈夫です。」


「だけど...」


 雷男は真っ二つになった拳也のアリツフォンを見せた。

 そこに彩絵花博士が部屋に入ってくる。


「拳也...」


「母さん...ごめん、壊しちゃった。」


「話は聞いたわ。女の子を庇ったって、あなたは一人の命を救ったの。だから落ち込む事はないわ。アリツフォンは私が修理しておくわ。だから今はゆっくり休みなさい。」


「...うん。」


 しかし拳也のアリツフォンがが使用不可になった事で共有能力であるアリツハンドは使えなくなってしまった。


「そういえば、由人さんは?」


「由ちゃんは熱があって寝込んでるの。」


「あいつそんな状態で草むしりしようとしたんだぜ。無茶するよな。」


「由人さん、そんな事するんだ。あはは!」


 落ち込んでいた拳也は笑いをこぼした。

 二人は部屋に出て、屋敷の使用人室に入る。ここには多くの使用人の休憩所みたいな所だ。部屋にいた数人のメイドが二人に駆け寄る。


「防子さん。雷男さん。拳也君は無事なんですか?」


「ああ。軽い切り傷だけだ。心配ねぇよ。」


「それは良かったです。拳也君も離れて暮らしていても大事な家族なので、無事で安心しました。」


(家族みたいに大切にされてるなんて...幸せだなぁ。拳也君。)


 メイド達は使用人室から出て、二人はカテラスの弱点について話した。


「さてあの石鹸をどう倒すか...」


「そういえば、犬のフンが付いたら逃げていったよ。」


「そうか、じゃあ前にもらったアレをぶつければ倒せるな。」


 雷男はある物を取りに部屋を出ていった。

 数分後、雷男は二個のタッパーを持って、再び部屋に戻って来た。


「これは...確かにこれをぶつければ!」


「まさかコレが役に立つ時が来るとはな!」


 そしてアリツフォンから警告音。


「よし!早速行くか!」


「はい!」


 二人は現場に向かった。



 現場は能野町の公園。ソープカテラスは泡を出し、子供達を動けなくしていた。


「さーて、この子達を泡で窒息させようかしら」


 現場に到着した雷男はアリツブロワーを出して、泡を吹き飛ばした。


「みんな逃げろ!」


 子供達は逃げ出し、二人は武着装の準備をした。

 二人はアリツフォンにアリツチップを挿し込む。


[Defence In]

[Mechanical In]


電子音声の後に待機音が鳴る。


「「武着装!」」


掛け声を言って、CERTIFICATIONの文字をタップした。


[CERTIFICATION. In Charge of Defence.]

[CERTIFICATION. In Charge of Mechanical.]


再び電子音声が聞こえた瞬間、二人の周りに光が纏い、シーリア、メカニッカーに武着装した。


「今度こそ倒してやるわ!」


 ソープカテラスは石鹸を飛ばして攻撃するも、シーリアのアリツバリアーで全て防がれてしまう。


「なら、このソープタックルでどうかしら!」


(名前あったんだ...)


 ソープカテラスは身体を滑らせ、二人の元に滑って突進していく。

 そこで二人は先程のタッパーを取り出し、地面にぶち撒けた。

 それは見事にソープカテラスに付着して、その上タックルは避けられてしまう。


「な!?こ、これは!人間の!?」


「どうだ!美女のウンコの味は!」


 シーリアはバリアーのブレイクを発動して、バリアーをソープカテラスに飛ばす。

 クリーンヒットされたソープカテラスは膝を地面につかせた。

 二人はアリツソードを取り出し、アリツブレイクチップを挿し込む。


[[Break Standby]]


アリツソードから待機音が鳴り始め、二人はトリガーを引く。


[Defence Break]

[Mechanical Break]


 ブレイクを発動して、二人は空高く飛び、ソープカテラスに落下する勢いで交差に斬りつけた。


「「アリツクロススラッシュ!」」


「せめてウンコは洗わせて〜!」


 ソープカテラスは人間の姿に戻って、その場に倒れ、いつもの対処を取って屋敷に戻った。


 後日、雷男は麗綺に電話をしてあのタッパーが役に立った事を報告した。


「しかし、あんなタッパーにどうやって自分のウンコを?」


「それはですね!器用にあの中に脱糞を...」


 それを聞いた雷男は色々ともったいない人だな...と思うのと同時に若干引いていた。

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