#17「名誉の故障」A
ある場所にて茶色で両手に刃が付いた禍々しい見た目した怪人と白くて凛々しい見た目の怪人二体の怪人達が話合っている。
「ルオマーよ。カテラストーンは集まっているか?」
「ああ、順調だ兄者。」
「そうか。だがそれはもっとも重要である使命を達成させる手段の一つに過ぎない。」
「ああ。我らカテラスの最大の目的は...」
朝、分部邸の廊下にて雷男と育鈴は朝食の食パンと卵焼きを運んで由人の元へ向かっていた。
「今日も防子ちゃんは、柔子に連れ回されてるのか...」
「防子ちゃんの事が大好きなんですね〜」
「なんですね〜って、それで済ませていい問題じゃないと思うんですけどね。どっかに遠出している訳でもないのに、四日も連れ回されるなんて...防子ちゃんはどう思ってるんだか。」
二人は由人の部屋にやって来て、部屋に入る。
いつも通り由人が椅子に座っているのだが、今日の由人は様子がおかしかった。
息が荒く、顔も赤くなっている。
「由人ちゃん、具合悪いんですか!?」
「へ、平気ですよ...」
明らかに平気に見えない由人は朝食を食べ始める。いつもより食べるスピードが遅いが、食欲はある。
「ご馳走様。そ、それじゃあ行って来ます。」
「お、おい!どこ行くんだよ由人!」
由人は部屋から出ていくが、足取りも重く、身体もかなりふらついている。
そして外に出て、そのまま草むしりを始めた。せきをしながらも草をむしっていく。
「やめろ!そんな怠い身体で草むしりなんてするな!」
「な、何言ってるの。重いというのは重りをつけているのと同じ。つまりこれは修行なんだよ。」
「おいおい。なんかおかしい事を言い始めたぞ。」
「由人ちゃん。無理をするのはやめて下さい。」
「そ、そんな事は所詮は社交辞令に過ぎない。持ち場が空いてしまったら、代わりに入らなければならない。そうなったら業務に支障が出るんだよ。」
「いやいや、お前は手伝いなんだからそんなに重要じゃないし、支障なんか出ねえよ!」
由人はそんな言葉に耳を傾けなかったが、段々体力が低下していきやがて由人はその場に倒れ込んでしまった。二人は急いで部屋に運んだ。
目を覚ました由人は自分の部屋のベッドに運ばれて、育鈴に看病されていた。寝ている横でタオルを絞っていて、絞ったタオルを由人の額に乗せる。
「すいません。育鈴さん。」
「もう全然話を聞かないんですから。何であんな状態で作業をしようと思ったんですか〜」
「すいません。つい仕事をしていた時の事を思いだしてしまいまして...前の仕事は人手不足だったので...」
「今日は安静にして下さい。そして今後は絶対、無茶をしないで下さいね。」
「はい...そうします...」
するとノックの音が聞こえる。扉をあけると雷男ともう一人部屋に入ってくる。
「防子...」
「由ちゃん!倒れたって聞いたけど大丈夫!?」
「ああ、僕が無茶して倒れたんだ。でももう大丈夫だよ。」
由人は倒れた経緯を防子にも説明した。
防子はその事は知らなくて、驚きと悲しみの様子を見せた。そんなつらい事をしていたとは思わなかったからだ。
「でももうみんなの悲しむ姿は見たくないからね。無茶をするのは今日限りにするよ。」
「...うん」
扉からは柔子がひょっこりと顔を覗かせていた。
「ちょっと、防子と一緒にいたのに、勝手に連れて行かないでよね。」
「あのなぁ、主人が倒れてるんだから駆けつけるのは当然だろ。それに四日も一緒にいたらもう満足だろ?」
「私は本当ならいつまでも一緒にいたいのよ!何でそれが分からないのよ!ナンパ魔ハゲ!」
「お前もここのメイドなら、由人の心配をしたらどうなんだ!このサボり魔雌豚!」
病人の横で口喧嘩はやめてほしいな...
由人がそう思っていると、アリツフォンから警告音が鳴る。
「雷ちゃん行くよ!柔子ちゃんは育鈴さんと一緒に由ちゃんの看病してて!」
「おう!そういう訳だから、おとなしく看病しろよ!サボるんじゃねぇぞ!」
「あっ!?待て!ハゲー!」
二人は武着装してアリツバイクに乗り、カテラスが出た現場に向かった。
カテラスの出た現場は能野町の住宅街。
そこには巨大な石鹸から手足が付いているカテラスと茶色の怪人のルオマーの姿があった。
石鹸のカテラスは石鹸を飛ばし、人々に当てて襲っている。
そしてアリツシーリア、メカニッカー、もう一人拳也のシャーマが到着した。
「あ、あの茶色のはルオマーとか言う怪人!」
「よく来たな、超戦士達よ。俺様はカテラスの長の一人、ルオマーだ!」
「お前が親玉って訳か。」
「ねえ!何でカテラスは人々を襲うの!別に傷つける必要はないじゃない!」
「我らはカテラスの住める世界を目指しているのだ!その為には人間が不要だから、カテラスに変えたり殺したりして数を減らしているのだ!」
「自分勝手な奴らめ...!」
「ソープカテラスよ。こいつらの相手は任せるぞ。俺様はカテラストーンを探す。」
「お任せ下さい。ルオマー様。という訳で超戦士達、覚悟しなさい!ゴリーク!」
ソープカテラスはゴリークを呼び出し、シーリア達を襲わせる。シーリア達も次々とゴリークを倒していく。
その最中にソープカテラスは石鹸を飛ばしてシーリア達を攻撃にしていく。ゴリークに当たってもお構いなしに攻撃していく。
「ちょっと!ゴリークはあなた達の仲間でしょ!」
「ゴリークは使い捨て、捨て駒なのよ!どうなろうと知った事じゃないわ!」
非情なソープカテラスに怒りが込み上げそうになるシーリア。
そこにソープカテラスは自身を擦り始め、泡を出し、それをシーリアに向けて飛ばす。するとシーリアは滑ってしまい、地面に倒れてしまう。
「体がぬるぬるして立てない...」
「これで、満足に立つことは出来ない!...喰らいなさい!」
ソープカテラスは自分の体を滑らせ、そのままシーリアに垂直に滑り、突進してくる。
「あっ!あれは!と、止まってー!」
しかしそこには犬のフンがあり、そのままフンに向かって突進してシーリアにぶつかって突進した。シーリアーはダメージを受けたが、それ以上にフンが付いたソープカテラスの方がダメージを受けていた。
「き、汚い!い、一旦退散!」
ソープカテラスは逃げていった。シーリアが周りを見渡すと拳也の武着装が解除されて倒れていた。
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