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#13「赤子攫い」A

今回から奮闘編で三人称視点です。

 雷男は自分の過去を由人と防子に話していた。

 雷男は執事になるまでは何の不自由な事も無い普通の生活をしていた。

 一人暮らしをして仕事だって真面目にしていた。本屋で働いていた雷男はサボる事は無くみんなに慕われていた。

 しかし雷男は仕事の同僚に騙され、多額の借金の連帯保証人になってしまい、取り立て屋に追われる事になってしまう。

 それからは家には来るのはもちろん外でも追われることもあり、休息の暇が無くなっていき追い込まれるような生活に変わっていった。

 ある日、外で取り立て屋の人達に暴力を振るわれその近くのゴミ捨て場のゴミに埋もれるように倒れ込んでしまう。

 その倒れ込んだ雷男を見つけたのが未央理だった。 その場所は屋敷からそう遠くなかったため、雷男は屋敷に運ばれた。

 雷男は事情を説明すると、未央理は借金を返済してあげる代わりにここで執事として働いてほしいと言われた。

 そしてその条件を雷男は快く応じた。借金の心配も無くなり、雷男は今日も執事の執務に励んでいる。


「これが俺の執事になった経緯さ。」


「雷男も屋敷に助けられたのか。でも何で自分の過去を話そうと?」


「お前に仕えて結構経つから、やっぱり過去は打ち明けておこうかと思ってさ」


「そうか。話してくれてありがとう。」


「雷ちゃんも大変だったんですね...」


「なぁに、防子ちゃんに比べればどうって事は...」


「辛い物は辛いと思います...それは比べる物ではないと思います。」


「...そうだな。だから俺はもう真面目に生きるのは辞めたんだ。」


「でも仕事はサボらないよね?」


「そうしたら柔子みたいになっちまうからな。ああにはなりたくないからな!」


「ちなみに頭が坊主なのは...?」


「これは...単に髪を切ってもらうのが面倒なだけだ。」


 話を終えた雷男は部屋から出て、自分の仕事に取り掛かった。

 本来ならば主人である未央理のサポートをする事が仕事だが、雷男は由人の専属執事になってからは由人の世話をするのが主な仕事になっている。

 由人の部屋に運ばれる料理の材料を買ったり、由人の外出許可を取得するのが主な仕事だ。

 砕けているような態度も親しみを持たせるようにあの態度を取っている...訳ではなく、あれは真面目にするのが嫌なだけである。


「雷ちゃんが由ちゃんの専属になってからは、協力してお世話出来るからすごく助かってるの。」


「なんかそれを聞くと、僕は二人に負担を増やしたような感じがするような...」


「前にも言ったけど、私はアリツになった事は別に負担とは思ってないからね。私は由ちゃんの助けになりたいから!きっと雷ちゃんもそう思っているはずです!」


「そうなのかな...」



 雷男は買い物のために車でNOUYA MARKETにやって来た。日用品を買いにやって来たのである。流石に買い物の時はタキシードは着ておらず、ラフな格好で買い物をする。

 一通りの買い物を終えて店を出ると、巨大なおしゃぶりに手足の付いているカテラスが母親から赤ん坊を奪っている姿を目撃した。


「私の子供を返して!」


「悪いねぇ、私には赤子が必要なんだよ!」


 カテラスは手の平から禍々しい形のおしゃぶりを発射して、赤ん坊と母親の口に飛び込んだ。

 するとおしゃぶりは点滅し、赤ん坊は眠り始め、母親はの場で四つん這いになり、まるで赤ん坊になったかのようにハイハイ歩きをしていた。

 雷男は物陰に隠れて、アリツフォンにアリツチップを挿し込んだ。


[Mechanical In]


電子音声の後に待機音が鳴る。


「武着装!」


掛け声を言って、雷男はCERTIFICATIONの文字をタップした。


[CERTIFICATION. In Charge of Mechanical.]


再び電子音声が聞こえた瞬間、雷男の周りに光が纏って、雷男はアリツメカニッカーに武着装した。


 カテラスは次々とおしゃぶりを発射して、その場にいた赤ん坊と大人達にしゃぶらせる。


「やめろ!おしゃぶり野郎!」


「う〜ん?」


「赤ん坊に変な物を付けやがって!何が目的だ!」


「パワーアップのためよ。このパシファイヤーカテラスは赤ん坊の生命エネルギーを吸収する事によって、強くなれるのよ。」


「それじゃあ赤ん坊が死んじまうだろ!」


「それが?」


 赤ん坊の命を軽く見ている態度に怒りが湧き上がったメカニッカーはアリツソードを取り出して突撃した。

 パシファイヤーカテラスは巨大なラトルのような物で応戦する。

 両者は鍔迫り合うが、お互いに距離を取る。メカニッカーが再び向かおうとした時、目の前に四つん這いをした大人が現れる。

 周りを見渡すと四つん這いの大人達が所々に散らばっていた。


「これじゃあ迂闊に攻撃できない!」


「さてと、赤ん坊集めはこれぐらいにして逃げるとしますかね。」


 パシファイヤーカテラスは巨大なベビーカーを出現させて、赤ん坊を放り込んだ。

 メカニッカーはそのベビーカーに向かって何かを投げつけて貼り付けた。

 パシファイヤーカテラスはその場からベビーカーを操縦して逃走した。

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