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#7「強弱ライダー」A

 僕は今日も起床して朝食を頂いている。今日は一人ではなくて、防子と雷男の三人で朝食を頂いている。それにしてもまさか雷男が本当に僕の専属の執事になるとは...というよりこんな庶民と言うほど変わらない奴にメイドと執事が付いているってあるのだろうか?


「いいねぇ〜複数人で食べる朝ごはんってのはさ〜!なあ!由人!」


「そ、そうだね...」


「雷男くんまで執事になっちゃうなんて思わなかったよ。」


「防子ちゃん。俺のことは雷ちゃんって呼んでほしいって言っただろう?」


「ご、ごめんね?」


 呼び方を訂正する雷男。手を合わせて愛嬌のある謝罪をする防子。なんか...普通に友達みたいな感じだな。使用人って言うぐらい距離感があるかもと思っていたけど、なんだかフレンドリーというかアットホームな雰囲気だ。僕の顔は思わず緩んで、微笑んだ。


「どうしたの?由ちゃん?」


「いや、なんかこういうのいいなって...」


「そういえば聞いたぜ由人。なんかすごい物考えたらしいじゃねぇか。」


「あ、ちゃんと聞いてたんだ。」


「世間を騒がしている化け物を対抗するための発明だとか、それでこの屋敷で世話になる事になったとか、すげぇけど同時に身の危険を気をつけなきゃいけねぇって事か...。」


「あっ...ごめん。巻き込む形になっちゃって...」


「まぁ、大丈夫だろ!この屋敷はセキュリティとか防衛とかが優れてるらしいからよ!なんとかなるだろ!」


「そ、そうなのか?防子?」


「わ、私も初めて聞いた...」


「まぁ、実際に作動したのは見た事ねぇけどな。だから由人は気にしなくていいんだ。」


 軽い感じで思いやりなんかあるのかと思ってたけど、ちゃんと励ましてくれるなんて、やっぱり屋敷に仕えてる人間な事はあるんだな。


「それにしても、柔子は何で防子ちゃんにあんなに執着してくるのかね〜。」


「うん...私も柔子ちゃんの事は友達だと思っているけど...何だか私に依存しているような...」


「それに昔はサボるような子じゃなかったよね?」


「そうだね。屋敷に来てからはサボる事も度々あって、私もサボりに誘われた事もあって...」


「なんて奴だ!真面目な防子ちゃんを同罪にしようとするなんて!」


「雷男はサボったりはしないんだ?」


「俺は、仕事は真面目にするタイプなのさ!」


 ナンパはするけど、仕事はちゃんとするのか。

 朝食が終わって、僕は今日も屋敷の手伝いをする。そして今日は雷男が僕に付きっきりだった。他に仕事はないのかと聞いたら、お前にくっ付いているのが俺の仕事だ!とか言っていた。そして手伝い場所にいるメイドさん達を片っ端から誉め殺ししてナンパをしていた。


「ねぇ...片っ端からナンパしてるけど、雷男って恋人いるの?」


「な、なんだよ!急に!」


「僕、前は防子意外に親しい異性っていなくて..雷男って簡単に女性をナンパしに行くからどうなのかなって。」


「そ、そりゃあ、お前な、俺だって恋人の一人はー」


「由ちゃん、雷ちゃん、お手伝い終わった?」


「お、おう防子ちゃん!終わったぜ!」


「あ、うん。終わったけど...」


 防子は紹介したい人がいるとの事で、ある場所に案内されている。恋人の事はまぁ今すぐに聞きたい訳じゃないし、また今度でいいか。


「そういえば柔子ちゃんとか育鈴さんは僕が考えた物の事は知ってるの?」


「風鈴さんは知っていると思うけど...柔子ちゃんは仕事をサボりがちだから分からないかな...」


「もうそいつクビにした方がいいんじゃね?」


 まぁ、後で僕の方から話しておこうかな...そして防子に案内された場所は、屋敷内のガレージだった。何台もの自動車やバイクが並んでいる。


「バイクまであるんだ。」


「もしもの時のために置いてあるんだって。」


「もしもの時って?」


「う〜ん?車がない時とか?」


「そうなんだ。でも僕はバイクも運転出来ないからな〜。」


「私も持ってない...今度二人でバイクの免許取りに行こうか。」


「そうだね。そういえば雷男って運転とか出来るの?」


「おう!俺は車もバイクも運転できるぜ!」


「ほえ〜流石。」


「あなたが武響由人君ね!」


 後ろから、強気な声で僕の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。振り返るとそこには黄色いライダースーツのヘルメットを被った人物が立っていた。髪が靡いていて、胸に程よい膨らみがあるため、おそらく女性なのだろう。

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