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友達との再会。

一年ぶりに友達からLINEが来た。

「久しぶり!元気にしてる?今度飲みにでも行こうよ~!」


彼女は上京してから知り合ったかれこれ3年ほどの付き合いになる友達。

昔はアニメのイベントに行ったり、ご飯に行ったり、毎日LINEするほど仲が良かった。


しかし些細なことから喧嘩したまま連絡をずっと取っていなかった。


お互い大好きな友達同士、連絡を取っていない間も何となく気にかけており、

程彫りが覚めた今、彼女の誘いに乗らない理由はなかった。



約束の当日。

当時よく飲みに来ていた新宿・歌舞伎町のバーに入った。

久しぶりに嗅いだお酒とたばこが充満した匂い。

見慣れた顔が目に入る。

「理央ちゃん久しぶり!!1年ぶりとか!?どしたの?!」

「実は今日真未とここで飲む約束をして…。」

ミオンさんはここに通っていた当時よくしてくれた店員さんだ。

久しぶりに来たのにも関わらず、顔色一つ変えずに当時のまま気さくに話しかけてくれたおかげで

緊張していた心も少し楽になった。


店内をよく見まわると真未はまだ来ていないようだった。

「真未ちゃんはまだ来てないから先に席に座って飲もう!」

席に案内され、いつも座っていた壁際のボックス席座る。に

「実は真未ちゃんがまた来てくれるようになったのも最近でね~!懐かしい顔ぶれがまたそろうわ~」

と嬉しそうに話しながらいつも私が飲んでいた鏡月の緑茶割を作ってくれる。

緑茶ハイもここでしか飲むことがなかったので久しぶりの味に思いを馳せた。

思い出話も盛り上がり、いい感じにお酒が回ってきたころに懐かしい声で話しかけられた。

「理央!久しぶり!!遅れてごめんね~!!」

懐かしいのは声だけだった。

服装の雰囲気もメイクも私の知っている真未ではなかった。

昔はフリフリのスカートでメイクも系幼いかわいい系だったのがすっかりきれいなお姉さん系に変わっていた。

垢ぬけてすごく綺麗になっていたが少し寂しい気がした。

「ひさしぶり!なんか雰囲気変わってきれいになったね!!」

「うん…まあね…!」

なにか癇に障ることでも言ってしまっただろうか。

真未の反応はあまりよくなかった。


しかし席について乾杯してしまえばそんなことは気にならなかった。

久しぶりの場所で久しぶりに真未と飲むお酒はすごく美味しかった。

相変わらず彼女の酒癖は悪く、序盤にしてすぐに鏡月のビンが開いてしまった。

「どうする?鏡月いれる?」

ミオンさんが聞いてくる。

ここのバーは初めの鏡月とその割もののソフトドリンクは飲み放題だが、2本目の鏡月は1万円で注文するシステムだった。

当時はあまりお金のなかった2人だったので渋るのが当たり前だったはずが、

「いーよ!いれちゃって!あとミオンちゃんスラットのピーチ好きだったでしょ!頼んでいいよ!」

と真未が言った。

その羽振りの良さに驚いてしまった。

バーの店員であるミオンさんは基本的に飲み放題の鏡月を一緒に飲むのだが、自分の売り上げのためにスラットという缶のお酒を別で頼んでほしいとお客さんにお願いしたり、シャンパンをおろしてほしいと言ったりすることもある。

しかし、私たちは当時そんなものを頼んだことはなかった。

スラットだって普通に買えば100円くらいのものがバーでだと1000円以上するのだ。

これが歌舞伎町のシステムか…と2人であの時は驚いていたのに。

「ありがと~~!!じゃ、持ってくるね!」

ミオンさんが席を離れる。

「真未。私今日そんな使うと思ってなかったからお金あんまりないよ…。」

会計の時に払えないとなっては大変だと思い真未に聞く。

「あ、大丈夫大丈夫!!私今風俗やってるから平気だよ!」

酔っぱらって饒舌になった真未が言う。

驚きが隠せなかった。

あの真未が。

風俗。

驚く私を気にせず話し続ける。

「2ヶ月前から私もここにまた通うようになったんだけど、最近酔いすぎて朝7時くらいにお店出たの~!そしたらキャッチのお兄さんにつかまって『朝ホス行きませんか~』って!そんでノリで初めてホストクラブに行ったんだけどそこで超ドタイプのイケメンに出会っちゃって風俗始めた~!」

「雰囲気変わったのもその担当が『地雷系』とか『かわいい系』とか嫌いな人だから封印したんだよね~」

超重要なカミングアウトに驚きを隠せなかった。

ホスト…

風俗…

漫画やドラマでしか聞いたことない世界に今目の前にいる友達がいる。

驚きの後に興味がやってきてしまった。

「え、それってどういう感じなの?」

多分これが私の始まり。

ここで何も言わなければただ楽しく終われたかもしれない。

「じゃあ飲み終わったら担当の店いこ!初回なら1000円で行けるよ!」








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