休日出勤が……あったよ。あはははハハハ……
とりあえず行く場所はなんでも揃うショッピングモール。もちろん映画館もあるから、映画も見ちゃおうと言うつもり。
美羽ちゃんとのデートだね。美味しいお店も沢山あるし、お昼は美羽ちゃんが食べたいのがあるといいな。どうせなら、美羽ちゃんの服も買ってあげたいな。美羽ちゃんが持ってきた荷物あんまり服入ってなかったし。
美羽ちゃんは洗面所で着替えてるから、部屋で着替えないとね。ちょうどクローゼットもあるし。いざクローゼットオープン。
スーツ、スーツ、スーツ、スーツ、私服、パジャマ。
あれー?
服がないのはもしかして私の方だったり。いや、押し入れの方にしまってあったような。
見つかった私服の数、三着分。美羽ちゃんと同じくらいしかないってどうなの。もう六年以上とかすんでるのに。着れなくなって捨てたのもあったけど、追加で買ってなかったっけ。仕事して、お給料もらって、仕事して、仕事して。あっ、服買ってない。
とりあえずスカートは最終手段だとして、ズボン履けるか試そうか。うん。一着目、太ももの時点で入らない。二着目、チャックが閉まらない。太った……スカートに合う服探そ。
結局……結局クローゼットにしまってあった服しかきれなかったよ。押し入れにしまってあったのは小さかった。確実に昔より太ってる。すごくやばい、私も服買わないと。美羽ちゃんと出かけれなくなっちゃう。
「お待たせ美羽ちゃん」
「聡里さん」
うーん、美羽ちゃん服は拾った時の服。やっぱり新しい服買ってあげないと。
「それじゃあ、行こうか」
美羽ちゃんと一緒に歩いたり、電車に乗ったりで。ショッピングモール到着。手をつなごうとしたけど、美羽ちゃんは手ごわかった。手を繋ごうとすると、スっと避けられる。
「とりあえず最初は服見に行かないとね」
「聡里さんのですか?」
「私のもだけど、美羽ちゃんのも。その服しかない感じでしょ」
「で、でも」
「いいのいいの。ほら、これとか美羽ちゃんに似合いそう」
ワンピースとか色々、美羽ちゃんが見てた服とか、私が着せたい服とかを買って。ついでに自分のを店員さんに選んでもらって。あと美羽ちゃんの布団とコップとか買って。そのうちに、映画の時間が近づいてきて。見たい映画は移動中に美羽ちゃんに選んでもらいました。
「席まだ空いてるみたい。どこで見る?」
「後ろがいい」
「じゃあそうしよっか」
美羽ちゃんも来た日よりかは、自己主張ができるようになってきていい感じ。でもやっぱりまだ固い気がするんだよね。そのうち本当の美羽ちゃんが見れる日は来るのかな。
後ろの方で二人並んで座れる席を選んで発券をしてっと。
「美羽ちゃんが見たいのこれだったよね」
「はい」
「じゃあ、あとはポップコーンでも買って……」
「聡里さん?」
鞄からスマホを取り出して、じっと見つめる。
「なんか来る気がする」
「来るって」
ピロピロリリ、ピロピロリリ
「はい、聡里です。お疲れ様です」
ああ、来てしまった。休日出勤の電話が。手振りで美羽ちゃんに謝りながら、人の少ない隅の方に移動する。
「わかりました、一時ですね。はい、はい。わかりました。はい、それでは」
休日のテンションから、休日出勤のテンションにシフトダウン……つられて体も重くなって体育座り……そして今の時間は十二時。映画を見てたら一時は超える。
「聡里さん」
「ごめんね、美羽ちゃん。映画一人で見ることになちゃって。これお昼と、ポップコーンとかのお金だから。ごめんね」
「はい」
美羽ちゃんの顔、あんまり表情が出ないんだけど。今は悲しいって顔見ただけでわかちゃう。あーもう、今日は休みだと思ったのに、まあ仕事だし仕方ないよね……
買った服とかを持って家に帰って、スーツ着て出社して。結局残業していつもの時間。満員電車の帰り道、ぎゅうぎゅうで体力はなけなし。
「お酒……お酒……ストロングチューハイ……」
そんな呪文を唱えて家に帰ると、
「おかえりなさい、聡里さん」
「ただいま、美羽ちゃん」
嫁が待っててくれた。って、嫁じゃなくて美羽ちゃんだけど。買ったばかりの服を着た美羽ちゃんは、それはもう可愛かった。嫁、妖精、美羽ちゃん最高!
「映画楽しかった?」
「はい」
リビングで私はお酒、美羽ちゃんはコーヒーを飲みながらの会話。この時間が至福のひと時。
「聡里さん、お酒ついでみたいです」
「ほんと、やったー!」
すでに私は酔っている。美羽ちゃんがお酌してくれるよわーい!
コップを持ってきて、新しいチューハイを持ってきて。
「美羽ちゃんどうぞ」
「頑張ります」
そーっと缶を傾けて、ゆっくり美羽ちゃんが注いでくれたチューハイは輝いていた。
「美味しいですか?」
「あー美味しい。美羽ちゃんにお酌してもらえるなんて、なんて幸せなんだろうありがとー」
「いえ」
「あっそうだ、今日デート途中だったから甘いの買ってきたんだよ。一緒に食べよ」
「デート」
「うん、デート。服買ったり映画見たり。またしようね」
「うん」
はっ、美羽ちゃんがデレた!
「あっ、一緒にお風呂はいろ。今日は寒いし、ね?」
「私も、聡里さんと入りたいです」
「嬉しい、じゃあ準備しないとー」
美羽ちゃんと、お風呂楽しみだなー
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明日はお風呂シーンから!




