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思ったより修羅場にならなかった

 修羅場生活が始まるかと思ったのだけど、意外と良好な関係を築けているので不思議でならない。美羽ちゃんもしッちゃんも互いに敵だと知らない訳でもなさそう。普通に私にイチャイチャ攻撃を仕掛けてくるから。取り合いになる訳でもなくて、なにか取り決めでもあるのか順番にイチャイチャしてくる。隣に座ったり抱きついたりとボディータッチが多いけどキスはしてこない。


「なんか二人共仲いいよね」

「エトさん同盟を締結しましたから」

「なんか私の知らないところで、同盟結ばれてる……」

「エトを取り合わないように決め事をしたのよ。性的接触はしないとか。時間を決めてイチャイチャするとかね」

「なるほど」


 つまりこれから毎日のようにイチャイチャする羽目になると。襲われないのがわかっただけでもいいのか? しかしイチャイチャするのは楽しいけど、私の時間が減るのでは?


「ちなみに私の自由時間はあるの?」

「お風呂入ってからは構わないわ。ゆっくりしたいでしょうしね」

「つまりお風呂の後の晩酌は自由なのかぁ」

「お酌するくらいはいいですよね、エトさん」

「お酌か、うん。有り」

「じゃあお酌は日替わりにしましょう、美羽」

「はい」


 これってある意味、毎日お酌して貰えるし。なんだかんだとお世話もして貰えるのでは? 疲れて家に帰ってきても、家事しなくていいし。しっちゃんがいる間はしっちゃんしてくれるからね。その対価がイチャイチャって訳か。世の男どもは羨ましいだろうなぁ。だがしかし、いつ修羅場になるか分からない恐怖を味わいたいか! 今の所、修羅場になりそうには無いけど。修羅場になる可能性もあるし怖いわ。


「お酌して貰えるとかなんて贅沢なんだぁもう働きたくない……」

「仕事しないとダメ人間になるわよ」

「この状態でも、十分ダメ人間になりそうだよ。快適すぎて」


 そう、この二人はダメ人間製造機になっている!男と結婚しようものならたちまち男の方は紐になってしまうほどに‼


「仕事してるご褒美みたいなものなんだから、仕事辞めたらこの幸せは味わえなくなるわよ」


 仕事をしないと味わえない、だと!? 確かに仕事から疲れて帰ってくるからこそこの快楽を手に入れられる。この二人はダメ人間製造機じゃない!この二人はっ――


「頑張って働くので、ご褒美をください!ご褒美がないと死んでしまう!」

「頑張って働いてくださいねエトさん! 私も頑張ってお世話をしますから!」

「そうそう、頑張って働きなさい。社畜のように」

「もう社畜だよ!」


 飴と鞭の使い方が上手なドSだ! 社畜の私にさらに社畜に成れと言うのか!? いや、二人のためならスーパー社畜人にだってなるけどさ。マジで見返りの方はよろしくお願いします。ニンジンを目の前にぶら下げられた馬のように働きますので何卒!

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