ゴロゴロデイ?ゴロゴロしすぎて過ぎ去ったよ……
ああ、ゴロゴロデイどうして過ぎ去ってしまうのか。朝ごはんを食べたあと、美羽ちゃんとお家でゴロゴロしまくった。お昼はピザのデリバリーを頼み夜は奮発してお寿司を取った。ゲームしてテレビを見て、それはもう普段からは考えられないくらいダラダラごろごろした。そして気がついたら翌日になっていた。なお美羽ちゃんはしれっと布団に入っていた。手は出されていなかったようだった。朝起きてお風呂場で確認した。
そして連勤地獄が始まったのだが、その途中にやってきたのが母の日だった。地雷なのは言うまでもない。美羽ちゃんは親と揉めている訳だし、ピリピリするのかなと思っていたのだけど。
「おはようございます、エトさん!」
「あ、うん。おはよう」
ものすごく元気でした。そりゃもう何事だと思うほどに。美羽ちゃんに話を聞くとしっちゃんが今日帰ってくるのだそうで。何も聞いていないので抗議の連絡を入れておきました。
私の平穏無事な生活は終わりを迎えた……私の部屋限定で百合世紀末だよ! オオカミとクマが同じ屋根の下で生活してるみたいなものだよ! オオカミが美羽ちゃんでクマがしっちゃんね。私は羊だよ! いつ捕食されるか震えながら生きるしかないんだよ! 特に夜ね! 仕事で疲れ、電車の中で揉みくちゃにされ。たどり着いた駅の出口で待っていたのは、しっちゃんでした。
「あれ、しっちゃんが見える。幻覚かな、疲れてるんだなきっと。うん、そうに違いない」
「馬鹿なこと言ってないで、ほら帰るわよ」
「うへぇ、本当にしっちゃんだ」
「なんで嫌そうなのよ」
「いや、襲われるのかと思うとね……」
「襲わないわよ、キスくらいはするけど」
「するんじゃん!」
「おかえり、エト」
「ただいましっちゃん」
美羽ちゃんはお家でお留守番らしい。夜も遅いので危ないとか適当な理由をつけたらしい。それはそうなんだけど、絶対私と一緒にいたかっただけでしょこれ。しっちゃんは知っているんだろうか。美羽ちゃんが私を好きで敵であることを。まあ、いいか。大変なのは私じゃないし。巻き込まれなければだけど。取り合われると大変なんだよね。私のために争わないで、とか言う日が来るんだろうか。言いたくないなぁ、出来れば平和に終わりたい。そう、みんな仲良く暮らすとかさ。できないものかねぇ。
さらっと手を繋がれたまま家に帰る私なのであった。地味に恋人繋ぎするのは私を好きだからなんだろうな。家に帰ってたらどうなるのか怖くて仕方がない。どうなるんだ私の生活は!




