起きたのは昼です
短いんですか。元々短めの話の連続なので。
「うへぇ」
頭が痛いわけじゃないけど体が重い。お出かけで変な筋肉使ったかなぁ。ベッドの中にはさすがに美羽ちゃんは居ない。そもそも部屋にもいない。先に起きてるのか、ええと時間は12時ですね。うん、お昼だねぇ。しごっ! とは無いからいいんだよねぇ。休みの日でも仕事のこと考えるとか染み付いてんなぁ。
「おはようー」
「おはようございます、エトさん」
「あ、来てるんだその服」
昨日買った可愛い洋服を着てる美羽ちゃんは可愛いね!
やっぱり若い子はオシャレしなきゃためだよ。かわいい服は若いうちしか着れないんだし!
「可愛いですか?」
その場で一回転した美羽ちゃんは花畑の妖精のようだ。
「可愛い! 美羽ちゃんみながら三缶くらい飲めるよね」
「何かにつけてお酒飲まないでください」
「お酒とは言ってないよ」
「何飲むつもりだったんですか?」
「お酒です……」
お酒以外に何を飲めと言うんだ!
「当たってるじゃないですか。さっぱりしたお昼作るので座って待っていてください」
「あーい」
あー、美羽ちゃんはいいお嫁さんになるよ。私のお嫁さんにはならないで欲しいけど。だがしかし、その場合どっちが嫁で夫なんだろう?
アレしてる時の攻め受けで判断するしかないのか?
考えない方が平和な気がする……
「はい、冷やし中華です」
「夏の先取りしすぎじゃない?」
「スーパーに行ったらちょうど材料が売ってたので」
「一人で行ったら危ないよ! 美羽ちゃん可愛いから誘拐されたり声掛けられたりするじゃん!」
「さすがに大丈夫ですよ、過保護すぎますって」
過保護すぎるんだろうか? でも美羽ちゃんは高校生だし、可愛いから声かけられるのは当たり前。気をつけるに越したことはないよね。
「なるべく一緒に買い物に行くから!」
「いいですけど、そもそもいつも一人で買い物してますよ。エトさんお仕事で居ないので」
「あ」
そういえばそうだった。いつも買い物一人でしてるじゃん。家でも一人だし。やっぱり寂しいのかな。
「美羽ちゃん家で一人でいて寂しくない?」
「寂しくないですよ? エトさんが返ってくるの楽しみに待ってますし。勉強とかもしてますから」
「そっか」
美羽ちゃんが一人で寂しくないなら良かった。仕事から早く帰れば良いんだろうけど。絶対無理だ……
「あの、早く食べないと麺が汁吸っちゃいますよ?」
「あ!」
のびた冷やし中華は美味しかったです。