ゴールデンウィークならぬゴロゴロデイ
だいぶお久しぶりですが。書いてみました。胃が剥いたらまた書くと覆います。美羽ちゃんは可愛い
さて、家に帰ってきましたよ。衝撃的なカミングアウトがあったけど、美羽ちゃんは私のかわいい生徒であることには変わりがないわけで。一番危険なのは夜だしその時考えよう。と、問題は先送りにして。すき焼きパーティーだぜ、イェイ!
「さて、美羽ちゃん。すき焼きのたれを作るわけだけど」
「はい」
「とりあえず焼き鳥用の鳥皮を土鍋で煮て、出汁を取りまーす。あ、串から外してね」
「はい!」
美羽ちゃんに教えながら料理ってのもいいよねぇ。エプロン姿が可愛い。まぁ出汁はお好みでって感じではあるけど、おばあちゃんがこれで作ってたのよねぇ。家庭の味ってやつなのよ。みりんと醤油も入れて味を調える。この辺は目分量だから味を見ながらね。
「すき焼きのたれが出来たので、後はグザイをドーン‼」
「なんかもっと入れる順番とかあるんじゃ……」
「いいのいいの、硬い野菜とかないし。一緒に入れても」
「エトさんって変なところ適当ですよね」
「嫌いになった?」
「可愛いです」
「お、おう」
カウンターで右フックを喰らった気分だなぁ。美羽ちゃんってば好き好きアピールが容赦なくなってきたぞ?
てか、しっちゃんが帰ってきたらどうなるのこれ? 私をめぐって取り合いがスタートするの⁉ 「私を巡って争わないで!」とかやりたくないよ? いやまぁ夢ではあるけど、傍から見たら修羅場よなぁ。
「あー、いい匂い。土鍋は使い込むと味が出るのよねぇ」
「そうなんですか?」
「うん、料理の出汁とかがしみ込んだりするから。洗剤じゃなくて水洗いしたほうっがいいのよ。土鍋を育てるって、言ったり言わなかったり」
「どっちなんですか?」
「忘れちゃった」
「もう、しっかりしてください」
昔のことだから、忘れちゃったよねぇ。ま、この土鍋ほとんど使ってないんだけどね! 仕事が忙しくて土鍋で料理とかしてる暇がなかったので。土鍋から出汁が出るとか言うこともありません。
「さて美羽ちゃん、大事なことを忘れているよ!」
「えっと、何か忘れてましたっけ? 牛肉は入ってるし」
「牛肉も大事だけど、これだよこれ!」
美羽ちゃんに伝わるように、何かを飲むジェスチャーをする。これで伝わるはず! なぜなら私と美羽ちゃんの仲だから!
「あ、酎ハイをお酌するって」
「イエス!」
「もう、ほんとにお酒好きなんですから。私とお酒どっちが好きなんですか?」
「もちろん―――」
まて、これはどう答えるのが正解なんだ? 仮にお酒と答えたら「私のこと嫌いなんですね」とか美羽ちゃんに言われるかもしれない。しかしだ、美羽ちゃんと答えると「相思相愛ですね!」とか言われてベッドイン! しそうだ。あれ? どう答えても詰んでないこれ?
ええい、ままよ!
「どっちも好き!」
「仕方ないですね……今コップと酎ハイ持ってきますね」
「お願いします!」
私は勝った!
「えーっと、あっ」
コップを両手にウキウキしながら待っていると、美羽ちゃんが空けた缶から勢いよく中身が噴き出した。
「うん、初めてだししょうがないよね。炭酸抜けても美味しいし」
「ごめんなさいエトさん」
「いいって、美羽ちゃんがお酌してくれるってだけで美味しくなるから。私比較で二倍くらい」
あー凄く恋人っぽいなぁ……うん、考えなかったことにしよう。
「こうしてお酌してると、恋人みたいですね。エトさん」
「ソ、ソウダネェ」
まさか美羽ちゃんは私の心が読めるのか!?
「写真撮ってもいいですか記念に?」
「え、うん。良いけど」
お酌した記念ってなんだろう。ツーショット写真を撮り終わったらしい美羽ちゃんがさらに何かしている。
「何してるの?」
「薫子さんに写真を送ろうと思って」
「あ……うん」
美羽ちゃんがさらっと宣戦布告してるぅ!美羽ちゃんが写真を送った直後にしっちゃんから問い合わせの連絡がすごいことすごいこと。とりあえずありのままのことを答えておいた。
美羽ちゃんとのすき焼きパーティーは美味しく終了し。酔った私は寝転がり、美羽ちゃんは後片づけをしてくれた。
「あー、美羽ちゃんにお酌してもらうと酔うのが早いなぁ」
「もう、だらしない恰好しないでください。色々見えてるんですから」
「いいじゃん、女の子同士なんだしぃ」
別に異性がいるわけじゃないんだから、見えようが関係ないって~~
「そんなこと言ってると、襲っちゃいますよ?」
「うへへ~襲われる前に襲ってやる~」
美羽ちゃんに覆いかぶさるように倒れ込むと、美羽ちゃんを下敷きにして二人で床に倒れた。
「ほんとに襲っちゃいますよ?」
「うへへ~ふひひ~」
「もう……んっ……これがお酒の味なんでしょうか?」
寝る前のおぼろげな記憶には、柔らかいものが唇に当たったような記憶があったような気がする。