汚職教師と天下りな兵士達
長くなったので分けます。そして、次回は校長が
覚醒します…………!!
87話
「…………校長先生。今、何とおっしゃったのですか??」
教頭先生が、鳩が豆鉄砲を食ったような表情で、
校長の発言を聞き返した。
「教頭先生。1度だけで内容を把握できるよう、努力
してくださいな」
校長が呆れたように発言し、
「へへっ、こんなんじゃあただのボケ老人だなww!」
富礼夜が被せるようにバカにした。
「こほん、私は彼女達を無罪放免にすると言ったのです」
ヤンキー3人を除き、全員がドン引きさせる判断を
宣言したのだ。
「おい、ちょっと待ってくださいよ! 俺と拓人と的場
さんは、この3人のウスラバカ共に殺されかけたんだぞ!
それを無罪放免って納得できるか!」
あまりに常軌を逸した発言に、隆二は言葉使いを乱す
ことも構わず、声を荒げて異議を申し立てた。
「金子君の言う通り! 何故校長先生はそうまでして
彼女等を擁護するのですか!?」
「教頭先生…………そう簡単に生徒を退学……ましてや
独房に入れるような判決を下すわけにはいきません。
それに、そんな事を頻繁に行っていてはこの学びの
場に変な噂が着き、やがては生徒達の負担となること
でしょう」
「異議あり!」
拓人が校長の発言に、異議を申し立てた。
「校長先生。事件を隠蔽する気ですか? このナイフや
刀、金属バット等の凶器を前に、ましてやヤクザ襲撃
事件の記録まであるこの状況下で、何故正義を曲げて
まで、彼女達を擁護するのですか?」
「そうですぞ! 2回とも金子君が奮闘したから何とか
善良な生徒に怪我人が出なかったものの…………罰すべき
者を罰さず、死者が出たらどうするつもりなのですか
!!」
この発言に対し…………
「フム、あなたは2度とも金子君が守ったと言ったが、
1度目の事件は的場さんが青年達と遊んでいるところに
金子君が殴り込みに来て、青年達に大ケガを負わせたと
記憶しています」
「違います! まさに彼らに乱暴されかけていた所を
金子君に救われたんです! 私はあんな人達と遊び
ません!」
「俺だって友達が襲われてなければそんな事は
しなかった!!」
「成る程、的場さんは女であることを利用して、彼等を
悪く言い、金子君はそれに乗じて暴力を振るって気持ち
良くなる暴君だと言うわけですね」
「はぁ!?」
「何でそうなりやがる!!」
「校長!! ふざけるのもいい加減にしろ!!!」
校長の支離滅裂な発言に、3人は激怒した。いや、
怒っている人間自体はヤンキー3人以外のすべての
人間だろう。
「今件にしたってそうです。彼女等と道先君、的場
さんが遊んでいたところに金子君が現れ、レプリカ
ナイフを投石で砕いたや否や、プロレス技や空手技を
繰り出し始め、レプリカ武器の殆どを砕いたそうでは
ありませんか」
「あたしの頭、まーだいってぇんだぞぉ!!」
女阿里-がニヤつきながら叫んだ。
「これは間違いなく暴行罪と器物破損罪ですね。金子君、
少年院に行く覚悟を決めておきなさい」
「待ってください! どうして私達を守ってくれた
金子君を追い詰めようとするのですか!? ヤクザ
襲撃事件の証拠物品として提示した……その…………
私のYシャツだって、ヤクザ達の汚い指紋と守って
くれた金子君の指紋以外無かったじゃないですか!」
「フム、指紋を正確に報告することで、大衆の信頼を
得ようとしたのだろうが、甘いですね。ヤクザ…………
いや、青年達にはあなたがその身を委ねており、衣を
引き裂いたのは、ゴム手袋を着けた金子君だったはず
です」
「あのゴリラならやりそうだな!」
「男ホルモンだかがあんなに溢れて、抑えられるかっ
てんだよ!」
「ヒーローの振りをしたズルい悪党だぜ!」
「この通り、彼女達も金子君を正確に表しております
な、わっはっは。的場さん、これを期に、金子君から
受けた洗脳を解き、私達と共に安全な生活を送るのです」
(ククク、安全な生活じゃなくて地獄の人生な)
(それこそあたし達が受けた暴行の非じゃないくらい
惨いレベルのな)
(あたし達のデキスギ様を立てず、筋肉ゴリラを立てる
からこうなったんだよ)
(((そしてあたし達は的場を手土産に、ヤクザの上層部
に昇格する!)))
向こう側は勝利を確信し、笑みを浮かべた。
「…………許さない。私を不当に扱ったことも、何よりも
命懸けで守ってくれた友達を悪者に仕立て上げようと
したことを許さない!!」
あまりにもひどいこじつけに、美優は校長達を
叩き潰さんとして怒り出した。
「おいおい、ゴリラの女がなんか言ってるぞ?」
「校長先生! 彼女はゴリラに操られてます!」
「も、もう脳が腐って手遅れですぅ~!」
「うむ! 特殊部隊! 構えーー!!」
校長の号令と共に、銃と隊服で武装した男達が
雪崩れ込んできた。
「うわああっ!?」
「何!?」
証人等で呼ばれていた生徒達は動けなくなった。
「誰一人として逃がしはしないよ。これも全て老い先
短いワシの人生のため」
「校長!!! 貴様はそんな下らないことのため善良な
生徒を…」
「撃て」
『パァン!』
1人が銃弾を発射した。
「あぶねっ!」
隆二が咄嗟に教頭を引っ張ったことで、頬に掠った
だけで済んだ。
「いやあああっっ!!!」
「はあ…………!! はあ…………!!」
生まれてから1度も修羅場を潜った経験のない
生徒達にとっては、この1幕だけで平常心を失う
程の恐怖を感じるものなのだ。
「ふん、手当てくらいはさせてやろうか(あれ?
真ん中のワシら危なくね??)」
硬く、角張った部屋での銃撃は、跳弾による二次被害
が出やすい。角側の人物は、銃口の直線上と反射角に
重なる者を除いて被弾率は低いのだが、中央の人物は、
かなり多くの銃撃角度において、跳弾の通過点と重なる。
「的場さん、奴らを殴る前に、一旦教頭先生の手当てを
してくれないか。後、このスマホを持っていてくれ」
「でも…………金子君をバカにしたあいつらを今すぐ
殴らないと気が済まないっ!」
「反撃の手段があるんだ。拓人」
「ああ。皆さん、今件の証拠となるこちらの音声を
聞いてください!」
その音声には、ヤンキー達の汚い罵言・暴言や犯行
動機、隆二が日本刀を蹴り砕いた時や、折れた破片が
アスファルトに落下した時に発生した"金属音"が、
まざまざと録音されていた。
「お、俺も撮っているぞ!」
彼女とラブラブなことで有名なチャラ男も隠し撮り
していた映像を公開した。内容は、凶器を持った
ヤンキー3人に無双している隆二だった。
「これだけの証拠を前に、まだ虚言を吐き続けます
か?」
「ふん、そんなものは破壊すれb…」
「隆二!!」
拓人の声が響いたと同時に、隆二の姿が消えた。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
特殊部隊兵士全員が驚愕した。
「ガハアッ!」
「グアッ!?」
2人の悲鳴が上がった。
「ソコッ!? ゴアッ!!」
反応した兵士が気づいた時には、更に2人を気絶させた
隆二が迫っており、目視不能の拳で気絶させられた。
「「「うおおおおおおっ!!」」」
残り5人の内、3人が銃撃するも、2人を盾にした
隆二に防がれ、無意味に終わった。因みに隊服は銃弾を
防げるので、2人は生きている…………はず。
「終わりだ!」
膝関節外し後ろ回し蹴りによって、3人纏めて壁に
叩きつけた。
「お……前だけでも!」
辛うじて意識のあった兵士が不意打ち気味に連射する
も、隆二の腕にかすっただけで、距離を詰められて銃口
を曲げられた挙げ句、腹を殴られて気絶した。
「イテテ…………案外何とかなるものだな。皆、生きてる
か-?」
「うう…………跳弾が当たってイテェ…………」
「あっ、武三! お前それ、大丈夫か!?」
証人として呼ばれていた武三が、隆二から応急処置を
受け始めた。
「ちょっと! まずは金子君からよ!」
隆二の腕の出血を確認した美優が、彼等の元へやって
きた。
「いや、武三…………1人だけ跳弾に当たりまくって、
地味に突き刺さったりしてるから、やっぱこっちが
先だ」
と言いながら、隆二は武三の手当てをしているが、
恐ろしく下手だった。
「もう、2人ともじっとしてて! 私がやるから!」
弓道だと時々怪我人が出る関係上、美優が驚くべき
手際で2人の怪我を治し始めた。因みに武三以外は
跳弾に当たらなかったようだ。
そして…………
「おぐおっはぁ!?」
校長が、ヤンキー達に滅茶苦茶リンチされ終わった。
「テメェ…………人のスカートの中に隠れるとは、良い
度胸だなぁ…………」
銃撃を怖がり、絶世美女のスカート内部に隠れた
ことが原因だったようだ。
「私はこれから裁判所に証拠提示をしに行きます。
校長先生、何か言い残すことはありませんか?」
教頭先生が、校長をゴミを見るような目で
見下ろしながら、言った。
「…………私はねぇ、小さい子供が大好きなんですよ」
…………何かが、起こる。
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