闘犬するんだったら、飼い主も土俵に上がらないとな!
明日は忙しいのとなろうでメンテナンスがあることを
考慮し、午前11時あるいは午後6時に予約投稿します。
77話
「ここがテイマーコロッセオか」
隆二、ウィント、スパロウの眼前には
巨大円形闘技場が座していた。
「今一度聞くぜ。2人とも試合に出て勝ちたいか?」
「ニャー!」
『ギギギッ!』
見た感じ、ウィント、スパロウ共に
やる気まんまんだ。
「じゃ、行こうか!」
テイマーズ・モンスターバトル。端的に言えば
モンスター同士を闘わせる大会だ。モンスター
のみ闘う部門はシングル~トリプルバトル、
全員乱闘バトルの4部門あり、テイマーも加わる
部門はタッグバトルとグループバトルの2部門ある。
「俺も出れるのか。じゃ、タッグバトルからやるぜ!」
というわけで、相棒とタッグを組んで勝ち進む
タッグバトルに参加した。パートナーはウィントを
選んだ。
「行くぜっ!」
「ミャゴロロッ!!」
2人して時速60kmで走り出す。
「うわあっ!?」
相手のテイマーは完全に虚を突かれ、相棒に指示を
出すどころではなくなった。
「オラァ!!」
「ミャゴォ!!」
「グハッ!」
「キャイン!」
人間両足キックがテイマーに、猫両足キックが
ブレイズドッグに炸裂し、一撃KOとなった。
「一瞬、そして一撃…………勝者、
アレウス&ウィントペアー!」
「「「うおおおおおーーーーーー!!!」」」
まさか低級モンスターに分類される
ウィンドキティを使っているド素人の
テイマーが勝つとは思っていなかった
らしく、観客は一気に沸いた。
その後も圧勝に次ぐ圧勝を重ねていき、
いつの間にやら決勝戦。
「レディ…………ファイト!!」
「ジャン! デストロイブラストいくぞ!!」
「ジャアッ!!」
B級モンスター草竜・ジャングルザードのジャンは、
主から投げ渡された爆弾をくわえ、得意の飛びかかりの
勢いを乗せて射出した。
「跳べ!」
「ニャアッ!」
ウィントはアレウスの指示通り真上に飛び上がり、
アレウスはウィントが両手で抱きやすい位置まで
飛び上がった所でキャッチして爆弾を回避した。
「アレウス・ウィントペアー、常勝無敗の爆撃を
あっさりと回避したーーー!!」
今大会のタッグバトルにおいて、ジャンは場違いに
強いモンスターとして優勝候補に上げられていた。
そして今までのバトルでは圧倒的な攻撃速度で
すべての相手を瞬殺していた。しかし、今大会の
ダークホースのアレウス・ウィントペアは、結構
余裕そうに避けてしまったのだ。
「にしてもえげつねぇ戦法考え付くよなぁ。
それだけ絆も深いって訳だな」
アレウスが次々と飛来する爆弾を軽快に避けつつ、
相手を考察していると
「フギャッ! ニャゴニャゴ!!」
ウィントが訴えかけてきた。
「当然だ! 俺たちの方が格上だぜっ!」
「言いやがるなぁ。ペース上げてやるぞ!」
対戦相手は特攻兵さながらに纏っている爆弾を
次々と放り投げ、ジャンがそれを豪速球で弾き
跳ばしていく。
「しっかり頭にしがみついてろ」
アレウスはウィントが頭にしがみついたことを
確認すると、ハンドスプリングやバック転、
側転を中心としたアクロバット技を使うことで、
軽やかに避け続けていった。
「ニャニャニャ!」
「とすると…………でかした!」
ウィントから何かを伝えられたアレウスは、
徐々に右側へと移動を開始した。
「もっともっとかっとばせぇーー!!」
テンションが振りきれたテイマーは、更に激しく
ジャンに攻撃指令を与えた。しかしそれがまさか
あんな結果になるとは誰もが思いもしなかった。
「そこだ! 惜しいっ! だが後少しぃブベァ!!!?」
なんとジャンが主の事を尾で殴り付けたのだ。
「かかったな! お前は俺の動きに合わせて最適な
位置取りを行うジャンに合わせずに棒立ちしていた
からなぁ! 利用させてもらったぜ!」
ジャンの主は辛うじて生きているが、ジャンは
予期せぬうっかりミスに動揺して動きが止まって
いる。というか、主は身体中に巻きつけた爆弾が
よく爆発しなかったものだ。
「決めるぜ! にゃん玉スパイクストライク!!」
アレウスはウィントをジャスト音速で投げ飛ばし、
ウィントも前足の爪を立てて縦回転することで、
攻撃力UPと斬撃属性を纏った。
「ジャアッ!!」
当然ウィントはジャンに命中し、一撃KOとなった。
「ジャーーーーーン!!」
主の悲痛な叫びが木霊する。
「フニャア!」
主の目の前におりたったウィントは、小さい前足を
振り上げて爪を見せた。
「降参しますか?」
瞬間移動っぽい動きで隣に鞭を手に持つ
アレウスもやってきた。
「…………します」
「勝者、アレウス&ウィーーーント!!」
「よっしゃあ!」
「ニャーーー!」
アレウスの巨大な手のひらと、ウィントの小さな
肉球が約4mの高さで触れあった。
「よし、次はスパロウも引き連れてグループバトルに
乗り込むぞ!」
「フニャッ!」
2人の闘争心は収まらず、大蜘蛛のスパロウも
連れてグループバトルに参加することにした。
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