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バトルしようぜ!

日常回1話目です。もう1話日常回をやったらまた

VRパートに移ります。

75話


「うーん、熱くなってきた最近は、朝の通学が

気持ちいいぜ」


隆二は自転車を走らせ、吹き付けてくる風を

心地よく浴びていた。


「金子くーーん! おはよーーー!」

「おう、おはよー!」


いつもの一本道を走っていると、前方を歩いていた

美優に挨拶されたので、返事をした。


「ここから乗せてー」

「ま、断っても飛び乗るだろ?」

「もっちろん!」


美優が軽やかに隆二の自転車に乗ったところで、

隆二は再び発進した。


「…………金子君、ちょっと大きくなった?」

「お、気づいたか。プチ増量しているから、脂肪が

増えたのもあるが、やっぱり明らかに筋肉がデカく

なってるんだよなぁ」

「そうだよね~。程よい柔らかさが出ていて

丁度良いと思うよ」

「まぁ、俺の筋肉は柔らかさと強さを兼ね備えている

からな。その辺のバレエダンサーよりも柔けぇぜ!」


両足の股関節さえ外せば270度位開脚可能なのだ。


そして朝のHRで…………


「そういや隆二ってSAFで関節外したりしているけどさ、

現実でも外せるの?」


拓人が聞いてきた。


「当然! 見せてやるぜ」


そう言って、右腕肘関節を外してグルグル回し始めた。


「うええ!?」

「いやっ! 金子君!?」


いくらSAFで見慣れているとはいえ、現実で

このような姿を見るのは少々刺激的だったらしい。


「え? 見せ筋??」

「あれ? 前腕回ってる??」

「嘘!?」

「キモッ!!」

「救急車よ!!」


ついにはクラス全体がパニック状態になってしまった。


「皆落ち着け! この通りだ!」


変な問題になるのは嫌だったので、隆二は

直ぐに関節を嵌めた。


「「「…………大丈夫?」」」


普段あまり隆二と話さないクラスメイト達も、

流石に心配をしている。


「おうよ。フツーに柔軟してたら外しても

痛くなくなったぜ!」


そして外すと…………


「「「ギャーーー!!」」」


「うるせぇなぁ…………」


戻すと…………


「「「ガコッて音なったけど…………」」」


外すと…………


「「「ギャーーー!!」」」


この様子に


(おもしろ…………)


隆二は内心面白がっていたとかなんとか…………


放課後


「来たぜ、盗塁王! ホームランデーブ!」


野球部の助っ人として練習に参加する日だったので、

面識のある2人に声をかけた。


「待ってたぜ、隆二」

「よく来てくれたド」


2人とも嬉しそうに出迎えてきた。


「早速実力を見せてぇが、この人たちで全員なのかな?」


隆二を含めて9人…………本当に人数不足だったらしい。


「それじゃあ、投球能力から見ていくぜ。

キャッチャーは守田先輩だ」


「お前が金子隆二か。筋肉のデカさは立派だが、

可動域的に球速を出せるのか?」

「出せると思いますよ。駄弁ってないで実演しますぜ」


そして20秒後…………


「イッッッッデエエエエエエエエエエ

エッッッッ!!!!!?!?!???」


守田先輩は痛みに絶叫し、ボールを落としながら

後ろに転がって悶絶した。原因は…………


「…………隆二、どんな球速の玉を投げたんだよ???」


思わず盗塁王・武三も突っ込まずにいられなかった。


「大体時速200km位? グローブのど真ん中に

投げたが、もう少し抑えたほうが良いかな??」


悶絶している守田先輩を見ながら武三に相談した。


「そうだなぁ…………時速18ju…」

「そのままで良い! 金子、舐めてた俺が悪かった。

どうか力を貸してくれ!」


守田先輩が先程の失言を謝罪し、部のために隆二に頼んだ。


「謝らないで下さい。友達にも頼まれたことなので、

責任を持って引き受けます!」


こうして正式に投手の役目を引き受けた。


「そうだ、関節を外せばもっと速く投げれるけど、

見るか?」


武三に言ってみた。


「…………今朝の気持ち悪いあれか。まぁ、外野で

役立つかもしれんから見てやる」


許可を得たので、現実で行える全速力・マッハ0.7の

球速でボールを金網へ投げた。


「…………えーっと、金網を一回突き抜けて、

壁でバウンドしてから、突き抜けた場所の

真下を凹ませたド??」


あまりにも速すぎたのか、金網を突き抜けて

しまったようだ。


「隆二、普通に投げな。バッティングもな。

お前はそれで十分だわ」

「らしいな!」


事実、SAFの化け物同然のモンスター達を相手に

している隆二は、武三の投げる変化球を含めた

ボールを全てホームランで返すことが出来た。


「いや、マジで凄まじぃな。今度はスゲーヒットを

打ってから、ベースランをやってくれ」

「あいよ」


隆二が返事をすると、武三がキレイなフォームで

投げの準備をした。


「オルゥア!!!」


投球動作になると、途端に激しさを前面に出す

フォームに変わり、時速160kmのストレートを

投げてきた。


「オラッ!」


打ち返したヒットは時速400kmを超えており、

1度も着地することなくグラウンドの端にある

電柱に激突した。電柱には小さなヒビが出来ていた。


「走るぜ!」


隆二は、殆んど一瞬で時速60kmに達し、

一塁ベースを蹴って2塁へ切り返し動作を

行った。


『ダンッッ!!!』

「うひぇえ!?」


ファーストを守る文系の同級生が、隆二の切り返し

動作によってベースが吹き飛んだことに驚いた。


『バゴッ!!』

「ビックリだドォ!??」


セカンドを守る動けるデブ氏は、隆二自体の威容に

驚いて尻餅を着いた。


『ボゴォン!!』

「…………なにこの速度」


サードを守っていた1年生が、隆二のスピードに

呆然としてしまった。


『ドン!』

「とうちゃーく!」

「……約6.6秒。お前…………実はツキノワグマだったり

しないか??」


守田先輩は、隆二のあまりにも常識外れな運動能力に

頭の整理が追い付かないようだ。


「正真正銘ホモサピエンスっす!」

「うん、そうだよな。変なこと聞いたな」


考えても無駄とばかりに飲み込んだようだ。


帰りは陸上部に立ち寄り、ユニフォームの為の

採寸計りを行った。


「中々筋肉美を見せつけれそうなユニフォームで

良かったぜ」

「そ、そうだね…………」


筋肉アピールを出来そうで嬉しい隆二と、ユニフォームの

過度な露出に顔を赤らめる美優が非常に対照的だ。


「的場さんは元の素質がスゲェのか、今もかなりの

美脚だと思うが、鍛えたら更にキレイな脚になるぜ。

そしたら他校の陸部男子をメロメロにして戦力ダウン

出来たりしてな!」


脚を鍛えたらカッコ良くなることを伝えると同時に、

冗談を言った。


「わ、私そんなことするために鍛えたいんじゃないもん!」


これには美優も更に顔を赤らめ、全力で否定をした。


「冗談、冗談。…………少し部室のバーベルで

鍛えていくか?」

「あ、うん! 速くなるスクワット教えてよ!」

「任せろ!」


短時間。それでいてこれ以上なく有意義なトレーニングを

行い、舞台はSAFへ移った。


「フレイヤ、ファイアーブレス!」


フレイヤというニックネームが着いたフレイムドラゴンの

子供が炎の息を吐いてきた。


「かわせ!」


アレウスがウィンドキティのウィントに指示を出すと、

ウィントは華麗な回避を行った。


「ゲイルダッシュ!」


足首周りに風を纏い、高速移動を行う技を開始した。


「フレアファングで迎え撃て!」


フレイヤは牙に炎を纏わせ、接近したウィントに

噛みつく算段だ。


「かわしてドリルストライク!」


ウィントはフレイヤの噛みつきを紙一重で回避し、

切り返し動作で跳躍しながら爪をドリルのように構え、

回転アタックをフレイヤに命中させた。


「フレイヤ、戦闘不能!」


審判役を任されていたクラフトは、モンスターのHPを

表示するタブレットを見ながら判断を下した。


「そんなーー! フレイヤーーー!!」


戦闘不能になったフレイヤを見て、フレイヤの

主のテイマーは崩れ落ちた。


「やったな! ウィント!」

「ミャオッ!」


勝利したアレウスにウィントが飛び乗り、

大道芸の猫のように決めポーズの逆立ちをした。


「アレウス君! カッコ良かったよ!」

「ウィントちゃんもステキでしたわ」


ミューとイシュタルが共に勝利を喜んでくれた。


「サンキュ」

「ミャ~」

「フフフ、可愛い猫ちゃんね」

「本っっ当に初めて会ったときとは見違えるように

可愛くなったわ」


ウィントは不自然なくらい大人しく女子2人に

撫でられている。


「ははっ、俺と2人きりの時は自己主張しまくりだぜ?」


ウィントは賢い猫にありがちな、愛想を振り撒くべき

人間を判断する能力に長けており、彼女達もそういった

人間の一員に分類されているようだ。


「けどさ、意見を伝えてくれるってことは、

信頼しているって事だと思うぜ」


クラフトがフォローした。


「へへっ、当たり前だぜ。じゃねーとモンスター

バトルで10人抜きは出来ねぇさ。な、ウィント?」

「ニャッ!」


アレウスの問いに、ウィントは得意気に答えた。

そして早々にギルドに戻り…………


「じゃ、今日はこの辺であがります!」

「お疲れさまです!」

「お疲れさまでーす!」


「「「「「「お疲れー!」」」」」」


アレウス、クラフト、ミューの3人はテスト勉強の

為に早々にSAFを切り上げた。


「ふぅ、今日はデッドリフトをしてから…………」


これまた500kg位のバーベルを引き上げてから…………


「物理学の勉強だぜ!」


明日の勉強会に向けて、まずはモチベーションの

上がる得意教科から取り組んだ。

どうでも良いけど「ていまー」ってスマホで打ったら

「タイマー」って予測変換が「テイマー」よりも前の

方に来るんですよね。なろうにこのネタの作品が存在

するだけに毎度笑ってしまいます。(そして1度誤字を

直さずに投稿したことがあったり…………)


毎度ブクマや評価、感想、レビューに励まされてます。

ありがとうございます

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