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とってもコワイイ金剛石の熊さん

ブクマ340人達成。ありがとうございます!

m/sを付け足せば、大体音速にもなるので、

個人的に縁起の良さを感じました(笑)

72話


「さてと、どう攻めますかね」

「敵の情報が少なすぎるからな、手探りでいくしかない。

悟られぬよう奇襲だ」

「反応されたらどうします?」

「こちらも死ぬ気で対応だ。でなければ死に戻りだからな」

「ラジャー」


アレウスとレオナルドは、物音1つ立てずに木陰から

別の木陰に移動していき、金剛石色の2足歩行の熊を

挟み撃つ体勢を整えた。


((今だ!))


2人とも阿吽の呼吸で飛び出し、蜂蜜を貪っている熊に

それぞれの得物を叩きつけた。


「くまー」

((受け止められた!))


アレウスの2振りの片手斧も、レオナルドの渾身の

両手斧も、得物を見ずに受け止められた。


「こんばんはくま。君達がウロボロスセンパイと

イビルザード君を討伐した人間族の方々くまね」


魔王軍幹部の熊が話している間に、いつでも

攻防を行える体勢を整える。


「僕も魔王軍の幹部を努めているくま。僕の主観だけど、

ぼくはウロボロスセンパイより強いと思うくま。怖じ気

づいたなら見逃してあげるくま」


蜂蜜を食っていて見えなかった口元もとても愛嬌を

振りまく形であったが、彼の溢れんばかりの愛嬌は、

この時ばかりは恐ろしさを引き立てるスパイスと

なっていた。


(おいおい…………俺の筋肉を形作っている分子1つ1つ

までもが震える恐怖感って何だよ)

(これが…………魔王軍の幹部…………そしてこの中でも

上位クラスの者…………!!)


速攻戦法で知名度を上げたギルドの主力2人を

もってしても、ここまで怯えさせる程の威圧感

だった。


「君達は…………どんな判断を行うくま?」


愛嬌のある顔で、目にも光があるが、決して

"笑っていなかった"。


「「俺はお前を倒す!」」


アレウスとレオナルドは同時に返答し、お互いの

顔を見合って口元だけ笑みを浮かべた。


「そっかぁ。そしたら僕も君達の勇気ある選択に、

全力で答える必要があるくま」


熊は極々自然体のまま、息を吸った。


「僕も君達を絶対に倒すくま!!」


刹那、熊と2人の距離は熊の腕のリーチ分だけに

なっており、熊はそのまま右腕を突き出した。


(…………全神経を集中して奴の動きに対応する。

熊討伐の第一歩はこれらしいな)


アレウスとレオナルドもいつの間にか左右に

分かれており、それぞれの獲物を振り抜こうと

している所だった。

というのも、熊が距離を詰めようと接近してきた

時には、既に熊の速度が音速を超えており、更に

そこから放たれる拳を避けただけでは、強烈な

衝撃波による大ダメージを受けてしまうからだ。

この時の回避手段はただ1つ。衝撃波の範囲外

紙一重の地点まで移動することだ。


「「おおっ!!」」


レオナルドは両手斧から飛ぶ斬撃を放ち、

アレウスは純粋に片手斧を肩肘手首の関節を

外してリーチを増すことで、超音速の一撃を

繰り出した。


「人間族とは思えない威力くま。だけど金剛の皮膚を

砕くには足りないくま」


音速級の攻撃であっても、軽々と受け止めてしまい、

"ダメージになっていなかった"。


「っおいおい、ダイアモンドって瞬間的な衝撃に

弱くなかったか??」


この非常識な防御力に、アレウスは驚きを通して

呆れ返った。


「フフン、からくりがあるくま~~~!!」


熊はアレウスに狙いを定め、打撃系の格闘技を

繰り出し始めた。


「うおおおっ…………!!!」


自他共に認める速度特化の筋肉野郎なアレウスを

持ってしても、拳を避けることで精一杯になっている。

熊の動きがあまり大きくない事で、発生する衝撃波

から受けるダメージは小さめなのだが、食らっている

ことに変わりはないため、状況は悪いといえる。


「くっ…………奴の感覚もアレウスにひけを取らないか…………」


レオナルドも飛ぶ斬撃で援護しているのだが、

熊の速度が尋常でないため、殆ど当たらない。

というか当たったとしても…………


「効かないか。へき開面に当たれば、少しは突破口が

開けそうなものだが…………」


へき開面とは、ダイアモンドに存在する特に衝撃に

弱い面である。ダイアモンドrun熊の皮膚が本物の

ダイアモンドに近い構造をしているのであれば、

へき開面もあるだろうという魂胆だ。


「カラクリを見破られたくまー。そうくま、

へき開面こそが僕の唯一の弱点部位くま!」


余程攻めにも守りにも自信があるのか、

唯一の弱点を2人に教えた。


「ならば…………」


レオナルドは熊に気取られぬよう、飛ぶ斬撃を放ちつつ、

じわじわと距離を縮めていった。


(今だ!)


いつかのアレウスとの手合わせで放った音速の突進

からの全力振り抜き攻撃を繰り出した。


「巧いくまー」

「超・がむしゃら斬り!!」


レオナルドの攻撃で注意がそれた熊に対し、

アレウスは片手斧2斧流の連続技を強化した

超音速の連撃を熊に炸裂させた。


(パス、パス、パス、ガード、パス、パス、ガード、

絶対死守、パス、ガード、パス)


しかし、熊は無視して良い攻撃と、何かしら防御が

必要な攻撃を全て見切り、的確な防御行動を取った。


「こんなに楽しいバトルははじめてくまー!

ちょっと技を披露してあげるくま!」


そう言うと、超スピードテンポの連続バック転で

距離を取り、相変わらず音速で近づいてきた。


「ブリリアントネイル!!」


ダイアモンドの爪によるマッハ3の切り裂き攻撃だ。


「アレウス!!」


レオナルドは咄嗟に屈むことで、飛来する衝撃波も

回避したのだが、アレウスの姿が見えない。


「無事ッス!!」


声が聞こえた方では、アレウスが異様に低い体勢を

取っており、しっかりと衝撃波を回避していたようだ。

彼の柔軟性が成せる技と言えよう。


「ブリリアントナックル!!」


低い体勢のアレウスに対し、拳を振り下ろしてきた。

アレウスすら凌駕する運動エネルギーの暴力は、

着弾した大地を赤熱・ひび割れさせ、何かの爆発が

起きたようなクレーターを作っていた。


「ブリリアントレッグ~~!!」


拳の衝撃で吹き飛んだアレウスが直ぐに木々を

利用して体勢を整えたことを見届けるや否や、

レオナルドに向かって高速回転しながら回し蹴りを

放ち始めた。


「ふくぅっ!!」


レオナルドはマ◯リッ◯ス回避を行うことで、

蹴り足から放たれる衝撃波を敢えて受けることで

下方へ加速し、熊の脚に衝突することを回避した。

熊自身の速度が若干音速未満だったことは不幸中の

幸いである。


「うわっ、ジャングルが伐採地に早変わり

しましたぜ…………」


ようやく着地したアレウスが、熊の凶行に毒づいた。


「…………」


しかしレオナルドは停止した熊を凝視し、

何かを考えているようだ。


「ブリリアントォ~~」

「木陰に隠れろ!!」


熊の声と同時に、レオナルドが警告を発した。


「うおおっ!!」


アレウスはしっかりと警告に反応して走った。

それと同時に、眩い光が先ほど2人が居た場所を

照らし、そこから熊を線で結んだライン一直線の

物質が蒸発していた。


「…………あいつって、ギャグマンガの住人ですかねぇ??」


両腕を突きだし、手のひらを向けている熊に対して

ついつい呟いてしまった。

・ダイアモンドrun熊の元ネタ


作者の友人が、とあるゲームのダイアモンドランク

マッチをLINEで入力した際、ダイアモンドラン熊と

入力したのを作者が面白がって、キャラとして形に

したのが作中の彼です。それだけです。


ブクマ、評価、感想、レビューが励みになっています。

ありがとうございます。

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