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実況されていたが、インタビューは回避したビルダーDK

流石に疲れました。明日は夕方投稿予定です(^-^)v

7話


「お待たせ!」


無料会話アプリ、ルインの音声とアバターの音声が

同時に聞こえた。声の主はどちらも拓人だ。


「おう、それじゃあ早速見せてやるぜ」


町から出て、脇の樹木へと向かう。


「見てろ~」


地面を蹴ると、ダンッ! と音が立ち、隆二の

体が大木へと超加速される。そして、そのまま

ぶつかるかと思った瞬間、隆二の体は垂直へ

物凄い速度で登っていった。


「おお~…………」


そのまま12m程駆け上がったところで、

木々を跳躍で移動しながら更に6m程上昇した。


「とうっ!」


そして高さ18mの大木の頂点に降り立った

次の瞬間には、体操選手よろしく華麗な跳躍と

着地を見せてくれた。


「こ、これは想像以上に凄いな…………AGI極振りの

忍者でも中々出来ない動きだよ。壁登りと壁キックは

どんな特技を使ったの?」


「特技?」


隆二は自らのステータス画面の内、特技欄を確認した。


「マグ・ショットとパワーショックしか覚えてねぇな」


「えっ? どっちもノービス時代に覚える

基礎技じゃん。……まさか身体能力だけで

この運動能力を発揮していたのか!?」


「そうだぜ。筋肉の力ってここまで凄かったんだな!」


「…………明日の50m走が楽しみだよ」


「そうそう、モンスターもスパッと倒せるとこ

見せなきゃな。 着いてこい!」


先程以上の加速で走り始めた。


「待ってくれ~! 追い付けねーよー!!」


上級職成り立てレベルの拓人すら全く着いて

いけていない様子だ。


~草原地帯~


「やっと追い付いた…………AGIが高くない職業

とはいえ、上級職の俺が全く追い付けなかったよ。

これでもリアルより速いはずなんだけどなぁ…………」


「へぇ、拓人は上級職まで到達したのか。

やり込んでるんだなぁ」


「そうだよ、名前はメカニック。大工や鍛冶職人

といったjobを経由して、ようやく成れた上級職

なんだ」


「造る方のビルダー系jobを極めて昇華した感じかな?」


「そうそう、そう言う感じだよ。でも、最終目的は、

最上級jobのゴッドビルダーさ」


「ビルダー! 最高だなぁ、おい!!」


ビルダーという言葉に反応し、ついつい大声を

あげてしまった。


「ははは、分かってると思うが、もの作りの

ビルダーだからな」


「そ、それくらいは分かってらぁ! お、

ゴブリンの群れ! 拓人、ちょっと見てな」


「お、それじゃあお手並み拝…」


言いきる前に隆二はロケットスタートを切り……


「俺は韋駄天の矢!」


最高速度状態で両腕を広げつつ、脚もピーンと

伸ばしてゴブリンの集団へ突撃した。


(けん)しちゃったよ…………。短距離でギネス

更新出来そうな奴が、重量級だったらそりゃあ

こうなるわな…………」


リアルフィジクスモードプレイヤーの攻撃力は、

まごうことなき物理法則が適用される。破壊力は

物体の質量に速度を二乗して半分した値で算出

できる為、ボディビルダーが短距離王者並の速度で

ぶつかれば、ゴブリンの群れが全滅するのも何ら

不思議ではないというもの。


「どーよ! やっぱたのしーわ、

リアルフィジクスモード!!」


「……ああ、隆二と組めば魔王討伐の光明(こうめい)すら

見えてくるよ」


「魔王って…………もしかして誰も倒したことねーのか?」


拓人の発言から、隆二はこのゲーム内の

魔王が倒されてないと考えた。


「そうだよ。SAFの全プレイヤーが魔王討伐を

目指しているんだよ」


「へぇ~。ギルドの受付嬢って定型文を言ってた

訳じゃ無かったんだなぁ~~」


「あー、彼女はNPCだから、定型文なのは

間違いないね、うん。だけど、誰かが魔王を

倒した後の定型文もハッカーに発見されてる

から、運営も誰かに魔王を倒してもらいたい

のは間違いなさそうだよ」


「ハッカーの着眼点がよくわかんねぇな…………」


「いやいや、あの受付嬢にはファンが沢山居るんだ。

隆二、そんなこと言ってたら後ろから刺されるよ?」


「お、おう…………まぁ、もうしばらく俺の

戦闘スタイルを見せてやるぜ!」


そう言って、隆二はあらゆる地形を走り、跳び、

登り、破壊しまくった。付近に居たモンスターは

例外なく一撃瞬殺された。


「なる程なる程、大体分かった! 塾帰りに

ルーチューバーが追跡していた謎の新人の

存在もね!」


「なんだそりゃ??」


「結論から言うと隆二の事なんだけどね……」


~回想~


拓人は何気なくライブ配信されていたSAFの

動画を見てみた。


「さーてさてさて、何もない場所に突如発生した

謎のひび割れ、その正体を暴くためなら何だって

するぞ~!」


実況者がハイテンションで話している。


「あっと、突如赤髪の戦闘民族的な人が現れました!

早速インタビューを……」


「……よぉし、モンスターを見かけたら倒していくかぁ!」


赤髪のプレイヤーは突発的に駆け出した。


「あっ! 待ってくれ~! うん! 追い付けません!!」


その後、そのプレイヤーはポツポツ配置されている

モンスターを千切っては投げることを繰り返し、

時にゴブリンの群れをぶちかましで薙ぎ倒し、時に

50もの人喰いマウスを一網打尽にし、時にアーマー

オークを蹴り1発で仕留めていた。


「…………(まさ)に圧巻です! 今度こそインタビューをを

をおおOH……NOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!」


実況(じっきょう)者が絶叫(ぜっきょう)者に変わった原因。それは


「あの絶壁をユキヒョウの如く登られては、

手も足も出せないっ!…………無念なり~~~~!!」


と、ここで動画は終わっていた。


~回想終了~


「確信したよ、隆二だったんだな。たまに学校の

壁面を登っているって問題になっていたけど、

相変わらずだなぁ~」


「仕方ねぇだろ。今日だって一刻も早く弁当に

ありつきたくて……その、保健室から二階に…………な」


「いや、今日もかよっ! ま、それはさておき、

隆二には俺の所属しているギルドメンバーに

なってもらうよ」


「おお、やっと冒険モノっぽくなってきたな!」


冒険者といえばギルド。隆二のテンションが上がった。


「入団時に軽くクエストをこなしてもらうのが

仕来たりなんだけど、隆二ならどんなクエスト

でも失敗することはないと思うから平気だよ」


「どんな…………ねぇ。魔法系は勘弁してな」


「多分来ない……筈。後、当然だけど、

ギルドメンバー達は顔も分からない

赤の他人だから…………ユーザー名で

呼び会うようにね。俺とお前の仲でもな、

アレウス」


「……そうだな、クラフト。じゃあ、町へ戻ろう!」


2人は同じ道を歩むべく、町へと戻り始めた。

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