Play music (紅きライオンのごとき、超速ビート)
芸術的センスとMAG……果たしてその相関関係は!?
67話
「ウェイブ」
アレウスが放った水弾は、20kgの段ボール箱を
50cm動かした。
「なるほどっ! アレウス君の現在のウェイブの
ぃ威力はあっ、20kg段ボールを50cm動かす分
あるとぉいうことでーす!」
「そこで、今回は芸術的センスを向上させて、
どれくらいMAGが上がるか検証するんですね!」
「ザッツライッッ!! さぁて、イシュタルちゃ~ん。
こーんかいはミュージックをを教えてくれるんだって
ねぇ~!!」
「はい! 合計100種類を超える楽器を触って
いただき、あっという間にバンドを組んでみようと
思いますっ!」
そして、各々色々な楽器を取ってみた。
「ミュー様はベースがあっていそうですわね」
「今日はベースを弾いてみるわね」
「おー、ギター楽しいなー」
「ではクラフト様はギターで決定ですわ!」
「さーて、弾く系は全滅だ。だったら叩くまでだぜ!」
ドラムセットにまたがり、何となく叩き始めた。
「まずはエイトビートでも叩いてみましょうか」
8分音符でハイハットを叩きながら、4度
ハイハットを叩く内の3打目でスネアドラムを
叩き、足元のバスドラムを4分音符で刻み続ける
旋律だ。
「おおー、何か面白いなぁ」
アレウスは難なく叩くことが出来た。小学生の時に
鍵盤楽器を全く出来なかったことを思えば快挙であると
言えよう。
「まぁ、素晴らしいですわ! でしたらリズムに慣れたら
どんどんメトロノームのテンポを上げていくと、上達
していきますわ!」
「そうか! サンキュー」
ピカリンはボーカル、イシュタルはキーボード係りに
なり、30分ほど練習に打ち込んだ。
「「「……………………」」」
とあるものを見ているクラフト、ミュー、ピカリンが
絶句している。
「まぁ、素晴らしい!!」
アレウスがギネスに載りかねない早さのテンポで
縦横無尽に炸裂した爆炎のようなロックを演奏していた
からだ。
「ッシャアアッ!!」
ラストは両腕で両側のシンバルを叩き、バスドラを
叩くと同時にシンバルの音を消した。
「あー、ドラムってめっちゃたのしーわ!」
「まーたアレウスが謎の才能開花したよ…………」
「速けりゃ何でも良いのね…………」
「すっばらしいですわぁ~~~!!」
「パワー系ドラマー爆誕…………こぉんごが楽しみ
ですッッ!!」
「よっしゃあ! 何か合奏しようぜぇ!!」
と、言うことで、ロック系の曲をコピーバンドで
演奏してみた。現在は百年近く前に流行ったロックが
再評価されつつあり、今回選定した楽器もロックに
適していたのでロックバンドになったのだ。十分に
形になっていた。
「ふぃ~、いつかリアルで集まってやってみてぇな」
「あー、めっちゃやりたい!」
「今の楽器なら私の家に全てありますわよ」
「イシュタル…………君ってお金持ちなのかい?」
クラフトが何気なく聞いた。
「はい! いつか皆様を招待したいと思っていますわ!」
「そいつは楽しみだ。その日を待ってるぜ」
「はーい! たーのしぃ話は撮影後にどうぞっ!
アレウスくーん、最後の1仕事ですよー!」
「っとそうでした!」
セッティングを終えて
「レディ………………アクション!」
「さぁ! 修行を終えたアレウス君のみわざ、ごらん
あれぇぇぇえええっす!!!」
「ウェイブ!!」
水弾が直撃した20kgの箱は、3m先の壁まで
吹き飛び、中身をぶちまけた。
「グレィト!! すんばらしぃ成長速度っ!」
「これぁ、芸術センスがMAGに直結するって証明
されましたねぇ」
「イエス! それじゃあまた、今度~~」
ピカリンがお辞儀をしたところ、照明の光が頭頂部
で反射し、カメラを真っ白に照らして動画を終わらせた。
「お疲れさまでーす!」
撮影を終え、ギルドに戻ろうとしたのだが…………
「ミュー、今から短距離走の練習すっぞ」
「へ?…………あ、デキスギ君に言われたあれね! 良いよ」
と、ここでミューが現実の友達の名前を言って
しまったので
「おいおい、顔しらねぇユーザーがイシュタルだけ
だからって、友達の名前は言っちゃダメだぞ」
クラフトが注意をした。
「あっ、ゴメンネ!」
それはそうだと謝ったが
「でも、よく考えたら本名じゃなくね??」
アレウスが地味にその通りの事を言った。
「…………確かに」
「そうだな。よほどの事がなければ問題ないか」
「そう言うわけでクラフト、お前もミューのライバル
係りとして協力してくれ!」
「ま、まぁ良いけどよ…………」
「では、私は気ままにソロクエストを頑張りますわ」
「おう、ファイトだぜ!」
と、言うわけで、早速2人が全力疾走した。
「本ッッッ当に同着だぜ…………」
どちらも7.0秒だった。
「ミュー、君って本当に速いね…………」
「クラフトも単なるがり勉じゃなかったんだね!」
お互いの実力に驚きあっている
「よーし、それじゃあまずは…………兎に角全速力で
走り続けて最高速度を上げるぞぉ!!」
アレウスが時速87kmまで達し、2人に見せつけた。
「うーん、あそこまでは流石ni…」
「お先っ!!」
「あっ、待ったー!!」
最終的には全員が猛ダッシュし始めた。それは
何時の間にやら鬼ごっこへと代わり、アレウスは
いつの間にか消えていた。
「タッチィ!」
ミューが何とかクラフトにタッチすることに成功した。
「っと、やられたか。ここで一旦精神的に休憩しようぜ」
「そうね」
2人が休息の為に座り込んだ時だった。
「お待たせ。調子はどうだ?」
「うおっ!?」
「ぴゃあっ!?」
背後から気配を消したアレウスに声をかけられ、
驚いて振り返った。
「うん、速くなった気がするよ!」
「俺もだ。今なら低確率で盗塁王に勝てそうだよ」
「よしよし、だったら距離を取って横に並んでくれ」
2人は言われた通りに並んだ。
「次のメニューは蛇から逃げてリミッターを外すこと!」
「「は??」」
おもむろに、ガラガラヘビを思わせる蛇を2匹出した。
「いけー!」
アレウスの号令に答えたのか、手頃な素手ユーザーに
狙いを定めたのか、蛇達はそれぞれ1人に狙いを定めて
全力疾走した。
「ぃいやぁあぁあああああ!!!」
「素手でガラガラッシュに勝てるかぁ!!?」
ミューはアレウスを怖がっていた頃を思わせる
叫びを発し、クラフトは得意の頭脳分析で勝てないと
判断して逃げ出した。始めは面白いくらい2人と2匹が
同じスピードで走っていたのだが、途中の分岐路で
分かれてしまったので、アレウスはやや追い付かれ
かけていたミューの方を追いかけた。
「ヒィィィッ!! 死んじゃうよぉ~~~!!
キャアッ!??」
遂に、相変わらず頭から転んでしまった。
「しゃあねぇ。ウェイブ!」
水弾を放つ。が、それだけでなく
「追い付いて蹴ることで…………飛ぶ!!」
水弾に最高速度で追い付き、蹴ることで更に加速した。
「ウォータープレス!!」
加速した脚の踏みつけで、ガラガラッシュを
一撃で倒したのだ。
「よし、大分速くなってたぜ。今日はこれで終わりだ」
「はあっ……!! はあっ……!! 終わっ……たの??」
スタミナ的な疲れは起きないSAFだが、ミューは
精神的疲労で息切れしていた。
「お、おう。だからさ…………早いところ
立ってくれねぇか?」
「もう…………ちょっと休ませて…………」
「せめてその体勢はやめてくれねぇかな…………
み、見えてるんだよ」
「はひゃあ!?」
思わぬ発言に頭から飛び起き、スカートを押さえ込んだ。
「これぞ本当の頭跳ね起きってk…」
ギャグを言おうとした瞬間、下手な男子の倍の威力は
ありそうな上段回し蹴りが来たので、腕でガードした。
「なんだぁ、元気じゃねーか。格闘技の特訓も
受けて立つぜ!」
自分の気持ちを全く理解しない発言を繰り返す
アレウスに
「アレウス君の馬鹿ぁっ!! ボッコボコにするまで
逃がさないんだからぁぁあ!!」
涙目ながら、容赦のない連続攻撃を繰り出すミューだった。
「良いボディブローだ! 全身が連動しているぜ!
そこだ! よっし、下手なヤクザのしたっぱぐらい
一捻り出来るまで鍛えてやるぜ!」
それでもアレウスがミューの気持ちを理解することは
なかった。30分は武術指導していただろうか…………
「ふぅ、こんなに激しく動いたのは久しぶりかもね~」
「お疲れ、おぶっていくぜ」
「!!…………うん!」
ミューをおぶって帰ろうとした時だった。
「あっ! クラフトの事忘れてた!! 探さねぇと!」
親友の事をすっかり忘れていたのだ。
「俺はここだぞぉぉぉ…………アーレウスゥゥゥゥ………………」
「おっ、流石はクラフト。得意の頭脳でどうにか対処しt…」
中々素晴らしい飛び蹴りが来たので、両腕でガードした。
「お前が放置したせいで俺はなぁ!!『素手で抗う者』
なんて言う脳筋丸出しの称号を手にいれちまった
じゃねーかぁ!!」
どうやら素手でガラガラッシュを倒してしまった
らしく、クラフトには似合わない称号がついたようだ。
「おーおー、実に素晴らしい称号も手にいれて
悪いことないじゃねぇk…ブルルッ!!」
「ンフフ、アレウスくーん」
おぶっているミューに急に息を吹き掛けられ、
注意がそれた。
「おっとぉ!?」
クラフトの回し蹴りをマ◯リック◯回避で避けた。
「っ外したか! けど、良いアシストだよ! ミュー!」
「どういたしまして~!」
「ッッ!?」
今度はいやらしい場所に微妙に手足を寄せ付けられ、
その刺激で注意が散漫になった。
「いくら筋肉があるからって、ダチ2人の力を
なめんじゃねーぞ!!」
「いっぱい気持ちよくしてあげるからねぇ~」
2人は本気でアレウスを倒すつもりのようだ。
「おっ…………もしれぇ! ダチ2人だろうと筋肉の力で
武術指導者の責務をまっとうしてやるぜぇ!!」
相変わらずずれた反応を返し、クラフトの攻撃の
良いところ悪いところを指導し始めたのだった。
武器(鎖鉄球)
アーマーナイト等のタンクjobが用いる重くて遠心力
溢れる武器。振り回して投げ当てるまでに時間がかかり、
初心者だと直線的な攻撃になりがちだが、熟練者が
使いこなせば最強の攻撃・防御手段へと変貌する。
当然アレウスも着目している。
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今後ともよろしくお願いします。




