芸術を大爆発させよう
祝・総合ポイント1000pt達成! ブクマ270人と合わせて
ありがと~うご・ざいまーす!!
これを記念して次回から後書きにオマケコーナー的なのを
設けようかと思います。お楽しみに~
52話
「お2人とも、描き終わりましたか?」
「おうよ!」
「イエース!」
それぞれゴブリンを模写した絵を提示した。
「こ、これは…………!!」
アレウスの絵は顔面が歪に崩壊しており、
おぞましさを容赦なく放っている。
ピカリンの絵は、特徴自体は良く捉えられているの
だが、やたらフレンドリーなオーラを放っている。
「アレウス様は残念ながら、絵描きの基礎が
固まっていませんが、逆に基礎さえ固まれば
誰も真似できないような芸術を爆発させられると
思います!」
「そ、そうなのか…………??」
「ピカリン様は基礎が出来ており、性質的には
陽の芸術に秀でているのだと思います。このまま
長所を伸ばしていけば、これまた一芸特化の極みに
達せられますわ」
「わーお! 尖った頭頂部がピカリッと
ひ・か・る~!!」
と、こんな流れで絵描きの基礎講座と1要素を
伸ばすためのコツを伝授する動画が完成した。
「2人とも、お疲れさまでした~。とても良い動画を
撮れましたよー」
「ええっ!アレウス様の筋トレ講座は
もう撮りましたの!?」
「悪ぃな、今度は一緒に収録しような。ピカリンさんも
よろしいですか?」
「勿論です。女性向けにイシュタル様が
トレーニングしている様子を写せるので、
メリットしかありませんよ」
「てことだ」
「やったぁ!」
それからは、2人でB級クエストに(イシュタルは
助っ人参戦で)挑んでみた。
「私の技をお見せしますわ!」
イシュタルは迫り来るモンスターの群れに対し、
5連続でマグ・ショットを放った。それは、
大爆発を伴って群れを消し炭にしてしまった。
「いや、凄すぎだろ…………」
アレウスでも全滅までに5秒はかかる物量を、
ものの3秒で片付けてしまった。
「お褒めに預かり嬉しゅうございますっ」
さも当たり前のような態度で褒められたことを
喜んでいるが…………
(この子絶対、自分がどれだけ凄いことをしたのか
理解してねぇだろうなぁ…………)
普通、下級jobである魔法使いだとMAG極振りで
あっても精々ゴブリンを一撃で倒すことが関の山だ。
しかし、イシュタルのマグ・ショットは、1発だけ
でも明らかにTNT爆薬の爆発を超えた威力を持っている。
「さて、目的の草竜を探しに行きましょう」
「おう」
そして数分後
「あ、いた」
草竜ジャングルザードがこちらを見ていた。
『ジャアッ!!』
蛇の跳びつきのような動きでいきなり
襲いかかってきた。
「…………え!?」
イシュタルは気がついたら宙を舞っていることに
驚いた。
「仲間の弱点は別の仲間が補う。基本的な
チームプレーだぜ」
アレウスがイシュタルをお姫様抱っこしながら
回避行動を取っていたのだ。
「その速さ…………とても憧れるなぁ」
「いやいや、君の破壊力も羨ましいものだぜ。さて、
アイツは間違いなく攻撃特化のモンスターだ。諸に
食らったら俺も即死するまである」
先程の跳び付き攻撃から、推測した。
『ジャロロロロロッ!!』
尾の先端から無数の葉っぱを飛ばしてきた。
「葉っぱ手裏剣? ◯っ◯カッ◯ー? 何でも良いけど
遠距離攻撃も微妙そうだな」
アレウスは空中連撃『舞空連殺拳』……を、
身体能力のみで再現し、飛来する葉っぱの
軌道を外側に反らした。
「では…………どうやって倒しましょう…………」
「折角2人で挑んだんだ。いっちょ合体技でも
ぶちかまそうぜ」
「合体…………技?」
「合体技だ。イシュタルは一先ず俺の上から
全力のマグ・ショットを放ってくれ」
「わ、分かりました!」
即座に手のひらに球を精製する。
「マグ・ショット!」
「マッスルブースト!」
イシュタルが腕を突き出した瞬間、アレウスも
その場跳躍しながらイシュタルを前方に突き出し、
マグ・ショットの射出を更に加速した。
『!!?』
草竜は想像を超えた速度で飛来したマグ・ショットに
対抗することが叶わず、普段の4倍は破壊力のある
爆発を前に塵となった。
「よっし。上手く行ったな!」
イシュタルとハイタッチしようとしたが…………
「ご、ごめんなさい…………先程の2度の「カックン」で
酔ってしまいましたわ…………」
(前にも似たようなことがあったな)
以前、マリリンを背負った状態で急加速、
急制動を立て続けに行ったときも、彼女が
酔ってしまう事があった。
「わ、悪い…………君自身を急加速させる事は
今後止めとくよ。辛かったら一時中断して
スッキリしてきても良いよ。その間俺が
君のアバターを守っておくし」
「で、ではお言葉に甘えて…………」
イシュタルがVRの接続を中断したことで、
彼女のアバターがボヤけた。
「…………そりゃそうだよなぁ。よくよく考えたら、
俺くらい激しく動き回る人間なんて居ないだろうし、
配慮出来るようにならねぇとなぁ…………」
アレウスはとても当たり前なことを反省したのだった。
ブクマ、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!
11月10日 本日の投稿は遅くなるかもしれません。
明日も忙しいので、かなり良くわからない時間の投稿に
なりそうです。




