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ゴングのように分厚い大胸筋を!(アレウスのルーチューブ撮影)

何時の間にやら筋肉体操

51話


「さて、いよいよ中級jobになったか」


現在、アレウスは格闘家の延長線にある中級jobの

剛術家になっている。


「剛術つったら、突き・蹴りみたいのだから、

空手とかの技があるのかな。ま、なんにしても

やってみるか!」


早速フィールドに行った。


「うおおっ!」


拳の一撃でリザードモドキの上半身がのけ反った。


「もういっちょ!」


飛び後ろ回し蹴りを繰り出し、遂には数tの巨体を

宙に浮かせた。


『キュウ…………』


そしてリザードモドキのHPは空になり、ジュエルと

ドロップアイテムを残して消え去った。


「んん? コウモリの羽ばっかりだな。ま、良いか」


拾って拾って拾いまくった。


「それにしても、よくよくスキル欄を見たら、

素手格闘なんてものもあるんだなぁ」


『素手格闘 : 突きや蹴りを用いた打撃とそれに

準ずる特技の威力が1.5倍になる。尚……』


「リアルフィジクスモードでは適応外ってか。

別に良いけどよ、筋力さえ上がればどうにでも

なるし!」


等と言っていたら、水竜リヴァイヤーが現れた。


「B級最上位クラスの乱入モンスターってところか?」


現在いる水源地帯はリザードモドキ等の

C級モンスターが中心に生息している。

しかし、ダンジョンギミックとして

こういった乱入モンスターが時々

現れるのだ。


「流石にこいつ相手に素手で挑んだら、

関節外さねぇと通じねぇだろうな」


しかし、それでは反動ダメージを受けてしまうため、

少し危険だ。


「だからこそ、1ヶ月鍛えた俺の発勁が

唸り声を上げるぜ!」


格闘家時代に覚えた発勁。実はこの技、現実の

発勁に即した型がモーションに取り入れられて

いたのだ。そしてアレウスはある夜、それを

ネットで発見し、自ら技の発動と、自力で

再現しようとする動作を繰り返すことで、

完全に発勁をマスターしたのだ。


「行くぜ! 『強振勁』!!」


技を肉体で再現しながら技を放つことで、強化技へと

進化した一撃がリヴァイヤーに襲いかかった。


『ガアアアアッ!?!?』


あまりにも莫大な衝撃が全身を駆け回ったことで、

リヴァイヤーは一撃で倒れ伏した。


「よっし、下級時代の技を全て使えるのはありがてぇな。

久々に籠手で大暴れだぜっ!!」


籠手を装備し、モンスターをちぎっては投げまくった。

30分後


「ふー、爽快爽快! おっ、ピカリンさん

こんばんわーーっす!」


「おーー、待ってましたよアレウス君!

早速撮影に入ろうか!」

「はーい!」


そして動画撮影が始まった。


「と言うわけでっ! 今日は今日はと大"胸!"筋を

鍛える方法を、リアルフィジーカーのアレウス君に

紹介してもらいまーす!」


「アグロフラッシュ所属のアレウスです! 今日は

大胸筋の筋肥大、筋力アップ、筋収縮速度向上を

見込める鍛え方を、腕立て伏せを使って解説しようと

思いますっ!」


「ほうほう、筋肥大と筋力アップは分かるのですが、

スピードも上がるんですね」


「ええ、この世の物理法則的には、力が上がれば

自分や他の物体を加速する能力も上がるので、

理論的にはスピードアップに繋がりますね!」


「なーーるほどっ! 皆さん聞きましたかっ!?

筋力が上がればスピードも上がるそうですっ!

身体能力を上げるためには筋トレがとても

役立ちそうですね~! 筋肉は…………」

「裏切らないっ!!」


体操番組を思わせる掛け合いを行い、

2人の筋トレ番組は始まった。


「イエース! じゃ、腕立て伏せの解説に

入りましょうか~」

「カーーット!」


ここで一旦区切られた。


「アレウス君、凄く慣れているねぇ。以前にも

テレビに出たりしたことあるの?」


「いえ、撮影は初めてだったのですが、ボディビル

大会とかに何度も出たので、誰かに見られることに

慣れているんです」


「なるほどっ! それは素晴らしい。…………うんうん、

これ程のクオリティなら問題ないね。次行きましょうか」


腕立て伏せ(実技)の解説に移った。


テロップ : フォームの注意点


「では、早速腕立てをしていきましょう!まずは

私がてぇほぉおんをお見せいたしましょうっ!!」


ピカリンはスッと下がってから1秒ほど停止し、

2秒ほどかけてゆっくりと上がり、また1秒ほどで

下がる。この動作を3回ほど繰り返した。


「さて、アレウスさん。私のわぁるい所を

バシ!バシ!挙げて下さいっ!」


「まずは、腕の配置から直します。肩を外旋させ、

手のひらを肩と平行まで持っていってください」


「こぉんな感じでしょうか?」


「ええ、そして肩の外旋を維持したまま、

肘先を正面に向けてください」


「おお、腕立てっぽくなりましたよぉ!」


「はい、このまま地面に両腕を着けば完成品です。

では次に、先程悪かったフォームの修正を行います。

まずは、顔を正面に向けることから始めましょう」


「と、言いますとぉ?」


「顔が下に向いていると、大胸筋を完全に

ストレッチする前に収縮動作に移ってしまう

ので、フォームという意味で不完全になって

しまいます」


「なる程っ! つまり…………」


顔を上げ、2秒ほどかけて限界まで下がった。


「おっとぉ…………これは現実(リアル)だと下手すりゃ

下がり切れないかもしれませんねぇ…………」


「そのような場合はできる限りのギリギリの

ギリまで下がれば問題ありませんので、自分の

筋力と相談して下げましょう。また、筋力が

少なめの方は、膝を着くことで負荷を減らす

ことが出来ます」


「これは、随分っと楽になりましたよぉ!」


ピカリンが軽々と上下するようになった。


「継続して鍛えることで、面白いように

強くなれますので、是非ご自分に合った

負荷から始めてみましょう」


テロップ : スピードは重さ


「では、次は上体を持ち上げる動作を修正して

いきましょう。一旦下がりきってください」


ピカリンは上体を下げて、大胸筋を限界まで伸ばした。


「結構です。先程まではピカリンさんは一定の

速度で上体を持ち上げていましたよね。この動作を

大胸筋の収縮のみを使い、その収縮を加速させる

ように行うことで、負荷を上げられます」


「つまぁり…………ぬ、おおっ!」


初動は遅かったが、動作後半になるにつれて速くなった。


「な、何か凄いアドレナリンがでぇ!て

来ましたよおっ!!?」


「フッフッフ、気づいてしまいましたか。

このように動作をすることで、アドレナリンが

多く分泌され、リミッターを解除できる可能性も

上がるのですよ。因みに身体を上げる時は手の

ひらの親指側に体重をかけ、下げるときは小指側に

体重をかけ、気持ちゆっくりと下ろしてください」


「つまり、スゥゥゥ…………」


ピカリンは息を吸いながら小指体重で下降し、


「ふぅぅううっ!」


息を吐きながら、親指体重で加速して身体を上げた。


「そんな感じです。身体を上げる時は息を短く

『フッ!!』と吐いてもっと速く。良いですねぇ~!

はい、結構です」


「おおお…………現実だと10回出来るかどうかって

感じですよぉ………………」


「ええ、それが良いのです。それくらいの負荷を

極力短時間、30秒以内で追い込みきればかなりの

効果を期待できますねぇ~」


テロップ : 実際の追いこみ方


「実際にアレウス君が鍛える時ってどんな感じで

鍛えてますか?」


「俺の場合は始めの1セット目は、慎重にフォームを

作り、ゆっくりと上下して筋肉を収縮する感覚を

呼び起こします」


「フムフム」


「で、2セット目は加速テクニックも駆使して

本番一歩手前の速度で行います」


「速いっ!」


アレウスの腕立て伏せがあまりにも速かったので、

ピカリンは素で驚いた。


「ああ、それと下がって上がる寸前くらいは筋肉が

一番力を発揮できますので、その時に全力で大胸筋を

収縮させればより筋トレの効果が高まりますね」


「カウンタープッシュ的な? そして3セット目は……」


「本番セットは…………飛びます。

My body is junping!!」


「ふぇ??」


ピカリンが驚いた刹那、アレウスの体が50cmほど浮いた。


「こんなもんじゃありませんよぉ~」


余裕淡々に1m程跳んだ。


「アレウス君の身体が浮いて浮いて、

跳んで跳んで跳びまくる~~~!! あっ!」


気がつけば、彼の身体はカメラから逸脱して、

2度と戻ってこなかった。


「ア、アレウス君は腕立て伏せで限界を超え、

天界まで登っていきました…………南無阿弥陀仏、

南無阿弥陀仏…………」


当然これは演出の問題で、カットが入ったタイミングで

天井に張り付いていたアレウスは戻ってきた。そして

パンプアップパートとまとめも撮り終えて…………


「やー、お疲れさまです。どうでした?」


「すんばらしい! また何時でも共演したいですよ!」


「是非お願いしますね!」


と、そこへ


「こんばんわー!」


イシュタルが入室してきた。

ブクマ、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!


11/9 本日14時台に投稿予定です。

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