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下級jobマスター

誤字報告ありがとうございます! ←唐突


少しずつ、しかし確実に物語は動いています。

44話


「よっしゃ! 完成!!」


高さ60cm程の小屋が出来た。


「ニャー!」


この小屋の出来映えに、ウィントが喜んだ。


「これで寝る場所に困ることもねぇな! お、

レベルアップしてる!」


下級jobである職人のレベルが1から2に

上がっていた。


「なる程なぁ。職人だと物作りでもレベリング可能

なんだな。戦闘が苦手な人は、職人でひたすら物作り

してから、ステータス割り振りして強い状態から

始めるのもありだな」


ステータス割り振りが存在しないリアルフィジクス

モードでは、この点は不遇だと思った。


「ま、それでも単に人間の身体能力だとアニメや

ゲームのキャラには勝てないから、誰もリアル

フィジクスモードを選ばないんだろうがな。

俺だって筋肉が無かったら、こうはいかなかった

だろうし」


すやすやと寝始めたウィントを見ながら、今までの

思い出を振り返った。


「にしても、プレイング初日で俺に突っかかってきた

迷惑ユーザー共は一生許さねぇぞ。確かに後々強く

なるのに苦労するだろうけどさ、それで迫害とか

非常識にも程があるだろうが!」


「…………アレウス君、あの時はゴメンね」

「あ、ミュー。そうだな、ああいうことは実行の前に、

自分がされたらどう思うか考えるのが良さそうだよな」

「そうだね。だけど、良し悪し抜きにして、あの時

アレウス君に襲いかかったお陰で私は今、こうして

アグロフラッシュに入れた。もしもあの出会いが

無かったら私…………」


「確かにな、俺やクラフトととm…」


「SAFを購入したときの5万円をパーにしちゃう

ところだったわ。だから本当に感謝してる!」


友情よりも金の感謝だった。


「お、おう…………リアルの方で俺達と友達に

なったこととか、一緒に動物園に行ったことは

関係なかったのね…………??」

「あ、ううん! 勿論それも嬉しかったよ! 女友達は

皆インドア過ぎて、動的な発散が出来なかったし。

動物園では2人の会話を聞いて、男子はやっぱり

考え方が違うんだな~って思って面白かったし!」


「…………考えてみりゃあ俺、動物の筋肉ばっかり

話してたな」


「う~ん、それは動物の魅力の1つだから普通の

感覚だけど、ウイングを持ってチーター並みの

速度で走ったら飛べるかなとか、そういう発想が

女子とは違うと思ったわ」


「俺、たk…クラフトとそんなこと話してたの??」


「そうだよ!……本当に意味分からなかったんだから」


「ははっ、悪ぃ悪ぃ。そうだ、ミュー」

「ん?」

「自由時間の10分位使って、俺に弓の撃ち方を

教えてくれないか?」

「良いよ! 遂にアーチャー道に興味を持ったんだね!」


こうして残り時間は弓の練習に費やした。


「うんうん、これだけ撃てたら明日は実践練習に

取り組めそうだね。じゃ、また明日ここで会おう!」

「おう!」


それからしばらく時が過ぎ去っていった。

ダイジェストでアレウスの活躍を見てみよう。


「食らえ、転射!」


弓の軌道を真横へ逸らす『曲射』の強化版、

更に曲がって真後ろへ反れる『転射』で飛竜を

討伐した。


「これで3体全て討伐だぜ!」

「て、転射って最早理解できないよ…………」

「お陰様でアーチャーレベルもカンストだぜ。

お礼がてらおぶって帰るぜ」

「あー……マリリン先輩みたいに?」


若干引き気味で聞き返してきた。


「おう、それじゃ…………」

「ひ、広い…………」


アレウスの後背筋の広さに驚いている。


「行くぜ!」


相変わらず熊以上の速度で走り出す。心なしか、

更に速度が増している気がする。


「はっ速すぎぎぎぎっ! ってか風で捲れてないいい!?」


あまりの風圧で顔がえらい形相になるわ、

上手く喋れないわ、スカートが捲れてる

気がするわで焦ったのだが……


「気のせいだ! このまま一瞬で戻るぜっ!」


アレウスはそんなミューにはお構いなしで

爆走していた。


~数日後~


「ほおおおおおっ!!」

『ズドドドドドドドッ!!』


誰かが機関銃を乱射している…………否、

アレウスが異次元の取り回しで無数の

拳銃を乱射していた。


「一丁上がりっ!」


しばらくして、遠方からバタバタとモンスターの

倒れる音が聞こえてきた。


「フッ、教えられることはもう無さそうだな」


ジェルマンが名残惜しそうにガンマンのアレウスを

認めた。


「それは違いますぜ。1ヶ月以内にヒットマンに

転職するんで、またよろしくお願いします」


~翌日~


「ほぇ~、成る程~~。薬草とハチミツの調合なら、

薬草を購入するとしても回復ポーション買うより、

14ジュエル以上特なんですね」


「そうだよ。薬草みたいな簡単な調合なら、

下級jobの調合士でも成功率100%に

なるから、ジュエルと時間と相談しながら

やりくりするといいよ」


ヒットマンの時とは違い、優しい口調だ。


「アレウス君の場合はジュエル不足には

ならないかもしれないけどね」


ミューが付け足してきた。


「いやいや、余裕な時ほど摂生は大事だぜ?」


~数日後~


「フレア…………」


放った炎の魔法に駆け寄っていき…………


「ストライク!」


飛び蹴りを乗せることで、物理的に魔法攻撃の

ダメージをブーストした。その一撃は、スノー

アーマードラゴンを雪の鎧の上から瞬殺した。


「…………ねぇ、アレ君。それってもう、

魔法じゃないよね?」


流石のマリリンもこの様子には呆れていた。


「え、なんかカッコ良くないッスか? わりかし

実用的だし」


「それ、実用的に運用できるのアレ君だけだからね!

次はどっちを極めるの?」


「白魔導士から極めてみます!」


~2日後~


「スーパーフラッシュ!」


目眩まし効果も高い中級魔法を放ち、

ある程度の雑魚を倒しつつ、残った

雑魚モンスターが動けない内に…………


「オラオラオラァ!!」


鍛え抜いた肉体による肉弾で全て一掃した。


「魔法とは、常人にはおおよそ理解の出来ない

技術を指す。つまり、相手の理解が及ばねぇなら、

これも魔法だと言えるって訳だぜっ!」


平然と言いきったアレウスに対し


「アレ君! それはただの肉弾攻撃だからね!?」


全身全霊で否定するマリリンと


「「…………」」


アレウスが魔法を使うということで面白さを

求めて来たのだが、ドン引きすることになった

クラフトとミュー。


「魔法か…………確かになっ! アッハハハハ!!」


面白がるレイルであった。


そして黒魔法も…………


「グラビティ!」


遺跡ワールドに出現した乱入モンスターの

ギガゴーレムの動きを重力魔法で止めた。


「そして重力を利用するっ!」


跳躍後に腕の関節全てを外し、リーチの長い

(しゃく)(じょう)の先端部をジャスト音速まで加速させて、

ギガゴーレムの脳天に命中させた。


「成る程、重力に加えて瞬間的な衝撃を

加えることで、全身の関節を破壊したのか。

考えたな」


見学に来ていたジャンヌも感心していた。


「ちょっとちょっとぉ~! 副長も何感心

しているんですか!? あれを魔法と呼べる

はずg…」


「マリリン、言い忘れていたことがあった」


「はい…………??」


「アレウスは良い意味でも悪い意味でも

アレウスだ。深く考えないこと。以上だ」


「…………ええ、おっしゃる通りですね」


ジャンヌの説得に、マリリンにしては珍しく、

素直に納得した。


「2人ともー! アイテム採取しましょうぜ~~?」


色々言われている当人は、相変わらずの調子だった。

アレウスがSAFを始めてから丁度1ヶ月。

平行して鍛えていた他のjobもカンストさせ、

中級jobに移る前にソードマンで息抜きする

ことにした。


「紫電一閃って思ったより速いんだな~。

未だに強化技に発展出来ねぇ。けど、後

少しな気もするんだよなぁ~~」


片手剣の技『紫電一閃』は高速の居合斬りだ。

単純に速く斬る技であるが故に、多くのユーザー

から愛されている技である。


「ん?」


グラス・コープの入り口に人だかりが出来ている。


(銀髪美少女・身長低めモデル体型の

周囲に集まっている感じか。2次元

アイドルのサイン会か?)


周囲の様子から、推察する。


(あっ…………ピンク髪の女の子に隠された。

って、あの子は…………)


ピンク髪のアーチャー。アレウスには

とても馴染みの深い


「ミュー?」

ブクマ、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!

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