ビルダーDKとうとう獣認定される
次の話が終わればVRパートに戻ります
そしていつもブクマや評価をありが・とーう!
36話
現在、反復横跳びの測定場には女子が集まっている。
そして、ある1ヶ所だけ人口が密になっている。
「何この足跡…………」
「誰よ、後先考えず床を破壊した馬鹿は!」
そう、両端の白線を少し超えた場所に、大きな陥没が
1つづつあったのだ。
「きっと金子とかいう筋肉狂いのバケモノの仕業よ!」
「アイツ! デキスギ様の輝きに逆光を刺して…………
許せないわ!」
隆二を嫌っている女子達が、反復横跳びの現場を
見ただけで盛り上がっていた。
(この人たち、床に陥没があるだけでよくここまで
盛り上がれるよね…………。実際に金子君になにも
されてないでしょ…………)
この様子に美優は呆れていた。と、その時
『ドォォオオン!!!』
「「「「何!?」」」」
突如鳴り響いた轟音に、多くの女子が音の方へと
振り返った。
『ズゥン……!!!!』
「うっし、記録測定してくれ!」
「記録……10.4m」
「っしゃあああっ! ギネスに乗るぜぇ!!」
「え!? 10.4m!!?!?」
あまりの記録に測定していた拓人が驚くだけでなく…………
「「「「はぁ!!???」」」」
筋肉アレルギーの4人組も驚いていた。
「おう、大分反復横飛びで疲れていたのと、
昨日スクワットのMAX重量更新したときの
筋肉痛が残ってて、思ったより飛べなかったぜ」
「うっそぉ…………」
「「……………………」」
これには誰しもが混乱してしまった。
「な、何なのあれ…………??」
「野蛮…………非常識…………知恵捨人ー」
「私、後で猟師さんに通報する」
女子の一部では金子隆二猛獣説まで出る始末だ。
「いや……それは無いでしょ…………」
美優は立ち幅跳び測定場で筋肉アレルギー4人組に
中指を立てている隆二を見ながら呟いた。
「…………なんか楽しそうだなぁ」
それから昼休みになった。次の授業も体育だったので、
皆体操着のまま弁当を食べている。
「わっ、スッゴい大きな弁当だね!」
「特性筋肉飯だぜ!」
隆二の机には野球部男児2人がやっと食べれそうな
大きさの弁当が置かれていた。
「こりゃあ用意するのも一苦労だな…………」
「ああ、朝に用意してちゃ間に合わねぇから、
前日の晩に作ってるぜ」
「え、金子君が作ってるの?」
「おう、流石にこんな大量の料理を母さんに
作らせるわけにゃいかねぇよ。いただきます!」
腹が減っていたのか、突発的に食べ始めた。
「俺も」
「私も」
「「いただきます」」
2人も食べ始めた。
「ガツガツ……そうだ、的場さんは今回の体力測定
調子はどうだ? もぐもぐ」
「んー、50mと握力と前屈は良い感じだったなぁ」
「弓道って握力とか柔軟性必要そうだもんねー」
拓人が弓道の動きから分析した。
「そうなの。弓を支えるにも矢を引っ張るにも
握力使うのよ。VRだと握りに割く集中力を
狙いに回せるから、百発百中よ」
「そういやアーマーオークの時も、まるで吸い込まれる
かのように顔面に当てていたよな」
「ええ、矢は当てるものじゃなくて当たるものなの。
…………まぁ、あの時はあわてて何回か外しちゃった
けどね。スッ転んだし」
「おう、危うく見えかけたぜ」
「ちょっとぉ!」
隆二の唐突な発言に美優が動揺する。
「すぐにそっぽ向いたから見えてねーよ」
「なら良いけどさ…………VRとはいえ恥ずかしいよ」
「そう言えばSAFでも一応暴力やセクハラを
訴える部署があった筈だよ」
「まぁ、あそこまでリアルな感触のゲームなら
それくらい作らねーとな」
「そういう目的で始めるおっさんとか居そうだしね~」
今で2次元と結婚なんて珍しくない時代。
2次元に対してセクハラを目的で接触する
ユーザーも居るだろうということだ。
「ま、おっさんの狙った女アバターの中身が
おっさんだったら一転して面白れぇーけどな!」
「「ゴホッ! ゴホッ!」」
唐突な直視したくない事例に2人は咳き込んだ。
「隆二…………いきなりそんなことを言わないでくれ」
「本っっ当に誰得よ!」
「ははっ、悪ぃ悪ぃ。ご馳走さま!」
「はやっ!」
「隆二は去年からこんな速度で食ってるよ。
それにしても次はシャトルランだけど、
対策は出来ているのか?」
「そっか。金子君は持久力に関してはからっきしだもんね」
「実はな、もしかしたら俺でも結構良い結果になるかもしれねぇ方法があるんだ」
昼休み後の掃除が終わり、再び体育館へ。
「さて、どうなるかな?」
体育館の左端に男子がずらりと並んでる。
『第1走始め~!』
あの独特なラジオミュージックと共に、
シャトルランが始まった。
ブクマ、星5つを着けてくださるとやる気が上がります。感想やレビューも引き続きお待ちしています!




