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初めての死に戻り

ブクマ170人とっぱ!ありがとうございマッスル!

イェイ! 今話のタイトルは、意外な結末を示しています。

34話


「なんだこの動きはぁ~~~!?!?」


岩竜王・ジャイロドンの超高速スピンにより、

洞窟内では全てを抉り飛ばす旋風が吹き荒れている。


「あの状態のジャイロドンに、力で挑もうとしない

ことだ。目を回して動けなくなるまで待つぞ」


レオナルドが並走しながらすべき事を述べていく。


「つっても物理じゃ効果今一つの極みですよね。

隊長、さっきは何で炎属性の攻撃していたんですか?」


「金属は熱した状態から急激に冷やされると壊れる

だろう。この性質を利用して、奴の鎧を破壊する為に

まずは熱していた」


「おおー、流石隊長!…………って、どうやって

冷やすんですか?」


「アイスポーションを幾つか用意した。アレウス、

俺が奴を十分に熱したら、全速力でこれを投げろ」


その言葉を聞いたアレウスは静かに口角を上げ


「お任せください!!」


これ以上ないくらい嬉しそうに返事を返した。


「そろそろ奴の動きが収まr…っ落石に備えろ!!」


ジャイロドンの回転が収まるかに思えたその時、

ジャイロドンは既に混乱状態に陥ってよろけたのか、

急に進路を壁側に変え、遠心力の乗った一撃で

壁をぶん殴ったのだ。


「なんじゃそりゃああ~~!?!?」


その一撃はアレウス達が黙視可能な壁、天井、床

全てに亀裂を入れ、上のフロアと左のフロアを

1つの部屋に大改装してしまった。


「この程度で俺を潰せると思うなよ!」


アレウスは関節を外した両腕を駆使し、片手斧を

縦横無尽に捌くことで、落石から身を守った。


「フッ、俺も負けていられないな」


レオナルドも関節こそ外していないが、両手斧を

慣れた手付きで振り回し、当たると危ない落石を

全て捌ききった。


『ゴゴォォォォ………………』


一方のジャイロドンは、落石によるダメージが

全くないものの、混乱状態が治らない上、あまりにも

激しい運動をしたからか、身体中が熱くなっている。


「道は俺が作ります!」


超リーチの1凪により、邪魔な岩を一掃した。


「感謝する。むおおおおおっ!!」


レオナルドは素早くジャイロドンとの距離を詰め、

炎属性の連続攻撃で局所を赤熱するほど加熱した。


「今だ!」


「いっっくぜええええっっっ!!!!」


片手斧を宙へ放り投げ、未だ関節を外した腕のリーチを

フルに活かしたフォームでアイスポーションを全力投擲

した。


『ゴガァッ!!!??』


マッハ1.2で衝突したアイスポーションは、

ジャイロドンの鎧全体にヒビを入れた。


「後は俺達の得意分野だぞ」


レオナルドは(さま)になる笑みを浮かべ、

アレウスを更に鼓舞する。


「最強最速の連撃をぶちかましまくるっ!」


アレウスも直ぐ様意図を察し、走りながら片手斧を

キャッチし、攻撃体勢に入った。


「畳み掛けろ!」

「アクスラッシュ!……を、筋力だけで再現!」


レオナルドは単純に連続の斧攻撃だが、アレウスは

本来片手斧の技として再現される動きを、自身の

身体能力だけで再現している。


「最早MPを消費して技を使う必要性が無いな」

「まぁ、一撃で決めれない場合はそうですかね」

『ゴォアアッ!!?』


1秒で鎧が全壊した。


「休ませねぇぜ!!」

「俺は別角度のアプローチを行うとしよう」


アレウスは身体能力をフルで使うことで、攻撃の

激しさを更に増し、レオナルドは飛ぶ斬撃を

絶え間なく飛ばす攻撃に変更することで、それぞれ

のシナジーを最大活用してジャイロドンを攻め立てて

いった。


『ギャオオオオオオオオッッッッ!!!!!』


物理オンリーパーティーからすれば、悪魔の城壁と

言うに値するジャイロドンも、鎧を砕かれた上で

この2人の猛撃を食らえば、3秒で瞬殺…………

速効撃破されてしまうのだった。


「最後は呆気なかったですね~!」


すっかり手慣れた様子で関節を元に戻しながら、

アレウスは話す。


「フッ、ジャイロドン最速討伐の記録を塗り替えた

かもしれないな」


「へへへ」

「フッ」


互いの武器を合わせ、勝利の余韻に浸った。


「ん?」

「おっ」


ダンジョンを抜けると、2人組の冒険者達が入り口を

囲っていた。


「な、なぁ…………中に、ジャイロドンっていう

ドラゴンは居なかったか?」


大剣を背負った男が聞いてきた。


「ああ、それなら俺達が倒したぞ」


レオナルドはすました顔で答え、アレウスも

得意気な笑みを浮かべた。


「よ、よく討伐できたわね…………」


不思議な形状の剣を装備した、服装が魔法系に近い

女性が驚きと戸惑いの混じった発言をしてきた。


「どう言うことですか?」


アレウスが不思議そうに聞き返した。


「今回レオナルドさんが受注したクエストなんだけどね、

AIが誤作動を起こして、本来SS級ペアが向かうべき

クエストを、S級ペアが向かうべきだと指定しちゃった

んだ」


「で、俺達SS級ペアが、お2人さんが怪我する前に

ジャイロドンの討伐をすることになったんだが…………」


「奇遇だったらしいな。俺もアレウスも五体満足、

ジャイロドンも討伐したぞ」

「因みに証拠品でーす!」


アレウスはジャイロドンからごく稀にドロップする

希少アイテム『ジャイロマグネター』を取り出した。


「おおー…………というか、レオナルドさんの連れの

戦士の君が一番心配だったんだけど、この様子だと

君も楽勝って感じだね」


「少なくともSTRとAGIは既に俺を超えているぞ」


「確かに、まるで本当にその筋肉で動いているようだな」


「よく分かりましたねー! 俺、リアルフィジクス

モードで遊んでるんですよー!」


「「ブフォ!!?」」


前代未聞の出来事に、2人は揃って吹き出した。


「そう言うわけだ。今日は予定が無いので俺達は帰るぞ」


「ああ、俺達もやること無くなったな」


「じゃあレオナルドさん達と一緒に帰ろうよ」


「おー、SS級の方々とお話しできるなんて

光栄ですねー!」


そう言うことになり、4人でグレートシティまで

雑談しながら戻ることになった。

道中ではアレウスやレオナルドの桁外れな攻撃力に

SS級2人が驚くことがあったが、逆にレオナルド

すら知らないモンスターの弱点や急所を2人が

知っていることもあり、それぞれが有意義な時間を

過ごした。


「じゃあ、今度合った時は全力でハグだからね!」


「いや…………まぁ…………良いですけど…………」


アレウスはリアルの身体能力でSS級の戦闘能力を

発揮しているということで、すっかり女性に気に

入られたようだ。道中で太い腕に抱きつかれた際、

アレウスのVR本体が出血(はなぢ)を確認し、1度リアルに

戻されるという出来事があったのだ。


「はっはっ、困ってるしその辺にしてやれや。

まぁ、何にせよ、今度合ったら4人でどっか

攻略しにいこうぜ!」


「ああ、楽しみにしている」

「色々と有意義な情報ありがとうございました!」


そして別れ、グラス・コープのギルドに戻ったのだが、

この後あんなことになるとは誰も思ってなかった。


「ただいまー!」

「戻ったぞ」


「「「「「「おかえりー!」」」」」」


全員が揃っており、くつろいでいた。時刻は

21時30分だ。


「アレウス、S級クエストはどうだった?」


「聞いてくれよクラフト! 実はなぁ…………」


レオナルドと共に、今日の出来事を話した。


「「「「「「………………」」」」」」


ジャンヌ、レイルは呆れた様子を示し、マリリン、

ジェルマン、クラフトは目を輝かせ、ミューは自らの

想像力を超えた出来事を話されたからか、魂が抜けて

しまった。


「中々刺激的で楽しかったぜ~。隊長、本日は面白い

体験をありがとうございました!」


「フッ、また行きたくなったらいつでも連れていって

やる。よし、今日は解散。残り時間は自由だ」


全員がそれぞれやりたいことをやり始めた。


「S級所かSS級すら通じるのか。よしアレウス、

時期早々かもしれないが、以前渡したパワード

スーツのテストを行おう!」


クラフトが思いついたかのように提案した。


「おお、あれか。すっかり忘れてたが、今なら

面白いことになりそうだな!」


早速始まりの平原でテスト運行を開始した。


「ウッヒョーーーー!! 速ぇぇーーーーーーー!!!」


普通だと出せない速度で走れるため、アレウスは

大興奮している。

色々とデータを取りたいという理由から、マリリンも

補助魔法係りとして手伝うことになった。


「アレウス君楽しそうだね」

「くっそ礼儀正しいのに妙なところがガキのままだよな~」


ジェルマンとレイルはただのギャラリーだ。


「フンヌッ!!」


時速120kmの状態から拳を放つと、崖の一部に巨大なヒビが入った。


「オラオラオラオラオラオラオラオラオルゥアア!!」


更に連打を浴びせると、崖の一部が完全に砕けた。


「ふぃ~。全っ然痛くねぇ!」


「フム、DEFアップによって骨密度が上がることで、

反動ダメージの低下と剛性の高い対象へのダメージが

上がったな。予想通りか」


クラフトはデータをスマホのような端末に記録している。


「じゃあマリリンさん。次はアレウスのSTRとAGIを

上げてくれるかな?」


「りょうかーい」


STRアップで上半身の筋力が、AGIアップで下半身の

筋力が上がった。


「ニイッ」

「「「「!?!?」」」」


アレウスは笑ったかと思うと、4人の目の前から消えた。


「あ、あそこ!」


ジェルマンが指差した方向では、アレウスが湖まで

残り100mまで接近していた。


「あっ、水につっ…」


レイルの話し始めから「つっ…」までに1秒の時間が

経過した。アレウスはその間に湖までの100mを

走り抜いたので…………


「…………時速約360km」

「新幹線?」

「て言うか、水上走ってね?」

「全く、漫画やアニメじゃないんだからさ」


嘘でも何でもなく、アレウスは自らの脚力によって

水上を走っていた。しばらくして


「いやー、面白かったぜー! これからも筋トレで

強くなると考えると、もっと異次元の速度に達せ

れるんだなぁ~!」


「破壊力もね。折角だし、あの崖を完全崩壊させる

くらいの気持ちで攻撃してみたら?」


クラフトの提案に…………


「よーーーーっし!! やってやらぁぁぁああ!!!!!」


アレウスのテンションは最高潮まで達した。

距離を200m程取り、そこから最高速度

時速400kmまで加速。崖の目の前まで

迫った後、急停止しつつ、予め関節を外して

いた両腕を超加速させ、『全霊撃』の強化版

『超全霊撃』を更に強化した、『極全霊撃』を

繰り出した。


「「「「い"っ!!?」」」」


マッハ7.7まで加速した片手斧の一撃は、

勿論想像もしない程の破壊力であったが、

4人は別の事に怪訝な驚きを見せた。そして

アレウスはというと…………


「んあ? 自室??」


何故か自室に戻っていた。


「何で自室に…………おっと、これは」


行動表示画面を確認すると…………


『アレウスは極全霊撃を放った。アレウスは

反動ダメージ9547326560000952を受けた。

アレウスは死亡した』


「……………………死んだんかあああぁぁーーーー

ーーーーぁぁあああいいぃぃ!!!!!!!!」

ブクマ、星5つを着けてくださるとやる気が上がります。感想やレビューも引き続きお待ちしています!

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