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上の次元へ!

ブクマ140人超えありがとうございます!


今話は序盤だけリアルの様子を写します。

31話


「よっし、感覚は十分に掴んだ。晩ご飯も早い内に、

食べた。ならば実践あるのみだぜ!」


小休憩がてらVR世界から戻った隆二は、早速自宅の

筋トレルームへと向かい、念のため100キロ、

200キロのバーベルでスクワットのウォーミング

アップをこなしてから、300キロをセットした。


「いつ見てもギリッギリだなぁ」


本格的なジムとは違い、50キロのプレートを購入

できなかったので、片側に20キロのプレートが

7枚もはめられている光景が完成した。


「よし、こいつを軽く挙げれりゃ怖いもんはねぇな」


ゆっくり下降し…………


「おおおおおっ!!」


約1.5秒で挙げ切った。


「ふぅ、これは完全に掴めたな」


VR世界の練習の成果が発揮され、スクワットの

腕前が上がった。


「隆二。鍛えていたのか」

「あ、父さん! 俺、今から320キロ挙げるから

見ててよ」


隆二が筋トレしていることを察して父親が来たので、

良いところを見せるべく、張りきりだした。


「ウム、しっかりと見てやるから、慌てずに1つずつ

手順をこなすのだ」

「おっと、そうだね」


父の言葉で過剰なテンションを抑えつつ、冷静さを

取り戻した。


「じゃ、いくよ。…………ぅぅぅぅううう、

ぬおおおおおおおおっ!!!!」


先程と同様の速度で下降し、ケガ防止のストッパーに

バーベルが乗っかる寸前で静止、そのまま緩やかだが

確実に加速しながら上昇。2.2秒で挙げきった。


「遂に…………日本記録を完全に上回ったか。良くやった、

隆二!」


この(さま)に父親からも感嘆の言葉が発せられた。


「父さん、俺はサブジュニアの世界記録だって

超えれるんだぜ。今から見せるから、補助を頼むよ」


「うむ、お前の成長を見られるなら、どれだけでも

手助けを惜しまんぞ。ただ、危ないと思ったらすぐに

中断だ。まだまだ日数はあるから、何度でもチャレンジ

出来る」


「ああ、そのつもりだよ」


それぞれが片側にプレートをはめ…………バーベルの

合計重量は340キロになった。


「ふしゅぅぅぅううう…………おおおおおおおおおお

おおおおおおっ!!!!」


どうにかこうにか4秒かけて挙げきった。やはり

VRと違い、現実だと疲労や精神的な負荷がかかるため、

スムーズにはいかないようだ。


「ゼエッ……ゼエッ……神の7秒間に突入した気が

したぜ………………」


神の7秒間とは、人間のエネルギー回路の内、

最高出力の物を駆動できる時間を指す。つまり、

隆二は正真正銘の全力を出したということだ。

因みにアメリカ等フィットネス先進国では常識的な

知識だと言われている。


「良くやった! 遂に世界記録をも上回る力を

備えたのだな。だが、俺が思うにお前には

更なる伸び代があるだろう。こうなったら、

自分が満足するまで進むと良い」


「…………へへへ…………いつかは…………人類最高峰も

超えて…………人外の何かになってやるぜ…………」


酸欠気味なのか、途切れ途切れに抱負を述べていった。


「そうか。今日、明日はゆっくり休むのだぞ」


そういって、父は部屋を後にした。


「わかってるよ。俺……父さんがこうやって、純粋に

俺のこと応援してくれるの凄く嬉しいんだ…………」


隆二の父は若い頃、今の隆二のようにボディビル、

パワーリフティング、ウエイトリフティングを

極めようとしていた。しかし、隆二が幼年の頃に、

300キロのスクワットを練習していた際、怪我を

してしまい、それ以来筋トレそのものを止めてしまった。


(だからこそ…………二度と関わりたくなかったであろう

筋トレを、俺がやりたいっていった時に、嫌な顔せず

持てる力の全てで俺を鍛えてくれたこと、凄く嬉し

かった。何より…………)


~回想~


「え…………? 俺に父さんの夢を追って欲しかった

訳じゃないのか??」


「そんなわけ無いだろう。俺は夢をとうの昔に

置き去りにしてきたんだ。今、お前に俺の全てを

教えているのはな、それがお前の夢を叶える最大の

武器になり得るからだ。俺に見せてくれよ、お前が

夢を叶えて胸を張った姿を」


「と…………父さん!!」


~回想終了~


「本当に俺の成長を望んでくれていること、それだけ

でも最高の父親なんだよ…………さて、プロテインと

BCAA補給してゲームに戻るか!」


隆二は補給するものを補給して、SAFの世界に戻った。


「おっ、ミュー。ここの初任務、どうだった?」


「いやー、全然お役立ちになれなくて、自分がいかに

ぬくぬくとしていたかが身に染みちゃったよ~」


ミューは先程まで副長、ジェルマンと共に実践練習を

していたようだ。


「まぁ、初日だしいきなり上手くはいかねぇさ。

これからこれから!」


「それはアレウスもだろう?」


副長ジャンヌに言われてしまった。


「そうそう、テンションが上がっても単独で

突っ走らないことね」


ジェルマンも付け加えた。


「あはははは、返す言葉もありませんね~~!」


「た、単独って…………何やっちゃったの??」


本来このゲームではあり得ない単語に、ミューは

困惑しながら聞き返した。


「役に立とうって思いが先走りして、モンスターの

群れに大技ぶちかましたら、技の勢いで裏ダンジョン

っていう魔境に踏み行ってしまったんだ」


「そしてあろうことか、S級パーティーでも手間取る

ようなモンスター相手に単独で腕試しを始めたんだよ。

全く…………」


「その節は大変ご迷惑をおかけしました」


「そして僕らに裏ダンジョンの扉を開く方法は無く、

救出したくても出来ない状況になったわけさ」


「そ、そんなことがあったんですね…………なんか色々

斜め上過ぎて、私には理解できません…………」


やはり初心者が犯す過ちとしては前代未聞過ぎた為か、

良くも悪くも常識的な見方をするミューは困惑を極めて

しまった。


「まぁ、その話は置いといて、アレウス。隊長が

お前を呼んでたぞ」


「どんな用事ですか?」


「S級クエストの補助を頼みたいそうだ。中身は

お前の大好きなモンスター討伐だぞ。冒険者ギルドの

前に来いとのことだ」


「っしゃあああっ! 燃えてきたぜ~~!!

行ってきます!!」


相変わらず熊を超えた速度で駆けていった。


「アレウス君、あんなに叫ぶんだ…………学校だと早々

あそこまで燃え上がらないのになぁ」


残された3人の内、ミューがこんな発言をするものだから


「「うっそ!?」」


リアルでアレウスと会ったことの無い2人は同時に驚いた。


『タァン!』

「お待たせしましたぁ!」


アレウスは何故か華麗に着地して、登場した。


「来たか。先ずはお前の転職が先だな」


レオナルドはアレウスが来た瞬間、次に取るべき

行動を指し示した。


「転職? ですか??」


「そうだ。聞けば先の任務でヒュジラを討伐した

そうじゃないか。盗賊のレベルは既にカンスト

しているだろう?」


「あっ、本当だ!」


流石はS級モンスター。下級jobなら一瞬で

カンストするらしい。


「レイルとマリリンも大きくレベルアップしたと

喜んでいたぞ。今度は戦士にでもなってみると良い。

斧裁きの基礎を教えよう」


「了解です!」


これはチャンスとばかりに戦士に転職し、斧も

レオナルドに見繕って貰った。


「なんかスゲェ斧ですね…………」


片手斧の厚み、そしてそのゴージャスさに

惚れ惚れとする。


「これくらい大してレアでは無い。行くぞ」


「へ?」


レオナルドは、冒険者ギルドではなく、フィールドの

方向へと向かった。


「なるほど、そのグレートシティという場所でなければ、

S級以上のクエストを受けることが出来ないんですね」


道中のモンスターを斧で倒しつつ、走りながら

会話をしている。


「そうだ。下がB級、上はSSS級まで存在する。

俺も後1つS級クエストを達成すれば、SS級に

到達できるのだが、丁度2人で潜るダンジョンの

クエストがあったので、お前を誘った」


「ありがたい限りですよ。でも、普段は複数人の

クエストをどうやってこなしてるんですか?」


「その辺の冒険者に声をかけて即興のチームを

作っている。腕が立つ者ならA級以下も十分に

役立つぞ」


「俺はまだC級ですけどね」


アレウスは笑いながら答えた。

そしてグレートシティの目前まで到着した。


「着いたぞ」

「デケェ!!」


グラス・コープとは比べ物にならないくらいの

規模だった。


「おい! そこの木偶! ちょっと(つら)貸せや」


なんかまた声をかけられた。

ブクマ、星5つを着けてくださるとやる気が上がります。感想やレビューも引き続きお待ちしています!


蛇足 VRゲーム週間29位、月間90位に上昇。

ありがとうございます!

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