世界最強のスクワッターを目指して
投稿しに来てビックリ! ブクマ130人超え、
総合ポイント500以上、ありがとうございマッスル!!
あと、先日はどなたか誤字報告をありがとうございました!
30話
「ふぅ、コンマ1秒振り抜くのが遅かったら、
HP空になっていたな」
アレウスは回復ポーション飲みながら、先程の動きを
考察した。
「アレウスーー! 無事かー?」
レイルが卵を抱えながら、こちらへと走ってきた。
マリリンも遅れてついてきている。
「何とか無事に倒せました」
「スッゴい耳が痛くなる音がしたから、何か
あったのかと思ったよ」
「あの音は、俺の三節棍が音速を超えた時に発生した
衝撃波です。普通に振り回しても今の技術力じゃ
ダメでしたが、関節を全て外したらアッサリと
超えてしまいました」
アレウスは左腕全体の関節をつけたり外したり
しながら説明した。
「…………なんと言うかもう、リアルフィジクスか
ノーマルかという問題じゃなくて」
「お前だからこそ思い付きそうな事だよな…………」
筋力が獣じみているだけなら、リアルの身体能力スゲーで
済む話だが、関節外しとなるといよいよ何かがおかしいと
言わざるを得ない。
「そうですかね? 何かの武術で関節外すのとか
あった気がしますけど」
「とはいえ、自傷ダメージとかヒドイだろうから、
あんま無理はするなよ」
「そうそう、逃げも一手よ!」
「それもそうですね、脚も速いわけですし。所で
折角ヒュジラ倒しましたし、ドロップアイテムを
山分けしましょうよ。あ、流石に俺からいただき
ますけど」
「おいおい、良いのかよ」
「あたしは残り物で良いわ。アレ君の次はあんたが
貰いなさい」
「……まぁ、あんだけありゃあ、おこぼれ程度
貰っても良いか」
レイルは地面を覆い尽くさんとするドロップアイテムを
見て、マリリンの言い分に納得した。
「うわ、ヒュジラ由来のアイテム、もう全部ポーチの
上限に達したし…………。あ、2人もどんどん拾って
くださーい! じゃねーと無駄に消えちまいますよー!」
このゲームのドロップアイテムは5分経てば全て
消えてしまう。したがって、今回の場合は無駄に
消すよりあまりを仲間に有効活用させた方が
良かったりするのだ。
~グラス・コープ目前~
「悪ぃな。荷物全て持たせるような真似しちまって」
並走しているレイルが卵を抱えたアレウスに声をかけた。
「気にしないでください。リアルじゃ少しでも筋肉を
維持するために、荷物持ちすら渋ることが多いので、
こんな風に筋肉で誰かを喜ばせれるのが嬉しいんです」
「アレ君は本当に有能なフィジカルだね!
レイルも少~しは見習うのよ」
「ああ、そうだな…………ってお前だけには言われる
筋合いねーわ!」
納得しかけたレイルだが、アレウスにおぶられている
だけのマリリンに言われたため、突っ込み気味に反論
した。
「何よ~、あたしだってスピードアップの補助魔法
かけたじゃん」
「けどいつだって走ってるのは俺とアレウスだ!」
「2人とも喧嘩はそこまでッス。町につきますよ」
「「もう着いた…………」」
規格外に速いアレウスと同行した場合、普段より
何倍も移動時間が短縮されるようだ。
「「「ただいまー!」」」
アジトに帰ったらお馴染みの挨拶を息ぴったしで行った。
「3人ともお帰り~。アレウス、バーベル出来たぞー!」
「マジか! 早速見せてくれ!!」
「うげぇぁぅぉう!?!? ア、アレ君…………
急に走らないで…………」
「あっ、すいません!」
マリリンを下ろすのを忘れたまま、クラフトの方へ
急発進・急制動をかけたため、おぶられていた
マリリンが乗り物酔いを起こした。
「ちょっ…………一旦抜ける…………」
大分吐き気が込み上げたらしく、VRセットが
緊急反応を起こし、マリリンの映像がボヤけた。
「う~ん、いつぞやの俺のように吐き気に反応して
シャットアウトしちゃったな」
「まぁ、気に病むことはねーよ。これでアイツも
いつまでも人の背に乗ったら駄目なことを学べた
訳だ」
レイルがその通りのような実はそうでもないような、
実に境界線上なフォローを入れた。
「だと良いけどね~……」
クラフトも微妙な返事しか返せない。
「プアッ、何とか収まった…………アレ君、ずっと乗っててごめんね。これからは町についたら降りるよ」
降りながら反省の言葉を述べる。どうやら
レイルのフォローは的確だったらしい。
「いえ、こちらこそ乗せていることをすっかり
忘れてました。何分軽いゆえ……」
「随分嬉しいこと言ってくれるわね」
嬉しそうな表情で返した。
「今の言葉、俺とかが言っても「嘘つけ」の
一言で一蹴されるだろうなぁ」
「当たり前じゃない」
レイルの言葉に表情1つ変えず、自然な声色で返した。
「よし、じゃあアレウスの部屋に行こう!」
部屋を移動し、クラフトは村を開拓するゲームの
アイテムを取り出す要領で、バーベルセットを
取り出した。
「おおっ! これぞまさしく俺の求めた
ワークアウトセット!!」
「「ワークアウト?」」
何となくついてきたレイル達が口を揃えて聞く。
「海外の筋トレの呼び方ですよ」
「トレーニングは海外だと、調教に近い意味だったよね」
「そうなんだよ」
テキパキとセットを組み立てながら、話し合う。
「出来た。取り敢えずスクワットを試してみるかな」
ベンチプレスは一昨日行い、デッドリフトは裏股が
未だ筋肉痛なので、消去法でスクワットを行うことにした。
「何キロにする?」
「無難に300キロだな」
「「さ、300キロ!?」」
「ええ、日本記録です。俺は現在のサブジュニアの
世界記録、330キロを超えるのが目標です」
「そ、壮大だな…………」
「獣の俊足が垣間見えたわ…………」
「ま、日本記録も正式に計った訳じゃなく、
減量前に自分で計っただけですけどね」
そうこう言いつつ、既に100キロ分重りをつけ終えた。
「大変そうだな、俺も手伝うぜ」
「アザッス。そちらに50キロ1枚、20キロ2枚と
5キロのストッパーをお願いします」
「あいよ」
ここまで重いとセットにも一苦労だ。
「さぁーてと…………ちょいと皆さんにお願いが
ありまして、俺のHPゲージが減らないか見ていて
ください」
「構わんが…………」
「なんで?」
「HPが減るということは、フォームが悪くて体を
痛めていると言うことです」
そう言いつつ軽々と300キロを両肩に担いだ。
「……微妙に減ってるね」
「サンキュー」
クラフトに礼を言いつつ、バーベルを乗せる位置を
微調整すると、HPの減少は収まった。
「つまり、この位置が最適解だということだ」
300キロであれど、骨への負担が殆ど無いと
いうことだ。そしてそのままゆっくりと下降し、
遅めとはいえ、加速しながら上昇した。
「うし、少なくとも300キロは行けるな。
レイルさん、次はそちらに10キロプレートを
1枚追加してください」
「大丈夫か?」
これで320キロになった。
「ふしゅぅぅぅううう…………ぬおおおおおっ!!!!」
前半、殆ど加速出来なかったが、2秒後に、
どうにか加速して持ち上げれた。
「素の俺だとここまでがポテンシャルっぽいな。
だーが、まだ行けるぜ。もう10キロお願いします」
合計…………340キロ!!
「ほ、本当に平気なんだよな…………」
「秘作があります」
その秘作とは…………
「ねぇ、私たちって何見てるの…………」
「さぁな…………けど、アイツの今後は怪我で死ぬか、
栄光を手にするかの2択なのは間違いねぇ」
そこには、HPゲージの減りもなく、340キロのバーベル
を何往復も上げ下げしているアレウスが居た。
「よっし! 絶対に死なない環境で、最高のフォーム、
ゲットだぜぇ!!」
ブクマ、星5つを着けてくださるとやる気が上がります。
感想やレビューも引き続き、お待ちしています!
今後は精度向上を計り、1日1話投稿で安定します。
・蛇足 現時点(2020/10/20 14時)のVRランキング記録
(日間15位、週間30位、月間92位)
お陰さまで急成長出来ました!今後ともユニークかつ、
支離滅裂に突き進んでいくのでよろしくお願いします!




