VとRを混同した中二病ペア
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あーりがとーうございますっ!
今話ともう1話が学園パートになる予定です。
25話
「ふー、相変わらず濃い1日だったぜ」
アレウス。もとい、金子隆二少年は、VRゲームSAFの
電源を切り、片付け始めた。
「出しっぱにしてると母さんにどやされちまう」
時々母が部屋を覗くことがあるので、怒られない程度に
荷物を片付けた。
「そーいや骨を鍛えるんだったな。筋肉もだけど、
今日は肉離れするほど速く走ったから、脚の骨肉は
十分鍛えたということにしよう。となると牛乳を
飲まねぇとな!」
台所へ向かい、牛乳とプロテインシェイカーを取り出した。
「牛乳400mlにプロテインをスプーン6杯。
こいつを混ぜてぇ~」
常人の2倍の速度でシェイクする。
「そして飲む!…………うん、最高だぜ!」
牛乳、プロテイン双方の自然な甘味がブレンドされ、
上品な粉ミルクのような味が口中に広がった。
「ご馳走さまっと。こいつは洗って、もう一つに
朝の分をセットするか」
片方は夜飲むため、もう片方は朝昼に飲むために
使っているようだ。
「水よし、プロテインよし、歯磨きよし。寝るか」
濃密な2日目はようやく終わりを迎えた。
次の朝
「…………カタボリック防止じゃあ!!」
意識が覚醒すると同時に、超スピードで
プロテインシェイカーに水を注ぐ。
「ゴクゴクゴクッ!うし、完了!」
まだ脚の筋肉痛が引かないので、今回の
朝ウォーミングアップは50キロのバーベルで
クリーン&ジャークの内、ジャークのみ行った。
「よーし、朝飯の準備だぜ」
早々に料理を作り終え、のんびりと食べた。
「じゃ、行ってきます!」
「もう行くの?」
あまりにも登校時間が早かったので、
母が聞いてきた。
「うん、のんびりと向かいたいから、これくらいの
時間が丁度良いんだ」
「そう、行ってらっしゃい」
そして学校に着いた。
「さーて、残っていた社会の宿題をやってと…………」
あまり気が進まない科目なので、終わらせるまでに
30分もかかった。
「そしてこのタイミングで国語を出す」
そう、親友のクラフトもとい、道先拓人が
来たタイミングだ。
「おはようアレウス」
「おはようクラフト」
自然な流れでユーザーネームを呼び合い、
挨拶を交わした。
「「…………」」
次の瞬間には、恥ずかしさのあまり赤面しながら、
周囲を見渡す事になったのだが。
「ははっ、俺たち」
「ゲームのし過ぎだね」
そして流れるように拓人による国語の解説が始まった。
「うん、完璧だね」
「いつも助かるぜ。所でさぁ、1つ
気になっていたことがあったんだ」
「気になっていたこと?」
「ああ、SAFのギルドメンバーについてだが」
隆二は少し複雑そうな顔になって話し始めた。
「流石お前が選んだギルドなだけあって、メンバーの
皆さんも優しくて良かったと思っている」
「そりゃあ、俺が頭の悪いクズ達のギルドに
所属する理由は無いからね」
「だけど、その~……ギルドの皆さんってあたかも
本当にゲームや漫画の登場人物みたいな振る舞いを
しているけど…………あれってSAFのユーザー全員が
あんな感じなのか?」
隆二的にはそれならそれで楽しいから良いのだが、
普通顔も知らない他人同士だと敬語で話し合うと
いう固定観念があるため、なんかムズ痒いようだ。
「…………うん、なる程。言いたいことは大体分かったよ。
何で皆がやたらフランクかって話だよね。確かに俺が
入団した頃は、皆敬語だったよ」
「そうなんだ」
「だけど、入団してから2週間後位にマリリンさんが
レイルさんに敬語を使わなくなったんだ」
「あの人らしいと言えばらしいね」
「その上、レオナルド隊長やジャンヌ副長の事を
今の隊長、副長呼びもし始めたんだ」
「あの2人の呼び方はこの時始まったんだな~」
感慨深そうに聞いている。
「俺やジェルマンさんの事もあだ名で呼び出し、
次第に他の皆もそんな感じでかかわり合うように
なっていったんだ」
「本当にフランクなだけだったんだな。非常識
じゃなくて良かったぜ」
「…………いや、一点だけ非常識だな」
「と言うのは?」
「年を考えると非常識なレベルで…………中二病な点だ。
隊長、副長、俺を含む全員が例外無くな」
「……………………」
「……………………」
しばらく時が流れ……………………
「なんだ、何一つ問題ねぇな! 皆中二病なら
大歓迎だぜっ!」
本人も中二病な金子隆二にとっては寧ろ最高の環境で
あることが判明したのだ。
「隆二も慣れたら敬語を崩して話せば良いと思うよ。
まぁ、さすがに隊長には敬語の方が良さそうだけど」
「確かにな、隊長はリアルでも只者じゃねぇ感じがするぜ」
「うん、俺的には隊長は何処かの企業の社長クラスの
人だと踏んでいるよ」
「そうか。俺はどこぞの国で特殊部隊や最高練度の
傭兵部隊に所属していたと踏んでるぜ。何せ俺を
初めて負かす程の強者だからな! だっはっは!」
「いや…………流石にゲームを極めているだけだと
思うよ…………? ところで、昨日俺に相談したい
ことがあるって言っていたよね」
隆二がいつまでも話題を振ってこなかったので、
拓人の方から聞いてきた。
「あっ、忘れてた! そうそう、相談したいことって
言うのは、的場さんについてだよ」
「的場さん……あー、弓道部の人だね。最近
逃げられてるらしいね」
「そうなんだ。俺が何かしたわけでもなしに、
身に覚えが無いんだよなぁ。ほら、今も扉の
影からこっち見てる」
右半身だけ扉から出し、こちらを見ている。
「隠れるの下手なのかな? う~ん、もしかしたら
隆二の事好きなんじゃね? 例えば昨日の50m走で
惚れたとかさ」
「絶対ねーわ。柔道の練習しに弓道場を
通ろうとしたら、弓ぶっぱなして逃げたん
だぞ。俺じゃなきゃ避けられずに死んでたぜ」
「さっきのは冗談だけど、本当に怯えられてるね」
「で、ここからが重要だ。昨日SAFでギルドメンバー
全員でクエストを受けに行ったじゃん」
「ん、ああそうだな」
急に部隊がSAFに移ったので、拓人は一瞬混乱した。
「その時ピンク髪のアーチャーが俺を見て逃げたじゃん」
「あー、確かリアルフィジクスモードを遊んでいた
せいで襲われたのを返り討ちにしたって言う…………」
「そう。俺を恐れて逃げた。まるで」
「的場さんのように…………じゃあ、あの子って」
「的場さんだ。恐らくな」
「…………確か、的場さんに怯えられ始めたのって、
体育の後の掃除の時間だったよね」
「そうだぜ」
「きっと体育の時、君の走るフォームを見て、
アレウスに返り討ちされた時の事がフラッシュ
バックしたんだよ」
「だからってリアルでも弓ぶっぱなす事ねーだろ
…………ひたすらに俺が被害者だな」
そう言って、隆二は立ち上がった。
「話しかけても逃げると思うよ」
「いや、逃げても逃がさねぇぜ」
そう言って、的場の方へと向かった。
「おはよー、的場さん」
「ヒィイィィイイッ!?!?」
接近と同時に声をかけられたことで、男子の
全力並みの速さで逃走を開始した。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!」
彼女には死神の足音が聞こえているのだろう。
顔が本当に普段の可憐さを失っている。
「よっと」
「きゃああっ!」
何故か上から隆二が降り立ったので、
見事なターンで切り返した。
「遅いよー」
「ピギャアアッ!?」
いつの間にか回り込まれており、謎の奇声を上げた。
「ほらほらどうした? 俺から逃げおおせるんじゃ
無かったのか?」
「あわわわわわ…………」
周囲をあり得ない速度でグルグル回られたため、
次第に壁際まで追い詰められていき…………
『ドゥン!』
壁ドンで逃げ場を封じられた。
「よーし、それじゃあお話ししようね」
満面の笑みで話し合いを進言された。
(腕がデカ過ぎる。肩がデカ過ぎる。胸がデカ過ぎる。
脚もデカ過ぎる。あそこもデカいと思う。多分)
的場さんは完全に錯乱しており、まともに会話が
出来そうにないが、果たして!?
ブクマ、星5つを、着けてくださるとやる気が上がります。感想やレビューもお待ちしています!




