古今混在・鳥豚定食
明日か明後日も投稿します。
307話
「ヘィ! ラッシャッッセェーーー!!」
隆二、拓人は、手抜き発音で快活な歓迎を受けた。
「元気の良さを褒めれば良いのか、ちゃんと挨拶
しろやって怒れば良いのか、わっかんねーなぁ!」
店員の発音に対し、隆二は率直な感想を述べた。
そして、
「それはさておき、確認の合言葉言うぞ~。メカ」
「家畜!」
「クロスベンチダンベルプルオーバァーーーーー
!!!!」
拓人の合言葉を皮切りに、店員、隆二としりとりの
ように繋げていった。
「これで確認できたな!」
「ああ、トリトンこと、羽鳥豬雄だ!」
「俺はアレウスこと、筋肉の隆二! こっちはクラフト
こと、頭脳のクラフトだ」
「よろしくな」
「ああ、早速食うか? お代は頂くけど」
「おう、俺は食うぜ。拓人は?」
「俺も食う。ちゃんとレビューとかでマトモな定食屋
だって調べてあるからな」
拓人らしい根拠で、食事の意思を伝えた。
「抜け目ねーなぁー。そういうことで、お客さん
だぜ~、親父ー!」
「おう、好きなとこに座りな!」
「「お邪魔しまーす」」
2人が定食屋に入ると…………、
「うおおおおお!?」
「ま、満点の星空じゃないか!」
内装に、薄紫の壁と天井、グレーのクレーター
付きの床が作られており、壁にはシールで、天井
には吊り下げ式で、星が散りばめられていた。
「メインの照明が太陽だな」
「ああ、イメージはダイモスの表面だ」
「成程、だからサブ照明の1つが赤いんだな」
「火星か!」
「そゆことー。俺も一緒にお客さんするから、手ぇ
抜かずに作ってくれよー」
「ったりめーだ。お二人さんは、コイツに構わず、
じっくり決めてくれよ」
「「はーい」」
3人揃ってメニュー表を見始める。
「豚カツ定食、鶏ガラスープ、親子丼…………」
「ホタテ汁、秘伝・蛇酒、やさしい甘さのコンペートウ
…………って、SAFで使ってるネタ、定食メニューかよ!?」
「ご名答! 海神の逸品もそうだなー」
「"会心"と掛けてるんだな」
「てか、蛇酒より高いんだ…………」
「フグ料理故に、こればかりは仕方ねぇ」
「親父はフグ免許持ってるんだぜ~。スゲーだろー!」
「ああ、親父さんはスゲーと思うぜ!」
「お前じゃなくて、親父さんな!」
「態々強調しなくても分かってるわぁ!」
「ったく豬雄、オメーもルーツーボーたが何だか
知らねぇけどよ、やるからには、徹底的にデカく
なれよぉ!」
「ルーチューバーな! 当たり前だ! 俺はピカリンさん
をも超える、頂点に立つ男だぜ!」
SAFでトリトンをしている時並みに、胸を張って
自慢げに主張した。
「まぁ、どうせ目標を立てるなら、大きい方がやる気
でるよなー」
「俺もいつか、嘗てのシュワちゃんみてぇに伝説の
ボディビルダーになってやるぜ」
父親に教えて貰った偉人を思い浮かべ、自らが彼を
圧倒的に超えた筋量を誇るイメージを浮かべた。
「んで、オメェらメニューは決まったか?」
「あ、俺は豚カツ定食で」
「俺は親子丼とホタテ汁だ!」
「俺は、鶏ガラスープにステイク・ton、それと
やさしい甘さのコンペートウで!」
「ハッハッハ! ハブ酒を頼まねぇとは、良い子達だ!
すーぐに作ってやるぜぇ」
そういって、マスターは調理を始めた。
「あー、確かに悪ガキだったら、ハブ酒が気になって
注文するなー」
隆二はハブ酒が気になりだしたようだ。
「いや…………九州以北の人間は大抵、挑戦すら躊躇
すると思うぜ…………」
一方、拓人は見慣れぬお酒だから、普通は避けると
主張した。
「チッチッチ、拓人君。それじゃあ全くモテねぇぜ。
男は挑戦あるのみだ! そんなんじゃ、イシュちゃん
は俺様が奪い去っちゃうぜ~」
豬雄が、徐に拓人を挑発した。
「何ぃ? 豬雄、お前だけには彼女は奪わせねぇぞ
それにお前、その様子じゃ学校だと、陰キャに分類
されてるだろ」
「なっ! テメェこそド陰キャだろ! 性格が女子受け
するわけねぇんだよ!」
「何ぃ! お前だってどうせ男友達と女友達の比率が
10 : 0だろ!!」
「さっきから聞いてりゃ、何で俺の事情を百発百中で
当てやがるんだ! さてはお前、エスパー系陰キャだな!?」
「エスパーとは失礼な! せめて心理学系って呼べ!」
「テメーら落ち着け。周りに迷惑だぞ」
「「!!、お騒がせして失礼しましたっ!」」
頃合いを見て、隆二が諌めたことで、2人は周囲の
客に謝罪をした。
「ピッタリじゃねーか。これぞ運命の出会いってか?」
「「チゲーわボケぇ!」」
「こりゃ確定だな」
その後の否定も一息のズレもなかった為、隆二の
中で、2人が運命の出会いであることが確定した。
(ったく、コイツの打ち解け力は、親の俺でも脱帽する
ぜ…………)
その様子を見たマスターは、息子の能力に内心で
感心していた。1分程が経ち、
「お待ち! 豚カツ定食に親子丼とホタテ汁、鶏ガラスープだ。ステイク・tonは1分程待ってくれな」
「ウッス!」
料理が運ばれてきた。
「「「いただきまーす!!」」」
3人揃って挨拶をし、ボリューミーかつジューシー
な料理に舌鼓を鳴らす。
「ステイク・tonお待ちぃ! デザートは食い終わったら
出すぜ」
「来た! 俺のプロテイン!」
メインの豚ステーキが現れると、隆二の食事ペース
は加速。2人の倍以上の速度で完食した。
「「「ご馳走さまでしたー!」」」
「まいど。2階で遊ぶのは構わんが、騒ぎすぎねぇ
ようにな!」
「「「ウッス!」」」
完食後、3人にとってのメインに取りかかった。
「見やがれ! これが、俺の撮影環境だーー!!」
「「おおーーーーー!!」」
高性能カメラ、高性能マイク、照明、反射板、脚立、
小物用ドローン、支え棒、グリーンシートが置かれて
いた。
そして、
「このパソコンで編集するんだな」
「おう! 文字テロップやカット・張り付け、音響に
エフェクト、そしてエッチな部分を簿かすモザイク
まで、これ1台で出来ちゃうぜ!」
「いやー、センチュリー革命の主導者、パソコンは
格が違いますなー。てか、男だけでエッチな動画作る
の? 流石におぞまし過ぎだろ」
「隆二、流石に冗談で言ってるって」
「全く、隆二は隆二で変わった所があるよなー。
まぁ、動画配信者的に見れば、1つの才能とも
言えなくもないけど」
「確かに、隆二はピカリンさんにも、お墨付きを
貰ってたしなー」
「そうだよ! お前らのコネでピカリンさんに
会わせてくれよ! 頼むぜ~~!」
「そーいや憧れてたっけ? まぁ、次にコーナーの撮影
がある時に、それとなくコラボ出来るか聞いとくわ」
「お前がコラボするとなると…………、俺がお前に
ジャーマンスープレックス仕掛けて、お前の頭頂部
のトゲを、ピカリンさんにブッ刺す的な茶番が行われ
そうだな!」
「いや、だから発想が突飛すぎなんだよ!」
「ピカリンさん、しょっちゅう投げ飛ばされてる
からなぁ…………」
「SAFだから出来る芸当。俺もピカリンさんには学ば
されてばかりだぜ」
「…………本人たっての企画進行だったのか。トップは
考えることが違うな~~~~…………」
トリトンは、頂点の者が持ち、自身に無いものを
垣間見た気がした。
「あ、SAF寝袋じゃん」
「そうそう、前から気になっていたけど、SAFって
仮想現実だから、現実とは別世界じゃん? どうやって
撮影機材とかの環境を整えたの?」
隆二は、疑問に思ったことを聞いた。
「チッチッチ、世界が別なら、機材も別で揃えれば
いい。SAFの機材は、SAF内のショップで揃えたぜ!」
「って事は、現実で機材が揃えなくても、SAFでなら
ジュエルを消費して、手軽に揃えれるんだな!」
「ザッツラーイト! 現実でシャイな陰キャ君も、SAF
でならアバターの姿を借り、機材をすぐに揃えて
ルーチューバー・オブ・Vになれるのさっ!」
「ああ! 確かにSAFだとアバターの姿を借りてるから、
Vチューバーに分類されるな!」
「そして、シャイな陰キャ君も、SAFで自信を付ければ、
現実ーチューバーに覚醒出来るってわけか!」
「拓人マジエスパーだぜ…………」
「心理学マニアって言ってくれ」
「(一般人視点だと、どっちも変わらなくね?)何にせよ、
折角豬雄少年はチャレンジしようとしてるんだ。SAF
縁者として、お手伝いをしてやろーぜ」
「そうだな! どうせテスト撮影すらしてねーんだろ?
俺達と撮影しようぜ」
「ああ、マジで助かる! 早速やろう!」
こうして、『魔王VS脳筋勇者』の題目で、撮影が
始まった。
「俺達ぃ!」
「3人ん!」
「揃えばぁ!」
「陰キャトーーリオ!!」
最後までご覧くださりありがとうございます。
評価ポイント1300pt達成! 感謝です!!




