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ワンランク無双

SPLについて


ノーマルモード : 魔法防御、MP消費量微減に影響する。

魔法は遠距離から飛来することが多いため、遠距離攻撃

jobは高いことが望ましい。


リアルフィジクスモード : 精神力、集中力がSPLと

相関関係がある。このモードの場合、能力値がjobと

関係なく付くので、近接物理系でも高いことが多い。

アレウスは、精神力はやや低いが、短時間の集中力が

ずば抜けて高いので、近接物理系として見たらわりと

優秀。

VR21話


「総額約100万ジュエルか。俺が居ない2ヶ月間、

良く集めてくれたな」


アレウスを除く5名は嬉しそうな表情になった。


「さて、アレウスよ。ギルドではこのように努力目標を

設定し、各々が達成を目指すように心がけている。当然、

努力目標は遂行者の成長を促さねば意味が無い。

お前は…………どんな強さを求めている?」


強さ。一言で表せるこの要素だが、細かく見れば

実に様々な種類がある。


「俺は…………やっぱり物理攻撃力と速度に特化した、

最強最速が向いていると思います。目標を課される

なら、是非ともこれらの能力を向上させたいですね」


「そうか。ならば、2ヶ月の間に初級jobを全てと、

中級jobを5つ程マスターしつつ、クエストをこなして

A級冒険者にランクアップするのだ」


「うぉ…………キツいな」


レイルがつい感情を漏らした。彼は現在3つの

中級jobを進めているのだが、どれも上限レベルの

20に到達していない。


「分かりました。モンスターを狩りまくって強くなり、

ガッポガッポ儲けます!」


しっかりと最終的にはギルドを儲けさせてほしいという

レオナルドの意図を組んだ返事を返した。


「では、レイル、マリリン、ジェルマンは……」


全員にそれぞれの任務が通達された。そして

行き着く先も全員…………


「あはは! 何だか遠足に行くみたいだねー」

「こうして全員で肩を並べて歩くのはいつぶりだろうな」

「今はアレウスも加入しているから、新たな門出を

祝うのに最高のタイミングですね」

「なんつーか、加入して早々皆さんと歩けるというのは、

珍しく運か良い感じがしますねー」

「アレウス君は自分の運に自信が無い派なのか」

「ジェルマンはLUCにもかなり振っているからなぁ。

リアルラックがどうなのかは知らねーけど」

「フッ、楽しい町内観光もここまでのようだな」


眼前には冒険者ギルドの門。冒険者である

アグロフラッシュ一行が立ち止まる理由はなく、

そのままの歩調で入っていった。


「ひっ、いやあぁぁああーーーー!!」


入って早々、対面に立っていたピンク色

ストレートヘアーの女性アーチャーが

全速力で逃げ出した。


「何だ?」


レイルは訳が分からず首を傾げる。


「隊長! きっと隊長の威厳オーラが怖くて

逃げ出したんですよ。表情柔らかく過ごしましょー」

「やれやれ、どうにも俺は怖がられがちだな…………」


どうやらレオナルドは、実力派として有名であるため

人気がある一方、今みたいに畏怖されることも多々

あるようだ。


「あれ? でも今の子、隊長を見て怯えた

というよりは、別の方向の何かに驚いた

ような感じだったよ」


ジェルマンが違和感について指摘する。


「ええ、恐らく彼女は俺に怯えた筈です。何せ、

昨日返り討ちにした、迷惑ユーザー共の中に

彼女が紛れてましたから」


「…………にしても怯えられすぎだと思うが」


ジャンヌが怯えの度合いについて指摘する。


「う~ん、散々矢を放ったくせして、女だから

暴力は無しだって言ってきたから、現実では

絶対殴らないよって言いながら、渾身のボディ

ブローでぶっ飛ばしたのが悪かったのかなぁ?」


「アレ君やっるぅ~~♪」


「まあ、それは彼女の自業自得であろう」


マリリンが茶化し、レオナルドは相手側の

自業自得と断じた。


「あ、クラフト。ちょっと良いか?」


「どうした? アレウス」


「今、あることに気付いたんだけど、明日

学校でそれについて相談させてほしい」


「分かったよ」


逃げた彼女の動き方を見て、とある者と重なったのだ。


「さて、俺とレイルとマリリンは単独、残り4人は

4人専用ダンジョンの攻略だったな」


「現場指揮は任せてくれ」


「さてと、クエストを受けたら僕はヒットマンに

ならなきゃね」


普段、錬金術士を担当しているジェルマンは、

戦闘時はヒットマンとして活躍している。

状況に応じたjobチェンジと言うわけだ。


「さて、今回行くところは火山地帯のダンジョンだ。

バーンケアポーションとクーラーポーションを

忘れるなよ」


と言うことで、買い物に来た。


「へぇ、色々と味があるんですねぇ」


豚ステーキ味、ピーマン味、カボチャ味、

バニラアイス味、枝豆味、コーラ味…………

同種のポーションでも、多種多様の味付けが

してあった。


「では、バーンケアポーションとクーラーポーションを、

豚ステーキ味と、ソフトアイス味半々になるように、

持てるだけください」


通常、冒険者は1アイテム30個まで保有できる。

つまり、今回は一種のポーションにつき、

豚ステーキ味と、ソフトアイス味を15個ずつ

持つということだ。


「まいどあり~」


こうして準備が整ったので、火山地帯へ足を運んだ。


「ヒートドレインシールド!」


クラフトが、自作の特殊盾を用いて炎系の攻撃を

1手に吸収している。擬似的なタンクの役割だ。


「行くぞ、アレウス!」

「はい!」


アレウスは空中へ跳躍し、ジャンヌは大地を駆ける。


「纏めて、叩き斬る!!」


ジャンヌは豪快に大剣を振り抜き、クラフトに

群がるモンスター達を一掃した。


「ドリルストライク!!」

「二丁あがり」


1つの砲撃音と、2つの銃撃音が同時に聞こえて

きた。1つ目の音は、砲撃ではなくアレウスが

籠手でヒートゴーレムの首をへし折った音。2つの

銃撃音は、ジェルマンがジャンヌの切り漏らした

モンスターを拳銃で狙撃した音だった。


「フッ、相変わらず急所を1発で仕留めるのだな」


「伊達にTECを割り振ってはいませんからねぇ」


普段の優しさ溢れるジェルマンの姿はそこにはなく、

ヒットマンとして自信に満ち溢れた姿があった。


「もうそろそろ目的のダンジョンに付きそうです」


今回はジャンヌが受注したB級クエストを、

助っ人参戦の形で残り3人が協力している形と

なっている。普通なら、1ランク下の者は

助っ人所か足手まといになりそうなものだが…………


「ヒートゴーレムの群れか。拳だけは絶対回避だぞ!」


ジャンヌはヒートゴーレムが振り下ろした拳を

回避し、腕を足場に頭に目掛けて大剣を打ち下ろした。


「クラフト君、左の奴を転ばせるよ」


威力の高い銃に持ち替え、ヒートゴーレムの軸足を

撃ち抜く事で、転ばせた。


「高電圧を流しまくるぜっ!」


これまた自作のパルチザンでヒートゴーレムの頭を

突き刺し、高圧電流を流して倒した。


「うおおおおっ! 俺は古代のケツァルコアトルス~

~!!!」


アレウスに至っては、跳躍から籠手の一撃で

ヒートゴーレムの頭を砕いては、その屍を

蹴って次のヒートゴーレムの頭を砕くという、

派手な立ち回りで蹂躙している。


「マジレスすると、ケツァルコアトルスは

多分洞窟に住んでなかったと思うよ」


学業最強のクラフトは、翼竜の特徴からわざわざ洞窟に

住まないと考えているらしい。


「まぁ、良いじゃねーか!」


C級の3人も含め、余裕でヒートゴーレムの集団を

壊滅させた4人が勝利の笑みを浮かべていた。

ブックマーク、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!

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