ビルダーとガードの白熱ボディバトル
もう…………ギャグなのか、シリアスなのか…………(笑)
10/19(火) メッチャ放置してすいません!!
ここのところクソ忙しくなったので、更新が
途絶えていました。日付が変わる頃に更新します。
今後継続不能と判断したときは、活動報告に
1~2月の休載を報告します。
212話
「こ、これって…………令嬢のお屋敷っていう建物
だよね…………」
「おうよ、この門デッケェ~~…………全速力タックル
でも、派手には吹き飛ばせなさそうだぞ。コレ」
「隆二、ゲームのみとはいえ、友達の家に物騒な想像を
するのは良くないぞ。…………とはいえ、イシュタルは
本当にすごい大富豪の娘なんだな…………」
現在3人は、SAFで仲良くなった、イシュタルの
名前をユーザー設定している人物の家の前にいる。
しかし、想像を絶する資産家ぶりに、庶民の彼らは
面食らっているのだ。
「お、あれがインターホンだな」
隆二は、見つけるのにも一苦労なインターホンを
発見し、スイッチを押そうとした。
その時だった!
「ぬぅん!!」
「あ"!?」
SPを思わせる全身黒ずくめの男が、隆二の頭に鋭い
横蹴りを放ってきたのだ。隆二は触覚と気配で男の姿を
認知していたので、身を屈めて回避は出来たものの、
男の予想外の行動に、怒りが沸いた。
「こちらガスト、暴食隊の特攻隊長を仕留め損なった」
『了解、足止めを頼む』
「あんた、この屋敷のガードマンか? 令嬢の友人
相手に随分な歓迎だなァ、オィ」
冷静に増援要請を行うガストに、隆二もこれまた
冷静な威圧を行った。
「喜んで貰えたようで何より、だが、俺としては
ヤクザもののお前ともあろうものが、高校生の
振りをしたことに失望したな」
「ヤクザだぁ? ったく、あの娘のボディガードとも
あろうものが、どうしてこんな失礼なんだよ…………」
どうも、ガストは3人…………とりわけ隆二の事を
ヤクザと勘違いして襲撃したらしく、隆二も隆二で、
ガストがイシュタルのガードマンの癖に無礼だと
解釈をしている。
「貴様ごときが…………あの方を気安く語るなぁ!!」
自身が慕う令嬢を侮辱されたと勘違いし、ガストは
激昂。両腕にそれぞれ、電気の走る片手剣、赤熱する
棒を構え、隆二の方へと走り出した。
「キャアアッ!!」
「なっ…………!?」
恐ろしいその姿に、美優は恐怖で周りが見えなくなり、
拓人も動揺で思考停止してしまった。
「おおおおおおっっっ!!!!」
(チッ、どっちも触ったら即死だから、武器破壊出来ねぇ
じゃねーか)
隆二はギリギリまでガストを引き込みつつ、彼の持つ
武器の危険性をいち早く察した。
(ま、奴さんもボディガードなんだし、殺られる覚悟
くらいあるだろ)
「がはあっっっ!!?」
片手剣の初撃を大きく左に避けつつ、ガストが
振り向く前に背後に周り、四足移動に移行しつつ、
足元に潜り込んで低い姿勢からの右ストレートを
鳩尾に叩き込んだ。
「ゲホォッッ!! ゴホオッッッ!!!」
1月程、大きな痣が残り、且つ、大きく吐血する程の
一撃を、死角から食らったことで、ガストは武器を
手に取り、反撃に出ることすらままならなくなった。
「…………はっ!(増援が来る!)逃げるぞ、隆二!」
我に帰った拓人は、増援の襲来を思いだし、隆二に
逃走を指示した。
「いいや、もっとシンプルな解決策があるぜ」
「うわっ!?」
「ヒィイィィ!!」
隆二は相変わらず人間の反応速度を超えたスピードで、
2人を担ぎ上げると、その速度のまま門を飛び越えて、
屋敷の敷居に侵入した。
「グオオ…………っしまった!!」
地に這いつくばっていたガストも、隆二達の侵入に、
顔を青ざめる。
「(…………え、マジ??)、ちょっと別行動だ!」
「「ヘブゥオゥウ!!?」」
ガストが放った僅かな殺気、そして庭の"置物"から
発する常軌を逸した殺気を感じたことで、隆二は2人を
空高く放り投げ、自らは反作用で一瞬にして地面に
降り立った。
『『『『ズダダダダダダダ!!!』』』』
『『ピュンピュンピュンピュン!!』』
『『ドゥン!! ドゥン!!』』
「ザッッヅッッけんッッじゃねエ"エ"エ"ーーーーぞ
ゴルゥアアアアアア!!!!!」
降り立った瞬間、卑しきネズミを骨まで消し飛ばす
防衛設備の数々が作動し、隆二はいきなりリミッター
フル解除で神速を発揮し始めた。
(逃げてるだけじゃ、あそこまでは行けねぇ!!)
既に四足走行に切り替えた隆二は、最高速度の
チーターでも生きて突っ切れない殺戮兵器ラッシュを、
駆動音や振動、そして殺気を元に紙一重で回避し続けた。
それだけでなく、落ちている石を幾つも拾い、
マシンガンに接近することに成功した時は、石で
殴って破壊しつつ、残骸を回収した。
(あれとあれとあれとあれとあれを壊す!!!)
そして、攻撃の隙間に身を置くことに成功した瞬間
「おんどりゃあああああ!!!!」
限りなく音速に近い速度の投擲を繰り出し、石を
ぶつけることで、対空レーザー装置を機能不全に
陥らせた。
「とどめの3発!!!」
そして、マシンガンの残骸3つを投擲し、目的地へ
向かうのに邪魔だった装置3つを破壊。爆音が鳴り響く
中、先程の投擲の合間に放った蹴り2発で土塊を飛ばし、
毒ガス発生装置と催涙ガス発生装置の噴出口を可能な限り
塞ぎ、ガス放出効率を激減させた。
「ラストスパート!! 根性の出しどころだぜぇ!!」
ひとしきり準備が完了したところで、目的地へと
ジグザグに向かい始めた。
「ヒャアアアアアッッ!! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
ーーー!! 隆二お願いィィーーーーーー!!!」
「ムガモガムガモガムガモガ!!」
拓人を抱き締めながら、そして叫びながら落下する
美優。彼女の胸と腕に顔を挟まれている拓人も、普段
なら鼻血を出す程喜びそうな状況だが、それ以上に
見えない恐怖を訴えることで精一杯なようだ。
「またせた!!」
ここまで約6秒。隆二は毒ガス装置から十分な
距離を取れたタイミングで大きく息を吸いつつ、
2人のキャッチと窓の蹴破りを同時に行った。
膝関節を外して超加速した踵落としだったので、
強化ガラスも方解石のように塵となって砕けた。
「うおおおおおおおお!!!」
「「「!!?」」」
室内のガードマン達も、壁を横走りする隆二に一瞬
思考が止まり、その隙にもれなく転ばされ、しばらく
動けなくさせられた。
「ゼエッ…………どこだ…………イシュタル」
メイドやバトラーが闊歩するエリアに差し掛かり、
彼らに紛れながらイシュタルの場所を感覚で探る。
「…………と…………す……!?」
「おっ、聞こえたぜぇ!! そこだぁ!!」
SAFで聞き馴染みのある声を聞き取り、拓人達を
最小限の衝撃で置きつつ大跳躍、強力無比な最上段
蹴りで天井を穿ち抜いたのだった。
~2分後・令嬢の部屋~
「!?」
「お嬢様ァァアアア!!!」
守るべき令嬢の側に、排除対象が居座る様を見て、
侵入者を探索していたボディガード2人は、青ざめ
ながら駆け出した。
「止まりなさい!」
「「!?」」
「そして…………武器を置いて下さい!!」
「ゼエッ! ゼエッ! ゼエッ!!!」
「いーや、イシュタルの屋敷、どーなってんの??」
「ビェエェエエエエン!!」
「というか、本当に彼女の屋敷なのかな…………??」
「ゼエッ! ゼエッ! ゼエッ!!!!」
「ごわいよーーーー……………………」
「…………そうだよね、考えるどころじゃないよね」




