リンクするV(バーチャル)とR(リアル)
総合ポイント100pt達成!ありがとーうございます!!
INTについて
ノーマルモード : 魔法攻撃力、攻撃速度(詠唱速度)に
関係する能力。魔法職はこれが高くないと、ポンコツ扱い
される。
リアルフィジクスモード : 学力……と見せかけて、
芸術的な想像力が魔法攻撃力に相関する。口喧嘩の
強さや早口言葉の得意さ等は、詠唱速度に相関する。
今更だが、リアルフィジクスモードはステータスだけで
物事を測れないことが多い。
(例:短距離が速いユーザーAはAGIが高いが、攻撃を避ける
事が苦手なので、回避率とAGIが相関していない)
20話
「ご馳走さまでした。今日もこれから友達と
ゲームするから、皿洗って直ぐ二階に行くね」
食べ終わった食器を洗っていると、父さんに
話しかけられた。
「隆二、今日は筋トレをしないのか?」
「今日は50m走で足を痛めたから、しっかりと
休むことにしたんだ」
「そうか。筋トレは多少サボっても影響が出にくい
が、パワーリフティングの記録を伸ばすなら、
そこそこの頻度で最大筋力を発揮しておくんだぞ」
父さんの言いたいことを要約すると、現状維持なら
少ない頻度で良いが、筋力を飛躍的に伸ばすなら、
それなりの頻度で鍛えろと言うことだ。
「うん、分かってるよ。明後日までには
脚トレを出来るくらいに回復させるよ」
そういって、皿を洗い終えたので二階へ登った。
「確かに、パワーリフティングの記録を伸ばすには、
細かい技術も要するから、なるべく毎日するくらいが
良いんだよな。だけどそれじゃあオーバーワークに
なって、筋肉が縮んでしまう」
そうなったら、最大筋力は落ちる。
「あっ! 良いこと思い付いた!」
それを忘れない内に、VRの世界に潜り込んだ。
「再びこんばんはー!」
自室から広間へ降り、先に来ていた人達に
挨拶をする。
「こんこんー」
「アレ君こんー」
レイルとマリリンが居た。挨拶を返す前は楽しげに
話していたので、普段は仲が良いのだと思った。
「クラフトは来ていますか?」
「まだだと思うぜ?」
「何かあったの?」
「いえ、ちょっとダンベルを作ってもらおうかと
思いまして」
「ダン……ベル??」
マリリンがなにそれと言わんばかりの反応をした。
「お前、そういや筋トレが趣味だったな。
けど仮想現実で鍛えても、リアルに反映
されねぇだろ」
レイルは普通の人間ならそう考えそうな
返事を返してきた。
「そう思いますよね? しかし、実は効果が
あるんですよ」
「と言うと?」
「昨日、俺が皆さんのギルドに入る前に、その辺の
フィールドを全速力で駆け回りまくったんです。
ずーっと走っていれば、当然速く走るフォームとかも
自然に分かってきますよね」
「あー、確かに始めたての頃は、AGIが低い
以前に動き方がおぼつかなかったなぁ……」
「うん、あたしもあの頃より随分と
速く走れるようになったわ」
やはりゲームにおける慣れは大切らしい。
「運動神経が悪い俺も、走りまくる事で明らかに
速くなりました。そして今日、体育で50m走が
あったんですけど、どんな記録が出たと思いますか?」
「結構良い記録が出た」
「無理なフォームで走ったせいでスタート早々に
肉離れを起こした」
「そうなんです! 去年の記録から1秒も縮み、
無理なフォームで走った代償として、最後の最後に
肉離れを起こしたんですよ!」
「1秒!!?」
「ああっ、肉離れはスタートじゃなくて
ゴール際だったのね!」
レイルは驚き、マリリンは答えが惜しかった
ことを残念がる。
「当然学校で一番速かった奴よりも断然速くなり、
0.5秒位差がつきましたね」
「おいおい…………断トツの俊足より0.5秒速いって
お前一体何秒で走りやがった…………??」
「確か5.4秒だったかな?」
「ジャスト世界記録かよ!?」
「えっ…………夜ご飯前にあたしを背負いながら
更に速く走っていたから…………」
レイルは更に驚き、マリリンはクエストでの事を
言及する。
「理論上今は更に速いですね。まぁ、実際にやったら
肉離れ所か筋断裂を起こしかねませんがね」
「…………ははっ、いつかお前がテレビに出たら、
俺、ゲーム友達だって自慢して良いか?」
「勿論です」
「でも、それとここで重たいバーベル?を持ち上げることと関係あるの?」
「大有りです。ここで50m走をしたら、現実の50m走も速くなった。と言うことは、ここで重たすぎるバーベルを限界を超えて持ち上げれば、現実でも同じ重量のバーベルを持ち上げれる!」
「「おおっ!」」
同時にハモった。
「かもしれないと言うことです」
「いや、かもしれないって何だよ。
折角画期的だったんに…………」
画期的な話だっただけに、もしも論で
あったことを残念がる。
「重たいバーベルに対する心理的ハードルが、
現実だと重くのし掛かって、力を無意識に
セーブしかねないんですよ」
「あー、80キロは楽勝なのに、90キロになったら
急に持ち上げれなくなるみたいな?」
「それですね」
「う~ん、良く分かんないけど、やりたいなら
お願いしてみたら? それにしてもバーベルって
何かと思っていたけど、重たい重りの事だったん
だね! スッキリしたよ」
「まぁ、筋トレしていない人は分かんないですよね~」
特に日本は筋トレ人口が少ないので、
バーベルとダンベルの違いが分からない人も
ザラに居るだろう。
「俺はたまにやってるからなぁ。柔道、空手、
少林寺拳法に他多数の武術もかじってるぜ!」
「レイルさんリアルだと武闘派なんですね!
皆さんが来るまでの間、ちょっと柔道の練習に
付き合っていただけますか?」
「良いけど、全力の背負い投げだけは勘弁してな!」
「アザッス!」
「アレ君、常に全力で投げるのよー!」
「絶対止めてくれよ!!」
釘を刺すレイルの表情はマジだった。
そしてしばらく柔道……をやるつもりが、主に
少林寺拳法の練習を行い、SAFで活かせる体術の
レパートリーが増えた。
「あ、皆さんお揃いでしたか」
「今来たところだ。もう少しゆっくりすると良い」
レオナルド隊長に、まだ自由時間であることを
告げられたので、早速クラフトにバーベルを
注文することにした。
「良いな、それ。大会の成績も良くなるし、
ギルドの皆とも長く遊べるよな!」
「そうなんだ。だからさ、作ってくれ!」
「う~ん、良い機会だ。ギルド流のやり方でクリエイトしてやろう」
「と言うと?」
「俺は基本、仲間から物作りを頼まれたら、頼まれた
順に作り始めるんだ。材料の買い出しから、ジェルマン
さんへの錬金の委託、そして製作の3工程全てをな。
だけど、例外的に最優先で製作に取りかかる条件を
設けている」
「その条件は?」
「材料を全て依頼者が揃えることだ。勿論錬金が
必要な材料は、錬金済みでな。ジェルマンさんも
材料を直接持ってきた人の錬金を優先するから、
そこは問題ないな」
「要は材料を集めろって事だな! 300キロの
重さ可変式バーベルとベンチプレス・デッドリフト
・スクワット全てこなせる台を作るためには、
具体的に何を用意すれば良いんだ?」
「玉鋼鉱石50個、レムシープの毛5個、
魔物の毛皮5個だな」
「…………玉鋼鉱石がやたら多いな」
「まぁ、それだけ重りを作るのが大変って事だよ。
ちなみに玉鋼鉱石は鋼鉱石と純炭1つずつの錬金で、
鋼鉱石は鉄鉱石と純炭1つずつの錬金で出来るからね」
「つまり…………」
純炭 × 100
鉄鉱石 × 50
レムシープの毛 × 5
魔物の毛皮 × 5
「さーて、自由時間は採掘漬けだな!!」
と、その時
「時間だ。全員の行動指針を発表する」
レオナルドが全員に呼び掛けた。
ブックマーク、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!
明日から木曜日まで、1日1話投稿になりますので、
よろしくお願いします。




