マグネティック・スウィングバイ
決着!
192話
「行くぜッッ!!」
アレウスは腕の関節を全て外し、鞭のように
しなる剣をマッハ7まで加速させた。
(どこまで加速させようとも、その武器にFeが
含まれる限り、要塞の磁力に逸う軌道に変わるのさ)
しかし、アルベルトの思惑通り、鞭剣の軌道は
横へと逸れてしまった。
「シィット! イッツトゥー、ライトトゥビー、
ブロウンアウェイ!!」
コタロウも、磁力に引き摺られない遠方から
爆発的な速度で飛ぶクナイを投げていたが、
やはり磁力に負けてしまい、要塞に着弾
させられずにいた。
(二兎は狙わず一兎を仕留める。バイバイ、アレウス君)
要塞を銃弾まみれにすることで、敢えて要塞を
狙わせて2人に隙を作らせることが、アルベルトの
狙いだったのだ。そして、まずは破壊性能の高い
アレウスを倒そうと破壊光線を放った。
「コスモ・ソーサー!」
「なっ!?」
しかし、隙だらけのアレウスは、避けるだけでなく、
アルベルトの視界センサーから消える程の速度で
移動し始めた。そして次に気づいた時には…………
「よ、要塞が真っ二つに溶け斬れている…………!?」
今まで磁力にものを言わせてあらゆる斬撃を
流していた要塞が、綺麗に斬られると同時に
切断面から溶けていたのだ。
(…………辛うじて要塞は生きている。次の攻撃が
来る前に彼wo…見つけたっ!?)
アレウスの次の手を警戒し、全力で探知した
アルベルトだったが、以外にも瞬時に発見した。
それもそのはず…………
「気絶してた!? 何秒!? 要塞は!?」
アルベルトに見つかる寸前まで、彼は気絶
していたからだ。人智を超えた回転速度を
その身体で味わった結果、混乱状態を
飛ばして気絶したのだった。
(目覚めの今しかない!)
アルベルトは、最小限の予備動作で腕の砲口から
一撃を繰り出si…
「金遁・穿神鋼牙・烈々!!」
「これくらいで死んでたまるかぁ!!」
その前に、偶々アレウスの目の前にいたコタロウが
爆速のクナイを投げまくった為、反射で避けている内に、
アルベルトの火線から脱していた。
(…………あの2人に動かれると、まともに狙えないや。
僕のセンサーはまだまだ改良の余地があるな…………
勿論、僕の肉体や第六感もだけどね)
アルベルトは2人にあって、自分には無いものを
自覚し、今の実力を理解したのだった。
「どりゃあああっ!!」
「ノオオオオオッ!!」
腕関節をしならせ、剣形態のビローブレイドを
コタロウに炸裂させた。コタロウもガードに成功は
すれど、死にかけの要塞へと大きく飛ばされて
しまった。
「アーユーデッド!! ぬぅ!?」
が、銃弾の嵐に巻き込まれる寸前、宙に踏ん張って
制止することに成功した。しかしその時、側方から
アレウスが腕関節を元に戻して剣を構えている姿が
映った。
(イズィットア、トラスト?)
コタロウは、これを突きの構えだと思考を巡らせた。
しかし、本人が感じた通り、ここで速度に劣る突きを
繰り出すのは、あまりにも不自然であり、アレウスは
やはり別の動作を行った。
「雷疾穿!!」
ビローブレイドに蓄積した雷属性を、一筋の
強烈な雷に変換して放ったのだ。速度は雷速、
普通は避けられないのだが…………
「ネヴァイート、トワi…」
一度とどめを刺されることで経験していた事と、
土壇場で更に研ぎ澄まされた殺気感知能力により、
直撃を回避してしまったのだ。にもかかわらず
「フォール!?」
コタロウの身体は突如、銃弾がバッファローの
群れのように忙しなく蠢くギルドへと落下し始めた
のだ。
「フレミングの法則。強烈な磁界に対して垂直方向に
強烈な電流を流すことで、もう1つの垂直軸の方向へ、
強烈な力を発生させる! これだけ磁場や電気を
見てたら思い付くのも無理はねぇよなぁ!」
毎度お馴染みの突拍子もない発想による
戦術だったようだ。
「ボババババババァ!!」
流石に蜂の巣にされては生き延びることは
叶わず、コタロウはここで退場となった。
「くッ!!」
「次はあんただぜ!」
アルベルトが狙い定めた砲口を吼えさせたが、
その弾丸・光線は全て避けられている。
(パターンは100近くあるのに…………容易く
避けられる所か、信じられないスピードで
近づいて来ている)
「年貢の納め時だぜっ!」
「させるかっ!」
アルベルトはジェット噴射で高速移動することに
より、アレウスの攻撃範囲内に入る前に距離を取った。
(幸いにも、テイマー系jobや下級job両手剣の特技に
高速移動技は無い。エネルギー消費を伴うとはいえ、
このまま距離を取り続けるのが最善策だな)
アレウスの集中力切れを狙う作戦のようだ。
「SAFだとスタミナは無限だってことを
お忘れですかぁ!?」
「肉体の持久力は無限でも、精神の持久力は
どうだろうね!!」
それでも高速で接近してくるアレウス。格上
モンスターとの戦闘で鍛えられた胆力は、他の
追随を許さない。そして、それだけでないのが
この男の強みだ。
「バーン・ボルト・ハイパーラッシュ!!」
「!?」
アレウスが熱と電気を多面展開した瞬間、
アルベルトは混乱してしまった。何故なら、
彼の電磁波センサーと熱センサーに大量の
デコイが映ったのだから。
(アレウス君の場所が分からない! というか、
この隙に要塞を壊される!)
そうなっては、主であるアルベルトも死んでしまう。
「(しかし、彼の得物で要塞を破壊するには、
磁気フィールドを利用した加速をワンクッション
入れる必要がある…………)これだ!」
アルベルトは磁気フィールドを解除し、要塞の
ワープゾーンへと自らを転送
『ザギュッ!!!』
「…………しまった」
しようとした所で、こちらへ直接繰り出してきた
斬撃を食らい、身体を左右に分けられて死亡した。
「ふぅ、偶々斬撃の軌跡が磁気の流れに逸っていた
お陰で、1発で仕留めれたぜ。何か磁気も消えてるし、
とどめ刺しとくかって、うおおおっ!?」
先程まで要塞の周囲を旋回していた銃弾達が、
縛る力を失ったことで、直線的に飛来してきた。
アレウスは最初の数弾を反射で回避し、残りの
避けきれない弾丸は、ビローブレイドを円形
シールド形に展開することで、防ぎきった。
「こういうランダム要素は殺気がねぇから、
回避・ガード率が著しく低下するんだよ、
な"ッ!!」
最後の一撃を放ち、アルベルトの要塞を破壊した。
「勝ったぜぇ!!」
こうして、青空イベントギルド団体戦は、
アレウス属するアグロフラッシュが、大差を
つけて勝利したのだった。
明日には、更に盛り上がる催しがある模様。
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