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機械VS筋肉忍者

大変お待たせしました。ユーザー達の頂点を決める

対戦カードが1つ揃いました

189話


()(とん)(あぶ)(あみ)!」


 コタロウは、燃え盛る鋼鉄の網を展開した。

こんな物でサイボーグのアルベルトを焼き殺せる

とは()(じん)にも思っていないが、動きを封じることに

意味がある。


(モア、アグロッ!!)


 動きが止まった瞬間に、最高速度・最大火力の

連撃を叩き込む算段だ。


「ヴァイヴ・ブレイズ」


 対するアルベルトは、片腕をロングソード形態に

変え、三次元的に回転することで、網を細切れにした。

 それだけでなく


(イッツァ、デンジャラスバイブレーション!)


 剣筋(けんすじ)をなぞるように残された振動は、音速の斬撃と

なって広がり、(くう)を斬っていった。


「影分身・月虹(げっこう)!」


 自身の身体能力で影分身を行った上、MPを消費した

事で、辺り一帯を覆う程の分身を産み出した。


((すさ)まじい数だ。いつぞやのアレウス君を彷彿(ほうふつ)

させる(はや)さ!)


 標準速度がかなり高い技を、当たり前のように

1段強化している姿を見て、コタロウを全力で

討伐する覚悟を決めた。


(げっ)()賽塵(さいじん)!」

「マイ・リペリング!」


 分身が目にも止まらぬ速度でアルベルトへ接近し、

全身に無数の斬撃を入れようとした瞬間、今度は

アルベルトの姿が消えた。


「ビー、プルゥドバイ…………マイブレイド!

イズイット、マグネティックフォース!」


 そして、金属である日本刀も急にある方向へ

引っ張られた事で、アルベルトが磁力を利用して

移動したことを察した。


爆遁(ばくとん)重衝(じゅうしょう)()!!」


 (てのひら)サイズの爆弾を、丁度音速で投げるという、

シンプルかつ、強力な技を繰り出した。投擲(とうてき)動作で

発生する音を除けば、聴覚で動きを探ることは

不可能だ。

 加えて、投擲直後に素早く動き出す事で、

奇襲にも備えた。


「リムーブド!」


 が、計算した時間に爆発が起きなかった為、

外したと判断した。


「ワァオ!」


 直後、刺し(つらぬ)くような殺気を感じたので、

()(よじ)った所、無数の(じゅう)(だん)が身体すれすれを

通過した。


「ゼァア!!」


 この回避でアルベルトの位置を割り出した

コタロウは、直ぐ様無数の爆薬を投げつけた。


「フレイ・ウォール」


 しかし、砲口(ほうこう)となっているアルベルトの左腕から、

炎の壁が展開された事で、()えなく全てを防がれて

しまった。


「ウェア、アーユー?」


 更に、突然殺気が消えた事で、アルベルトに

対する全ての情報が消えてしまった。

 そして思考したことで、身体の動作速度が

鈍った瞬間…………


「オフッ!? ノオオオオオオッ!!?」


 不意に見えない拳で殴られ続けるような感覚に

(おちい)り、少しずつだがHPを削られ始めた。


「ソニック・ナックルズ(彼…………コタロウさんは

相当殺気に敏感だ。それならば、しばらくは見えない

位置から、"聞くことが不可能"な音速攻撃で削れば

良いという事だよね)」


 アルベルトはそう考え、爆薬の煙の中から衝撃波を

拳から発生させていたのだ。"これで仕留めてやる"と

思って放つ攻撃程、殺気が(こも)りやすいので、敢えて

速いが中身が少なく威力に(とぼ)しい攻撃で、削ることに

したのだ。


(僕は煙を通過する電磁波を元に、コタロウさんを

"見ること"が出来るからね、少々イレギュラーな

攻撃への対応力を観察させてもらおうか)


 まるで、猫が捕まえた獲物を弄ぶような、そんな

殺気・殺意とは程遠い感情を持って、コタロウに

攻撃を加えていく。


(ついでに煙玉で煙の壁を補強してと)


 更に、煙の壁を無くさないようにすることで、

此方の姿と行動を相手に見せつけない。


(あ、こんなのも良いかも!)


 そう思ったアルベルトは、連続の衝撃波に

"殺意を極限まで込めた"銃弾を混ぜ始めた。


「ウーーーーム!!」


 対するコタロウは、衝撃波が命中する場所の

不規則さから、未だにアルベルトの位置を把握

できていない。風圧と違い、煙に穴が開かない為、

攻撃した証拠が残らないのだ。


「デンジャラス!!」


 が、突如襲いかかってきた特大の殺気に反応し、

(かい)()動作を取った所、音速付近で飛んできた銃弾を

避けることに成功した。しかし


「ムゴゴゴゴゴ!!」


 回避動作の移動先で、ほぼ殺気0の衝撃波を

顔面に連続で被弾した。脳が揺れた事で、混乱

状態にも陥った。


(やはり、当然だけど目に見えて危険な攻撃は最優先で

避けようとする。その先に本当に危険な攻撃が待って

いても、見えなければ避けようが無いんだね)


 そして、このような攻撃を繰り返しながら、

煙に幾つかの成分を混ぜて、拡大し続けた。


「ザ・ワースト! アイキャントシー、ヒア、

フィール、アンドベリベリスメル!!」


 主要の五感2つと第六感が機能不全であることに

反比例し、先程から謎の異臭を感じることで、

コタロウは苛立ちが(つの)っている。


「キャント…………シー…………ウップ、バッドスメルス…………」


 そして、何時の間にやら、周囲を煙で覆われて

いる事に気づいた。更に、異臭の原因が、この煙で

あることにも…………


「ハッ、風t…」

「フルパワード・ボルテックス!!」

「ブォワアアアアアアア!!!!!」


 コタロウが風で煙を吹き飛ばそうと考えた瞬間、

アルベルトが体内に蓄電(ちくでん)していた物と、魔法で発生

させた物の両方を合わせた全力の電撃を繰り出した。


「ヒーリングッ! ヒーリングッ!」


 死なないよう、必死で特上の回復ポーションを

飲み続けるコタロウ。…………しかし


「もう遅い! ()(なた)が幾ら素早く移動できようとも、

回復ポーションの所持限界を向かえるまでに、煙幕

から脱出することは不可能です!」


 そう、アルベルトが煙に散布した成分の1つは

鉄粉(てっぷん)だった。これにより、電気エネルギーはコタロウに

付着した鉄粉を介してダイレクトにダメージとなる。

そしてもう1つは…………


「貴方にダメージを与えているのは電気だけじゃない、

猛毒(もうどく)もです!」


 猛毒も()き散らしていたのだった。鉄も

吸い込みすぎると毒ではあるが、アルベルトは

速効性を求め、モンスターから採取できる

猛毒も混ぜたのだった。


「イッツァ、デスピア…………」


 コタロウは、かつてアレウスに()め技を

かけられた時と同様のセリフを呟き、誰にも

見えない表情を、絶望に染めた。


「これで終wa…」


 不意に高速接近反応を感知し、直後に向かってくる

攻撃を回避しようとしたアルベルトだったが、知覚

出来ぬまま(ひだり)(ひじ)辺りの上腕を切断された。


「久しぶりッスねー、アルベルトさん。そして、

コタロウさんは昨日ぶりですねぇ」


 アレウスがビローブレイドをしならせ、

アルベルトの腕を斬りつつコタロウに

(まと)わりつく煙幕を全て吹き飛ばし、

その電力を全て奪ったのだった。


「久しぶりだね、アレウス君。パワードスーツ

無しでこの攻撃力と速度ですか…………」


 アルベルトは、目の前の男のパワーに若干の

(あせ)りを見せていた。


「ミスター、アレウス…………ユーアンドアルベルト

アー、タイアードオブオール、ジ・エレクトリ

シティ…………」


 急死に一生を得て、()(どく)ポーションを飲んだ

コタロウだったが、強敵が1人増えたに過ぎない

ので、絶望したままであった。


「始めましょうぜぇ、リアルフィジーカーだけの

祭りをよぉ!」

最後までお読み下さり、ありがとうございます。

下の星を着けてくださったり、ブクマを着けて

くださると、執筆の励みになります!


6/17 お待たせしています、今日、明日中に

    投稿します。

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